マラウイ共和国

令和6年10月24日

一般事情

1 面積

11.8万平方キロメートル(日本の約1/3)

2 人口

2,093万人(2023年:世銀)

3 首都

リロングウェ

4 民族

バンツー系(主要民族はチェワ、トゥンブーカ、ンゴニ、ヤオ)

5 言語

チェワ語、英語(以上公用語)、各民族語

6 宗教

人口の約75%がキリスト教(その他イスラム教、伝統宗教)

7 国祭日

7月6日(独立記念日)

8 略史

年月 略史
1891年 英保護領
1953年 ローデシア・ニヤサランド(現マラウイ)連邦
1964年 英国より独立
1966年 マラウイ議会党による一党制移行(バンダ大統領)
1993年 国民投票により一党制から複数政党制へ移行
1994年 独立後初めての大統領・議会選挙(ムルジ政権)
1999年 ムルジ大統領再任
2004年 ビング・ワ・ムタリカ大統領就任
2009年 ビング・ワ・ムタリカ大統領再任
2012年 バンダ大統領就任
2014年 アーサー・ピーター・ムタリカ大統領就任
2019年 アーサー・ピーター・ムタリカ大統領再任
2020年 憲法裁判決により2019年大統領選挙結果無効。ムタリカ前大統領留任。(2月)
ラザルス・マッカーシー・チャクウェラ大統領就任(6月)

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

ラザルス・マッカーシー・チャクウェラ(H.E. Dr. Lazarus McCarthy Chakwera
2020年6月に就任。

3 議会

一院制

4 政府

外相名
ナンシー・テンボ(Hon. Ms. Nancy Tembo)、2022年1月に就任。

5 内政

  • (1)1999年6月、複数政党制導入後2回目の大統領選挙と国民議会選挙が実施され、ムルジ大統領が再選された。
  • (2)ムルジ大統領は、憲法改正により三選を目指したが、国民議会で否決されたため、二期限りの引退を表明し、後継にムタリカ経済計画・開発大臣を指名した。
  • (3)2004年5月の大統領選挙と国民議会選挙で、与党UDF(統一民主戦線)のムタリカ候補が新大統領に当選したが、国民議会選挙ではUDFは大きく議席を失い、野党や無所属議員を取り込んで過半数を確保した。
  • (4)ムタリカ大統領は与党UDF党員が汚職対策を妨害しているとして、2005年2月にUDFを離党し、新党DPP(民主進歩党)を結成した。
  • (5)2009年5月の大統領選挙でムタリカ大統領は大勝し、国民議会選挙でもDPPは193議席中114議席を獲得した。
  • (6)ムタリカ大統領の政治基盤が強化された一方で、2011年7月には、首都を中心に経済状況の改善や表現の自由等を求める反政府デモが発生した。
  • (7)2012年4月、ムタリカ大統領が急逝し、憲法規定に基づき副大統領であったバンダ氏が大統領に就任した。
  • (8)2014年5月、大統領選挙によりDPPのアーサー・ピーター・ムタリカ氏(故ムタリカ元大統領実弟)が大統領に就任した。
  • (9)2019年5月、マラウイで6回目となる総選挙(大統領、国会、地方議会各選挙)が行われ、ムタリカ現大統領が再選を果たした。
  • (10)2019年5月の選挙結果に対し、野党が異議を申し立て、同選挙に対するデモが同年6月から頻発。
  • (11)2020年2月、憲法裁判所は選挙結果に対する異議申し立てを認め、150日以内に再選挙を行うことを命じた。
  • (12)2020年6月23日に大統領選挙再選挙が実施され、9政党・運動からなるトンセ同盟から立候補したチャクウェラMCP党首が現職のムタリカ大統領を破り当選した。

外交・国防

1 外交基本方針

 サブサハラ・アフリカ諸国中、早くから台湾や南アフリカと外交関係を持つ等独自の路線をとり、南アの民主化以前は他のアフリカ諸国から反発を受けたが、近年は、アフリカ連合(AU)や南部アフリカ開発共同体(SADC)等で、地域の友好・善隣外交に努めている。2007年末には台湾と断交し、中国との外交関係を樹立した。

2 軍事力

  • (1)予算 75.8百万米ドル(2022年:SIPRI)
  • (2)兵役 志願制
  • (3)兵力 陸軍10,500人、湖上海兵隊220人、空軍200人(2021年:ミリタリーバランス)

3 加盟機構

 国連、英連邦、アフリカ連合(AU)、南部アフリカ開発共同体(SADC)、東・南部アフリカ共同市場(COMESA)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

  • (農)たばこ、メイズ、茶、綿花、ナッツ、コーヒー
  • (工)繊維、石鹸、製靴、砂糖、ビール、マッチ、セメント

2 GDP

140.8億米ドル(2023年:世銀)

3 一人当たりGNI

640米ドル(2022年:世銀)

4 経済成長率

1.5%(2023年:世銀)

5 物価上昇率

28.8%(2023年:世銀)

6 失業率

5.0%(2023年:世銀)

7 総貿易額

(1)輸出 9億米ドル(2022年:世銀)
(2)輸入 15.8億米ドル(2022年:世銀)

8 主要貿易品目

(1)輸出 タバコ、マメ類、紅茶等
(2)輸入 石油、尿素、化学肥料、衣料等

9 主要貿易相手国(2022年:世銀)

(1)輸出 ベルギー(15.98%)、タンザニア(9.42%)、ケニア(6.89%)、南ア(6.45%)、ジンバブエ(5.33%)
(2)輸入 中国(16.48%)、UAE(14.01%)、南ア(14%)、クウェート(7.41%)、印(5.51%)

10 通貨

マラウイ・クワチャ(MWK)

11 為替レート

1米ドル=1,733MWK(2024年10月現在)

12 経済概況

 伝統的な農業国であり、労働人口の約80%が農業及び農業関連事業に従事している。タバコ、紅茶、砂糖等の一次農産品が全輸出の8割を占めており、これら農産物価格の国際市況に外貨収支が大きく左右されるため、経済構造の変革や新たな外貨獲得源の確保が課題となっている。

経済協力

1 日本の援助実績(2021年度まで累計)(単位:億円)

  • (1)有償資金協力 331.49(2021年度 なし)
  • (2)無償資金協力 816.54(2021年度 23.85億円)
  • (3)技術協力実績 498.40(2021年度 12.41億円)

2 主要援助国(2020年、単位:百万米ドル)

  • (1)米国(323.10)
  • (2)ドイツ(97.17)
  • (3)英国(85.78)
  • (4)ノルウェー(53.51)
  • (5)日本(28.22)

二国間関係

1 政治関係

  • 1964年7月 マラウイ共和国独立と同時に承認(在ケニア大兼轄、89年9月より在ザンビア大兼轄)
  • 1992年2月 駐日マラウイ大使館開設
  • 2008年1月 在マラウイ日本大使館開設

2 経済関係

日本の対マラウイ貿易

(1)貿易額(2023年:財務省貿易統計)
輸出 44.8億円
輸入 26.0億円
(2)主要品目
輸出 輸送用機器(自動車等)、医薬品、金属製品等
輸入 ごま、果実、タバコ、紅茶等

3 文化関係

 青年海外協力隊のOB・OGにより、1983年に設立された日本マラウイ協会は両国の友好親善のために出版物の発行等積極的な活動を行っている。

4 在留邦人数

127名(2023年10月、外務省海外在留邦人数調査統計)

5 在日当該国人数

175名(2023年12月、法務省在留外国人統計)

6 要人往来

(1)往(1974年以降)
年月 要人名
1966年 逢沢寛特派大使(共和制施行記念式典参列)
1974年 白井勇特派大使(独立10周年記念式典参列)
1984年 北川外務政務次官
1989年 増岡博之特派大使(独立25周年記念式典参列)
1993年 柿沢外務政務次官
2002年7月 杉浦外務副大臣
2004年9月 田中外務大臣政務官
2006年7月 日・AU友好議員連盟南部アフリカ訪問団(団長:大野功統衆議院議員)
2013年9月 日・AU友好議員連盟南部アフリカ訪問団(団長:三原朝彦衆議院議員)
2017年1月 参議院ODA調査団(団長:佐藤正久参議院議員)
2017年8月 逢沢一郎日・AU友好議員連盟会長
(2)来(1971年以降)
年月 要人名
1971年 チザンジャ農業・天然資源相
1979年 イサック大蔵相
1980年 チマンゴ大蔵相
1989年 パシャネ無任所相(大喪の礼参列)
1990年 カトポラ運輸通信相(即位の礼参列)
1992年 チマンゴ大蔵相
1993年10月 チマンゴ大蔵相(第1回アフリカ開発会議(TICAD I)出席)
1993年12月 ンタバ外相
1994年2月 チルワ運輸・通信相
1994年7月 ムピンガンジラ広報・放送相
1994年8月 バンダ大蔵相
1994年9月 ナンクンバ農業・畜産相
1994年9月 チズミラ運輸・通信相
1995年12月 ブワナリ外相(外務省賓客)
1997年9月 マレウエジ副大統領兼大蔵相(投資セミナー開催)
1997年12月 バンダ農業相
1998年4月 チペタ外相
1998年10月 チルンパ大蔵相(TICAD II出席)
2001年12月 チカオンダ大蔵・経済計画相、ムワワ保健人口相(TICAD閣僚レベル会合出席)
2002年3月 パテル外相(外務省賓客)
2003年9月 ムルジ大統領(TICAD III出席)
2006年3月 ムタリカ大統領(公式実務訪問賓客)
2006年9月 チャポンダ地方自治・地域開発相
2008年3月 ムンバ外務副大臣
2008年5月 ムタリカ大統領、チャポンダ外相(TICAD IV出席)
2008年12月 ジョイス・バンダ外相(外務省賓客)
2009年2月 ゴンドゥエ財務相
2009年3月 リペンガ経済計画・開発相(食料安全保障セミナー出席)
2010年10月 ムタリカ教育・科学技術相(第7回STSフォーラム出席)
2011年1月 カンドド財務相
2012年10月 リペンガ財務相、ムルジ経済計画・協力相(IMF、世銀総会出席)
2012年12月 カイェンベ外務・国際協力副大臣(原子力安全福島閣僚会議出席)
2013年6月 バンダ大統領(TICAD V出席)
ジョーマ経済計画開発相
グェングェ産業貿易相
カイェンベ外務・国際協力副大臣
カマニャ環境・気候変動管理副大臣
2013年10月 ダウダ環境・気候変動管理相(水俣条約外交会議出席)
2014年11月 ファビアノ教育・科学技術相(持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議出席)
2015年3月 チャポンダ外務・国際協力相(国連防災世界会議出席、外務省賓客)
2015年5月 ムサカ天然資源エネルギー鉱業相(日アフリカ資源大臣会合)
2017年7月 ムッサ産業・貿易・観光相
2018年10月 ファビアノ外務・国際協力相(TICAD閣僚会合)
2019年8月 チムリレンジ副大統領、カサイラ外務・国際協力相、バグス産業・貿易・観光相、ジュマ運輸・公共事業相(TICAD7)
2021年7月 ムスンガマ青年・スポーツ相(東京2020オリンピック競技大会)
2024年4月 チポンダ保健相(NPO主催 気候と健康に関するプレTICADサミット)
2024年8月 テンボ外相(TICAD閣僚会合、外務省賓客)

7 二国間条約・取極

  • 1970年 貿易協定
  • 1971年 青年海外協力隊派遣取極
  • 2006年 技術協力協定

8 外交使節

(1)マラウイ共和国駐箚日本国大使
 大矢洋一特命全権大使(2023年1月信任状捧呈)
(2)駐日マラウイ共和国大使
 クワチャ・チシザ特命全権大使(2022年2月信任状捧呈)
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