モーリシャス共和国

基礎データ

令和6年12月4日
モーリシャス共和国国旗

一般事情

1 面積

2,040平方キロメートル(ほぼ東京都大)

2 人口

126.1万人(2023年、世銀)

3 首都

ポートルイス(Port Louis

4 民族

インド系、クレオール系が大部分。その他フランス系、中国系など。

5 言語

英語(公用語)、仏語、クレオール語

6 宗教

ヒンズー教(52%)、キリスト教(30%)、イスラム教(17%)、仏教(0.7%)

7 国祭日

3月12日(独立記念日)

8 略史

年月 略史
1598年 オランダ領
1715年 フランス領、首都ポートルイスを建設
1814年 イギリス領
1968年3月 独立(旧宗主国、イギリス)、シウサガル・ラングーラム労働党首が首相就任
1982年6月 総選挙、アヌルード・ジャグナット・モーリシャス社会主義運動(MSM)党首が首相就任
1991年12月 立憲君主制(英国女王を元首)から共和制へ移行のための憲法改正
1992年3月 モーリシャス共和国に移行
1995年12月 総選挙(野党連合の圧勝)、ナヴィン・ラングーラム首相就任
2000年9月 総選挙(野党MSMが勝利)、アヌルード・ジャグナット首相就任
2003年9月 ベランジェMMM党首が首相に就任
2005年7月 総選挙(労働党が勝利)、ラングーラム首相就任
2010年5月 総選挙(労働党を中心とする与党連合が勝利)、ラングーラム首相再任
2014年12月 総選挙、アヌルード・ジャグナット首相就任
2017年1月 アヌルード・ジャグナット首相辞任、息子のプラヴィン・クマール・ジャグナット財務・経済開発大臣が首相に就任
2019年11月 総選挙で与党連合勝利、ジャグナット首相再任
2024年11月 総選挙(野党連合の圧勝)、ナヴィン・ラングーラム首相就任

政治体制・内政

1 政体

共和制(1992年3月12日移行)

2 元首

プリトヴィラジシン・ルーパン大統領(Prithvirajsing ROOPUN

3 議会

国民議会(議席数:70(最大)、任期5年)

4 政府

  • (1)首相 ナヴィンチャンドラ・ラング-ラムNavinchandra RAMGOOLAM
  • (2)外務・地域統合・国際貿易大臣 ダナンジェイ・ラムフルDhananjay RAMFUL

5 内政

 1968年の独立以来、平和裡に政権交代が行われており、民主的制度(議院内閣制、政党政治)が定着。2000年の総選挙では、アヌルード・ジャグナット・モーリシャス社会主義運動(MSM)党首を首相とする新内閣が発足したが、2005年の総選挙ではラングーラム労働党党首が勝利し、首相に就任(2010年の総選挙で勝利し再任)。
 2014年の総選挙では、再びアヌルード・ジャグナット政権が発足したが、2017年1月、アヌルード・ジャグナット首相は首相職を辞任。与党第一党であるMSMの党首に就任していた息子のプラヴィン・クマール・ジャグナット財務・経済開発大臣が、後継の首相に就任した(2019年の総選挙で勝利氏、再任)。
 2024年の総選挙では野党連合が圧勝し、ラングーラム労働党党首が10年ぶり3度目の首相に返り咲いた。

外交・国防

1 外交基本方針

 過半数の国民のルーツであるインド、旧宗主国の仏・英との連携を基本としつつ、旧西側、旧東側及び非同盟諸国とも良好な関係を維持する全方位外交を展開。南部アフリカ開発共同体(SADC)、インド洋委員会(IOC)、東南部アフリカ共同市場(COMESA)、環インド洋連合(IORA)等地域協力を推進。近年、中国との協力関係も強化。

2 軍事力(ミリタリーバランス 2024)

  •  常備軍は存在しない。
  •  国防・治安維持は主に警察やそれに属する特別機動隊や沿岸警備隊によって担われている。
  • (1)予算 2.55億ドル(2024)
  • (2)憲兵隊・準軍事組織 2,550人(特別機動隊:1,750人、沿岸警備隊:800人)

経済

1 主要産業

EPZ(輸出貿易地区)における繊維工業や砂糖生産等、金融業、観光

2 GDP

144億米ドル(2023年、世銀)

3 一人当たりGNI

10,417米ドル(2023年、世銀)

4 経済成長率

7.0%(2023年、世銀)

5 物価上昇率

7.1%(2023年、世銀)

6 失業率

6.1%(2023年:世銀)

7 総貿易額(2023年、ITC)

  • (1)輸出 18.54億米ドル
  • (2)輸入 62.81億米ドル

8 主要貿易品目(2023年、ITC)

  • (1)輸出 肉・魚加工品、砂糖、繊維・衣料品
  • (2)輸入 燃料、石油、自動車・自動車部品

9 主要貿易相手国(2023年、世銀)

  • (1)輸出 フランス、南アフリカ、米国、英国
  • (2)輸入 中国、UAE、インド、南アフリカ

10 通貨

モーリシャス・ルピー

11 為替レート

1米ドル=46.3モーリシャス・ルピー(2024年7月現在)

12 経済概況

 長らく砂糖産業に依存してきたが、工業化政策を推進し産業の多様化に成功。伝統的産業である砂糖生産、繊維産業及び観光産業に頼る経済からの脱皮を図るため、IT産業への投資等を積極的に進めている。2020年、世界銀行の所得グループにて高所得国に分類された。また外国直接投資の誘致に力を入れており、投資環境整備に取り組み、近年世銀Doing Businessランキングはアフリカで第一位を維持している。アフリカ諸国を中心とした投資協定の締結も積極的に進め、アフリカへの投資拠点となることを目指している。

経済協力

1 日本の援助実績(2021年度までの累計、単位:億円)

  • (1)有償資金協力 461.46
  • (2)無償資金協力 84.64
  • (3)技術協力実績 67.04

2 主要援助国(2021年、OECD、単位:百万ドル)

  • (1)フランス(196)
  • (2)日本(155)
  • (3)EU(10)

二国間関係

1 政治関係

 日本はモーリシャスを独立(1968年3月12日)と同時に承認。2017年1月に在モーリシャス大使館実館を開設。在京モーリシャス大使館はなく、在豪モーリシャス高等弁務官事務所が兼轄。在京名誉領事館が商船三井株式会社内に置かれている。

2 経済関係

(1)対日貿易

(ア)貿易額(2023年:財務省)
輸出 11.6億円
輸入 280.2億円
(イ)主要品目
輸出 魚介類、衣類、繊維
輸入 自動車、機械類・輸送用機器、魚介類

(2)日系企業

4社(2023年)

3 在留邦人数

77人(2023年10月)

4 在日当該国人数

112人(2023年12月、法務省)

5 要人往来(主に2005年以降)

(1)往訪
年月 要人名
1968年3年12月 福田篤泰衆議院議員(独立式典・特派大使)
2005年1月 川口順子総理大臣補佐官(小島嶼開発途上国国際会議)
2006年7月 平井卓也内閣府大臣政務官
2006年8月 大野功統衆議院議員、田中和徳衆議院議員、小渕優子衆議院議員、奥野信亮衆議院議員、山谷えり子参議院議員(日・AU友好議連)
2013年7月 平将明経済産業政務官(環インド洋地域協力連合経済ビジネス会議)
2016年8月 西村康稔議員、平井たくや議員、緒方林太郎議員、平将明議員(衆議院経済政策等実情調査議員団)
2017年1月 堀井巌議員、杉尾秀哉議員(参議院ODA調査団)
2017年6月 薗浦健太郎外務副大臣
2017年7月 末松信介国土交通副大臣(官民インフラ会議)
2018年8月 佐藤正久外務副大臣、逢沢一郎衆議院議員(日AU友好議連会長)
2020年12月 茂木敏充外務大臣
2023年1月 山際大志郎議員(日AU友好議連幹事長)、牧原秀樹議員(日AU友好議連事務局長)
2023年5月 山田副大臣(アフリカ貿易投資促進ミッション)
(2)来訪
年月 要人名
1993年10月 ナバブシング副首相兼計画開発相(TICAD I)
1998年10月 ビーニック経済開発・地域協力相(TICAD II)
2006年11月 ブーレル農工業・漁業相(財団法人海外漁業協力財団招待)
2007年7月 ブーレル農工業・漁業相(第9回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー)
2008年5月 ビービージョン副首相兼公共整備・海運・陸運相(TICAD IV)
2009年7月 フォゴー農業産業・生産・食糧危機相(財団法人海外漁業協力財団招待)
2013年6月 ラングーラム首相、ブーレル外相(TICAD V)
2013年10月 ジータ高等教育・科学・研究・技術相(STSフォーラム)
2013年10月 ヴィラサウミー環境・持続可能な開発相(水銀に関する水俣条約外交会議)
2014年10月 ジータ高等教育・科学・研究・技術相(STSフォーラム)
2015年3月 ダヤル環境・持続的開発・災害・海岸管理相(国連防災会議)
2018年10月 ゴビン法務長官兼司法・人権・機構改革相(第57回アジア・アフリカ法律諮問委員会(AALCO)年次総会)
2019年1月 ボダ公共インフラ・陸運相(閣僚級招へい)
2019年8月 ジャグナット首相(TICAD7)

6 二国間条約・取極

  • 1980年6月18日 日・モーリシャス査証免除取極
  • 2005年1月12日 日・モーリシャス技術協力協定

7 外交使節

  • (1)駐モーリシャス日本大使:菅正広特命全権大使
  • (2)駐日モーリシャス大使(オーストラリアから兼轄):未着任
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