マケドニア旧ユーゴスラビア共和国

マケドニア旧ユーゴスラビア共和国(Former Yugoslav Republic of Macedonia)

基礎データ

平成29年6月14日

  • マケドニア旧ユーゴスラビア共和国国旗

一般事情

1 面積

2万5,713平方キロメートル(九州の約3分の2)

2 人口

208万人(2015年世銀データ)

3 首都

スコピエ

4 言語

マケドニア語,アルバニア語

5 宗教

キリスト教(マケドニア正教)7割,イスラム教3割

6 略史

年月 略史
6,7世紀頃 スラヴ人が定住
15世紀以降 オスマン・トルコの支配下に入る
1918年 セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国建国
1945年 旧ユーゴ構成共和国の一つとして発足
1991年 旧ユーゴより独立
1993年 国連加盟
2001年2月 アルバニア系過激派勢力による武装蜂起,政府軍との銃撃戦。(旧ユーゴ最後の民族紛争)
2001年7月 NATO仲介の下,停戦。枠組み合意(オフリド合意)が成立(同年8月)。
2003年3月 EU軍事ミッションがNATOから駐留ミッション引き継ぎ。
2006年6月 EU駐留ミッション活動終了。

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

ギョルギェ・イヴァノフ大統領(2014年5月就任,任期5年)

3 議会

一院制(マケドニア議会)定員120議席。2016年12月選挙,任期4年。

政党名  議席数
与党 VMRO-DPMNE 内部マケドニア革命組織・民族統一民主党連合 51議席
野党 SDSM 社会民主同盟連合 49議席
与党 DUI 統合のための民主同盟(アルバニア系) 10議席
野党 BESA 誓約(アルバニア系) 5議席
与党 アルバニア人のための同盟(アルバニア系) 3議席
野党 DPA アルバニア人民主党(アルバニア系) 2議席
  120議席

4 政府(2017年5月発足)

首相
ゾラン・ザーエフ首相(SDSM党)
外相
ニコラ・ディミトロフ外相(SDSM党)

5 内政

  • (1)2001年の国内のマケドニア系勢力とアルバニア系勢力との衝突後,民族融和に関するオフリド枠組み合意に基づき,多民族国家として平和裏の国家再建を継続。
  • (2)内政一般については,1991年の独立以来,二大政党(VMRO-DPMNE党,社会民主同盟)のいずれかが,小政党(アルバニア系等)との連立政権を築いてきた。EUの進捗レポートでは,オフリド枠組み合意の遵守と概ね順調な社会改革を評価されているが,汚職対策・司法改革の遅れ,国内政治対話の停滞,メディアの自由の制限に引き続き取り組む必要があると指摘されている。
  • (3)2006年以降,VMRO-DPMNE党を中心とする連立政権が継続し,グルエフスキー首相の下,安定した政権運営を行っていたが,2015年2月,野党SDSMが政府関係者の盗聴テープを公表した(賄賂汚職や選挙違反,司法制度介入,盗聴等の言動を暴いた)ことにより,首相の辞任を要求するデモや,これに対抗すべく結成された政府支持者によるカウンターデモが実施される等,情勢が不安定化。国内の混乱を受け,ハーン欧州委員(欧州近隣政策・拡大交渉担当)等が仲介し,与野党党首間協議を実施。その結果,2016年1月中旬までのグルエフスキー首相の退陣,同1月15日までの暫定政権発足,同4月までの議会選挙実施等を含む合意に達した。同合意に含まれる議会選挙の実施については,公正な選挙基盤が整っていない等の理由により2度に亘り延期されたが,EUや米の仲介により,2016年8月末,与野党は,12月11日に議会選挙を実施することで合意。
  • (4)2016年12月の前倒し議会選挙の結果,VMRO-DPMNEが第一党となるも,アルバニア系政党との連立合意に至ることが出来ず,組閣マンデートを返上した。その結果,2017年5月末,第2党SDSMとアルバニア系2政党(DUI及びアルバニア人のための同盟)の連立によるザーエフ内閣が発足。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)1991年の独立後,国名問題(注)を巡ってギリシャとの関係が悪化したが,1993年,「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国(FYROM)」の暫定名称を用いることで国連加盟を実現した。国名問題解決のため,ニミッツ国連事務総長特別代表の仲介による交渉が継続している。
    (注)ギリシャが,マケドニアの憲法上の国名である「マケドニア共和国」の名称を,「マケドニア」がギリシャ古来の由緒ある名であること,同名称の使用はギリシャ北部のマケドニア地方に対する領土要求の野心を示すものとして,その使用に反対している問題。
  • (2)目下の主要な外交目標は,EU及びNATOへの加盟である。2004年3月,EUに正式加盟申請を行い,2005年12月,ブリュッセル欧州理事会において,EU加盟候補国の地位を付与することが決定された。欧州委員会は,2009年以来加盟交渉の開始を勧告しているが,ギリシャとの二国間問題の未解決等を理由に加盟交渉は開始されていない。
  • (3)マケドニアは,アフガニスタンで展開するNATO軍への派兵,米国主導のイラクにおける多国籍軍への派兵など,軍事面における国際貢献を内外にアピールしつつ,NATO加盟招請に向けた各種取組みを行っている。他方,ギリシャとの二国間問題の未解決等を理由に加盟招請は見送られている。
  • (4)2009年12月19日より,EU諸国への査証免除が導入された。

2 軍事力

(1)予算:
2016年 9,595万ユーロ
(2)兵制:
志願制
(3)兵力:
常備兵 約8,800名,予備役 約1,900名

経済

1 主要産業

農業(たばこ,ワイン,とうもろこし,米),繊維,鉱業(鉄等)

2 一人当たりGDP

4,852ドル(2015年,世銀)

3 経済成長率

3.8%(2015年,世銀)

4 物価上昇率

-0.2373%(2016年,世銀)

5 失業率

26.27%(2016年,世銀)

6 貿易額・貿易品目(2015年,マケドニア国家統計局)

(1)輸出
4,490百万ドル(加工品,化学製品,燃料・潤滑油)
(2)輸入
6,400百万ドル(加工品,燃料・潤滑油,一般機械・輸送機器)

7 貿易相手国(2015年,マケドニア国家統計局)

(1)輸出
ドイツ(44.3%),ブルガリア(6%),セルビア(4.5%),コソボ(4.1%),イタリア(4%)
(2)輸入
ドイツ(12.6%),英国(9.6%),ギリシャ(7.8%),セルビア(7.7%),中国(6.1%)

8 通貨

マケドニア・デナル

9 為替レート

1ユーロ=61.5デナル前後(変動)

10 経済概況

  • (1)マケドニアは,旧ユーゴ時代より国内市場に対する依存度が極めて高く,1990年代に入って旧ユーゴの解体とそれに続く国連の対新ユーゴ(セルビア及びモンテネグロで構成)経済制裁及び国名問題によるギリシャの経済封鎖のため,貿易,特に輸出が不振となり,経済は,独立以降急激な悪化と停滞を余儀なくされた。
  • (2)マケドニア政府は,IMF及び世銀の支援を得つつ,1993年より経済安定化政策(賃金抑制,赤字国営企業の整理,為替レートの安定化等)を実施している。1995年より旧ユーゴ地域との交易が再開したこともあり,GDP成長率は,1996年以降はプラスに転じた。
  • (3)1998年から1999年のコソボ紛争時には多数の難民が流入し(最大時は約25万人),その受け入れに伴う負担が重なった上,旧ユーゴ地域や欧州との交易が阻害されたことにより経済的に大きな損害を受けた。また,2001年2月に発生した紛争により,経済は大きな打撃を受けた。
  • (4)現在マケドニア政府は、外国投資の促進による経済発展を実現すべく各種取組みを行っている。2009年の経済成長率は、金融危機の影響により-0.7%と低調であったが、2010年以降プラス成長に転じ,2014年実績は3.8%となった。

11 主要援助国の二国間ODA(2012年)

 ドイツ(34.21百万ドル),米(17.09百万ドル),日本(8.46百万ドル),スイス(6.82百万ドル),ノルウェー(6.87百万ドル)

(注)日本の援助実績については,下記「二国間関係」参照。

二国間関係

1 政治関係

 日本は,1993年12月に「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」の名称で国家承認し,1994年3月に外交関係を開設した。日マケドニア外交関係樹立20周年にあたる2014年10月,在京マケドニア大使館が開設され,同年12月に初代駐日マケドニア大使が着任した。日本は,駐オーストリア大使がマケドニアを兼轄し,スコピエに名誉総領事を任命している。

2 経済協力

(1)日本の経済協力
(ア)日本の経済協力は,マケドニアの安定と発展がバルカン地域全体の安定にとって重要との認識の下,1994年に政策協議を実施し,技術協力を開始した。1995年には初の無償資金協力としてノンプロジェクト無償及び医療機材整備計画に対する援助を実施し,また1996年以降は草の根無償資金協力も多数実施している。さらに1998年-1999年のコソボ危機により生じた難民の受け入れ国に対する支援として,医療機材供与,食糧増産援助,ノンプロジェクト無償等合計22億7400万円を供与した。日本は最大の支援国の一つである。
(イ)2000年度よりマケドニアは文化無償資金協力の対象国となり,最初の案件としてマケドニア・フィルハーモニー管弦楽団に対して楽器を供与することとなった。
(ウ)マケドニア政府の要請を受けて,ズレトヴィツァ水利用改善計画(マケドニア東部の4都市及び近郊への生活・産業用水供給,灌漑及び水力発電を目的とする総合開発計画)に対し,2003年11月に,96億8900万円を限度とする円借款を供与した。
(2)日本の援助実績
(ア)有償資金協力 96.89億円(「ズレトヴィツァ水利用改善計画」)
(イ)無償資金協力 272.09億円(2014年度までの累計)
(ウ)技術協力   45.98億円(2014年度までの累計)
(3)日本の主なマケドニア支援
【無償資金協力】
内容 金額
(1)一般無償
 (ア)スコピエ市呼吸器医療施設医療機材整備計画(2002年度) 1億6百万円
 (イ)スコピエ周辺地域給水改善計画(詳細設計)(2003年度) 5千3百万円
 (ウ)スコピエ周辺地域給水改善計画(国債1/2)(2004年度) 2億7千百万円
 (エ)スコピエ周辺地域給水改善計画(国債2/2)(2005年度) 4億2千6百万円
 (オ)第二次一次医療施設機材整備計画(2006年度) 8億1千万円
(2)ノンプロジェクト無償
(3)食糧増産援助
(4)草の根無償
無償累計 271億4千9百万円
【有償資金協力】
内容 金額
1997年度公的債務繰延(対象債権) 5億3千5百万円
2003年度公的債務繰延(対象債権) 1億9百万円
2003年度ズレトヴィッツァ水利用改善計画 96億8千9百万円
【技術協力】
内容 金額
(1)研修員受入れ 2014年度までに518名を受入れ
(2)専門家派遣 2014年度までに62名派遣
(3)開発調査 2009年度までに5件(大気汚染調査,水資源開発,全国地理情報データベース整備,土壌汚染管理,下水道改善計画調査)
技術協力累計 45億9千8百万円

3 経済関係

二国間貿易額(2014年,財務省貿易統計)

  • 輸出(日本からの輸出) 41.73億円(自動車,電気機器,一般機械等)
  • 輸入(日本の輸入)   13.74億円(たばこ,ワイン等)

4 文化関係

  • (1)平成8年より国費研究留学生の受け入れ開始
  • (2)1990年マケドニア・日本友好協会設立(会員約2,100名)
  • (3)文化行事として,邦楽コンサート,日本映画祭,日本文化ワークショップ,展示事業等を随時開催している。

5 在留邦人数

15名(2015年10月現在)

6 在日マケドニア旧ユーゴスラビア共和国人数

33名(2015年末現在)

7 要人往来

(1)日本より
年月 要人名
1994年 柳井外務省総合政策局長をヘッドとする旧ユーゴ調査チーム
1995年 衆議院外務委員会調査団(団長:三原委員長)
1996年 水野清,柳沢伯夫衆議院議員
1999年4月 高村外務大臣
1999年12月 河野外務大臣
2004年9月 荒井外務大臣政務官
2013年4月 城内外務大臣政務官
2014年2月 牧野外務大臣政務官
(2)マケドニアより
年月 要人名
1995年 ツルヴェンコフスキー外相
1996年 ミトレヴァ議会外交委員長
1998年 フィティ蔵相,イリエフスキー保健相
1999年 ドンチェフ首相特使,ポポフスキ環境相
2000年 ダニロフスキー保健相
2003年7月 ミトレヴァ外相
2003年10月 トライコフスキー大統領
2004年4月 ブジャク運輸通信相,ジュンデフ外務次官(西バルカン平和定着・経済発展閣僚会合出席)
2006年6月 プレショスキー・マケドニア日本友好協力議員連盟会長
2006年7月 キリヤス外務次官
2007年1月 タシュコヴィッチ投資担当相
2011年4月 ミロショスキー外相
2011年11月 グルエフスキー首相(スタヴレスキー副首相兼財務相(同行),パヴレスキー外国技術担当相(同行))
2014年6-7月 グルエフスキー首相
2015年10月 ポポスキー外相

8 二国間条約・取極

  • 1997年2月,旧ユーゴ政府との間で締結された通商航海条約,科学技術協力協定,文化協定等の承継を確認するための書簡交換。

9 外交使節

  • マケドニア旧ユーゴスラビア共和国駐箚日本国大使 羽田恵子特命全権大使
  • 駐日大使 アンドリアナ・ツヴェトコビッチ特命全権大使
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