マレーシア
マレーシア(Malaysia)
基礎データ
一般事情
1 面積
約33万平方キロメートル(日本の約0.9倍)
2 人口
約3,350万人(2023年マレーシア統計局)
3 首都
クアラルンプール
4 民族
- マレー系約70%(先住民12%を含む)、中華系約23%、インド系約7%(2023年マレーシア統計局)
5 言語
マレー語(国語)、中国語、タミール語、英語
6 宗教
イスラム教(連邦の宗教)64%、仏教19%、キリスト教9%、ヒンドゥー教6%、その他2%(2023年マレーシア統計局)
7 略史
年月 | 略史 |
---|---|
15世紀初め | マラッカ王国成立 |
16世紀~17世紀 | ポルトガル、オランダ東インド会社によるマラッカ支配 |
1824年 | 英蘭協約によりマレー半島及びボルネオ島西北部が英国の勢力範囲下となる。イギリスによる植民地支配。 |
1942年~1945年 | 日本軍による占領 |
1948年 | 英領マラヤ連邦形成 |
1957年 | マラヤ連邦独立 |
1963年 | マレーシア成立(シンガポール、英領北ボルネオ(サバ)及びサラワクとマラヤ連邦が統合) |
1965年 | シンガポールが分離、独立。 |
政治体制・内政
1 政体
立憲君主制(議会制民主主義)
2 元首
- イブラヒム第17代国王(2024年1月即位、任期5年。ジョホール州スルタン)
- (注)マレーシアの国王は、9州の統治者(スルタン)が統治者会議で互選する。
3 議会
二院制
- 上院:70議席、任期3年。44名は国王任命、26名は州議会指名。
- 下院:222議席、任期5年。直接選挙(小選挙区制)。
4 政府
- 首相:アンワル・イブラヒム(2022年11月就任)
- 外相:モハマド・ハサン(2023年12月就任)
5 内政概況
2022年11月19日、連邦下院の総選挙が実施され、希望連盟(PH)が最多議席を獲得。同年11月24日、アブドゥラ国王は憲法の規定に基づいて、アンワルPH議長を首相に任命。同日、アンワル新首相が宣誓を行い、第10代首相に就任。
外交・国防
1 外交基本方針
ASEAN協力の強化、イスラム諸国との協力、大国との等距離外交、南々協力、対外経済関係の強化が対外政策の基本。PKOには1960年から積極的に参加。
2 軍事力
- (1)予算:41.5億米ドル(2022年予算)
- (2)兵役:志願制
- (3)兵力:正規軍11.3万人(陸軍8万人、海軍1.8万人、空軍1.5万人)
(2023年版ミリタリーバランス)
経済
1 主要産業
製造業(電気機器)、農林業(天然ゴム、パーム油、木材)及び鉱業(錫、原油、LNG)
2 名目GDP
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
GDP(名目)(リンギット) | 15,127 | 14,185 | 15,489 | 17,914 | 18,226 |
(単位:億リンギット)(マレーシア統計局)
3 一人当りGDP(名目)
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
一人当りGDP(名目) | 11,232 | 10,361 | 11,450 | 12,364 | 13,382 |
(単位:ドル)(IMF)
4 経済成長率(実質)
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
経済成長率 | 4.4 | -5.5 | 3.3 | 8.7 | 3.7 |
(単位:%)(マレーシア統計局)
5 物価上昇率
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
物価上昇率 | 0.7 | -1.2 | 2.5 | 3.3 | 2.5 |
(単位:%)(マレーシア統計局)
6 失業率
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|---|
失業率 | 3.3 | 3.3 | 4.5 | 4.6 | 3.9 |
(単位:%)(マレーシア統計局)
7 総貿易額
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
輸出額 | 9,950.7 | 9,838.3 | 12,410.2 | 15,500.0 | 14,256.8 |
輸入額 | 8,494.1 | 8,004.8 | 9,873.4 | 12,938.1 | 12,115.7 |
(単位:億リンギット)(マレーシア統計局)
8 貿易品目
- (1)輸出:電気製品、パ-ム油、化学製品、原油・石油製品、LNG、機械・器具製品、金属製品、科学光学設備、ゴム製品等
- (2)輸入:電気製品、製造機器、化学製品、輸送機器、金属製品、原油・石油製品、鉄鋼製品、科学光学設備、食料品等
9 主要貿易相手国(マレーシア統計局)
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 中国 | 中国 | 中国 | シンガポール | シンガポール |
2位 | シンガポール | シンガポール | シンガポール | 中国 | 中国 |
3位 | 米国 | 米国 | 米国 | 米国 | 米国 |
4位 | 香港 | 香港 | 香港 | 日本 | 香港 |
5位 | 日本 | 日本 | 日本 | 香港 | 日本 |
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 中国 | 中国 | 中国 | 中国 | 中国 |
2位 | シンガポール | シンガポール | シンガポール | シンガポール | シンガポール |
3位 | 米国 | 米国 | 台湾 | 台湾 | 米国 |
4位 | 日本 | 日本 | 米国 | 米国 | 台湾 |
5位 | 台湾 | 台湾 | 日本 | 日本 | 日本 |
10 為替レート
1米ドル=4.59リンギット、1リンギット=30.83円(2023年12月29日終値(マレーシア中央銀行))
経済協力
1 日本の援助(2021年度までの累計)(単位:億円)
- (1)有償資金協力:9,238億円(借款契約ベース)
- (2)無償資金協力:153億円(交換公文ベース)
- (3)技術協力:1,211億円(JICA経費実績ベース)
2 主要援助国ODA実績(2020年)(単位:百万ドル)
- (1)ドイツ(14.6)
- (2)英国(13.3)
- (3)日本(9.8)
(OECD/DAC)
二国間関係
1 政治関係
1982年にマハティール首相(当時)が提唱した「東方政策」、頻繁な要人往来、直接投資や貿易・技術協力などを通じた緊密な経済関係、活発な文化・留学生交流に支えられ、二国間関係は全般的に良好。2015年には、ナジブ首相(当時)訪日の際に、地域や国際社会の幅広い課題について、今後一層協力を強化する「戦略的パートナーシップについての日マレーシア共同声明」を発出。2022年には東方政策40周年を迎えた。2023年には、アンワル首相訪日に際して日マレーシア共同声明を発出し、両国関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げした他、政府安全保障能力強化支援(OSA)を通じた監視活動用機材の供与を決定した。
2 経済関係
(1)対日貿易
(ア)品目
- 輸出:鉱物性燃料(LNG等)、電気・電子機器、化学製品等
- 輸入:電気・電子機器、機械類、自動車、輸送用機器等
(イ)貿易額
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
輸出 (マレーシアから日本) |
19,263 | 17,016 | 21,663 | 34,312 | 28,226 |
輸入 (日本からマレーシア) |
14,490 | 13,435 | 17,137 | 21,663 | 19,579 |
(単位:億円)(財務省貿易統計)
(2)日本からの直接投資(製造業・主要投資認可額)
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|---|
日本からの直接投資 | 4,133 | 3,792 | 1,651 | 7,537 | 9,185 |
(単位:百万リンギット)(マレーシア投資開発庁)
3 文化関係
- (1)文化無償協力、対日理解促進交流プログラム、展示、講師派遣等を実施。
- (2)在日留学生数:2,423人(2022年12月)
(文部科学省、独立行政法人日本学生支援機構)
4 在留邦人数(外務省・海外在留邦人数調査統計)
20,657人(2023年)
5 在日マレーシア人数
11,256人(2023年6月:法務省出入国在留管理庁統計)
6 要人往来
要人名 | |
---|---|
2000年9月 | 常陸宮同妃両殿下 |
2001年7月 | 竹中経済財政担当大臣 |
2002年1月 | 小泉総理大臣 |
2002年10月 | 竹中経済財政・金融担当大臣 |
2003年1月 | 塩川財務大臣 |
2003年4月 | 坂口厚生労働大臣 |
2003年11月 | 川口外務大臣 |
2004年1月 | 茂木内閣府特命担当大臣・情報通信技術担当大臣 |
2005年1月 | 大野防衛庁長官 |
2005年5月 | 中川経産大臣 |
2005年10月 | 中川経産大臣 |
2005年12月 | 小泉総理大臣、麻生外務大臣、二階経産大臣 |
2006年6月 | 天皇皇后両陛下 |
2006年7月 | 麻生外務大臣 |
2006年8月 | 二階経産大臣 |
2007年8月 | 安倍総理大臣 |
2011年1月 | 片山総務大臣 |
2011年7月 | 海江田経産大臣 |
2011年10月 | 玄葉外務大臣 |
2012年7月 | 平野文部科学大臣 |
2013年7月 | 安倍総理大臣 |
2014年1月 | 山本内閣府特命担当大臣 |
2014年4月 | 小野寺防衛大臣 |
2014年5月 | 下村文部科学大臣 |
2014年8月 | 太田国土交通大臣 |
2015年8月 | 岸田外務大臣(ASEAN関連外相会議) 下村文部科学大臣 宮沢経済産業大臣 |
2015年11月 | 安倍総理大臣(ASEAN関連首脳会議) |
2017年4月 | 皇太子殿下 |
2018年1月 | 上川法務大臣 |
2018年7月 | 河野外務大臣 |
2019年1月 | 平井内閣府特命担当大臣 |
2020年8月 | 茂木外務大臣 |
2022年3月 | 安倍総理特使 |
2022年10月 | 林外務大臣 |
2022年12月 | 西村経済産業大臣 |
2023年6月 | 永岡文部科学大臣 |
2023年10月 | 宮下農林水産大臣 |
2023年11月 | 岸田総理大臣 |
年月 | 要人名 |
---|---|
2000年4月 | ラフィダ国際貿易産業相(日・マレーシア経済協議会合同会議) |
2000年6月 | マハティール首相(小渕前総理合同葬参列等) |
2000年9月 | アブドゥラ副首相(アセアンセンター主催シンポジウム) |
2001年1月 | マハティール首相(新聞社主催シンポジウム) |
2001年3月 | ナジブ国防相(外務省招待) マイケル・チェン上院議長(参議院招待) |
2001年4月 | ラフィダ国際貿易産業相 |
2001年6月 | マハティール首相(新聞社主催セミナー) |
2001年10月 | マハティール首相 |
2002年1月 | サイド・ハミド外相(アフガニスタン復興支援国会議) |
2002年5月 | マハティール首相(新聞社主催セミナー) |
2002年8月 | サイド・ハミド外相(東アジア開発閣僚会議) |
2002年12月 | マハティール首相(東方政策20周年記念セミナー) |
2003年6月 | マハティール首相(新聞社主催セミナー) |
2003年7月 | アブドゥラ副首相(外務省賓客) |
2003年12月 | アブドゥラ首相(日ASEAN特別首脳会議) |
2004年6月 | アブドゥラ首相(新聞社主催セミナー) |
2005年3月 | サイド・シラジュディン国王(国賓) |
2005年5月 | アブドゥラ首相(新聞社主催セミナー) |
2006年5月 | アブドゥラ首相(新聞社主催セミナー) |
2006年6月 | ナジブ副首相(世界経済フォーラム東アジア会議) |
2006年7月 | ラフィダ国際貿易産業相(日マレーシアEPA合同委員会) |
2007年3月 | ナジブ副首相(外務省賓客) |
2007年5月 | アブドゥラ首相(新聞社主催セミナー) |
2008年5月 | アブドゥラ首相(新聞社主催セミナー) |
2009年12月 | ムヒディン・ヤシン副首相 |
2010年4月 | ナジブ首相(公式賓客) |
2010年5月 | ムスタパ・モハマド国際貿易産業相 |
2010年11月 | ムヒディン・ヤシン副首相(APEC) |
2011年5月 | ナジブ首相(新聞社主催セミナー) |
2011年6月 | ムスタパ・モハマド国際貿易産業相 |
2011年9月 | シャベリー・チク青年スポーツ相 |
2011年11月 | カレド・ノルディン高等教育相 |
2012年4月 | ピーター・チン・エネルギー・環境技術・水相(東アジア低炭素成長パートナーシップ会合) アニファ・アマン外相(外賓) |
2012年10月 | アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー国王(国賓) |
2013年12月 | ナジブ首相(日ASEAN特別首脳会議) |
2014年5月 | ナジブ首相(新聞社主催セミナー) |
2014年11月 | ムヒディン・ヤシン副首相(ユネスコ世界会議) |
2015年3月 | ムヒディン・ヤシン副首相(第3回国連防災世界会議) |
2015年5月 | ナジブ首相(公式実務訪問賓客) |
2016年5月 | ザヒド副首相(日本マレーシア経済協議会第34回合同会議) |
2016年11月 | ナジブ首相 |
2018年6月 | マハティール首相 |
2018年7月 | ワン・アジザ副首相 |
2018年8月 | マハティール首相 マズリー教育相 アンソニー・ローク運輸相 レズアン起業家育成相 |
2018年9月 | モハマド・サブ国防相 |
2018年11月 | マハティール首相 サイフディン・アブドゥッラー外相 アズミン・アリ経済担当相 マズリー教育相 レズアン起業家育成相 |
2019年5月 | マハティール首相 |
2019年8月 | マハティール首相 |
2019年9月 | マハティール首相 |
2019年10月 | アブドゥラ国王王妃両陛下(即位の礼) |
2021年4月 | アズミン・アリ上級相兼国際貿易産業相 |
2022年5月 | イスマイル・サブリ首相 アズミン・アリ上級相兼国際貿易産業相 サイフディン外相 シャヒダン・カシム連邦直轄区相 サラバナン人的資源相 ファイザル・アズム青年・スポーツ相 |
2022年9月 | アズミン・アリ上級相兼国際貿易産業相(貿易投資誘致ミッション) |
2022年9月 | アズミン・アリ上級相兼国際貿易産業相(安倍元総理国葬) |
2023年3月 | ラフィジ経済相 |
2023年4月 | ハナ・ヨー青年スポーツ相 |
2023年5月 | ザフルル投資貿易産業相 |
2023年7月 | アザリナ首相府相(法務・構造改革担当) |
2023年12月 | アンワル首相 モハマド外相 ザフルル投資貿易産業相 |
2024年2月 | ザヒド副首相兼地方・地域開発相 ザンブリー高等教育相 |
7 二国間条約・取極
- (1)国交樹立
- 1957年8月31日
- (2)主要な二国間条約・取極
-
- 通商協定(1960年5月10日署名)
- 航空協定(1965年2月11日署名)
- 補償協定(1967年9月21日署名)
- 租税協定(1970年1月30日署名)
- 査免取極(1983年1月25日署名)
- 郵便為替交換協定(1983年11月18日署名)
- 日マレーシア経済連携協定(2005年12月署名、2006年7月発効)
- 日・マレーシア防衛装備品・技術移転協定(2018年4月18日)