中南米
南米諸国連合(UNASUR)概要
平成29年7月31日

1 設立経緯
- 2004年12月に開催された南米サミット(於クスコ)で創設された「南米共同体」を前身とする。
- 2007年4月の第1回南米エネルギー・サミットにおいて「南米諸国連合」(UNASUR)と改称。
- 2008年5月のUNASUR臨時首脳会合(於ブラジリア)において,「南米諸国連合設立条約(Tratado Constitutivo de la Unión de Naciones Suramericanas)」が採択。2011年3月発効。
2 加盟国
12か国(アルゼンチン,ボリビア,ブラジル,チリ,コロンビア,エクアドル,ガイアナ,パラグアイ,ペルー,スリナム,ウルグアイ,ベネズエラ(議長国順))
域内人口:約3億9,600万人(世銀,2011)
域内GDP:合計約4兆2千億ドル(世銀,2011)
3 設立の目的
加盟国の主権と独立を強化しつつ,社会経済的不平等の根絶,社会的包摂と市民参加の実現,民主主義の強化等を見据え,政治対話,社会政策,教育,エネルギー,インフラ,金融,環境等を優先課題として,南米諸国民の文化,社会,経済及び政治面における統合と団結の場を構築すること(設立条約第2条)。
(参考)具体的目的として,南米統合及び国際場裡におけるUNASURの参画強化を目的とした政治的対話の強化,貧困根絶・不平等克服のための社会・人的開発,資源の持続可能な利用のためのエネルギー統合,持続可能な社会経済開発のために地域を繋ぐインフラ開発等を掲げている(設立条約第3条)。
4 機構
- 首脳評議会:最高機関。年1回定期会合実施。ただし,加盟国は議長国を通じて臨時首脳会合の開催を要請することができ,全加盟国のコンセンサスによって実施が決定される。
- 外相評議会:半年に1回定期会合,ただし,加盟国半数の要請により,議長国は臨時会合を開催可能。
- 代表委員評議会:原則各国1名の代表で構成。2か月毎に定期会合を実施。
- 事務局:エクアドル・キトに設置,事務局長は,全加盟国のコンセンサスにて任命。現在,事務局長は未着任。
- 議長国:原則1年毎に交替,現在の議長国はアルゼンチン(2018年4月17日までの予定)。
- 南米議会:ボリビア・コチャバンバに設置。
- なお,必要に応じて関係閣僚会合,閣僚級会合,ワーキング・グループ会合等を常設もしくは臨時に開催することが可能であり,現在,国防評議会,エネルギー評議会,社会開発評議会,教育・科学・文化評議会,技術・イノベーション評議会,保健評議会,インフラ計画評議会,薬物問題評議会等が設置されている。