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平成19年6月
2007年6月3日~5日まで、パナマ共和国首都パナマシティにおいて第37回米州機構(OAS)総会が開催された。開会式には、潘基文国連事務総長、インスルサOAS事務総長、ホスト国であるパナマからトリホス大統領が基調講演を行い、総会にはルイス・ナバロ第一副大統領兼外務大臣はじめOAS加盟国34か国の外相等が出席した。さらに、多数の常任オブザーバー国、国際機関の代表、市民団体等が参加した。常任オブザーバー国である日本からは下荒地在パナマ大使らが出席した。
(1)今次総会は、「持続可能な発展のためのエネルギー」を基調テーマとし、各国は自国の取り組みを紹介するとともに、気候変動、再生可能エネルギーについての経験を情報交換すること、環境保護の重要性について意見を述べ、「パナマ宣言」が採択された。また、各国は民主主義や米州における人権機関の強化、移民問題、組織犯罪、汚職対策、ハイチの安定化支援、社会憲章の必要性等について意見を述べた。
(2)全体会議で、ライス国務長官が民主主義的統治について触れ、報道の自由の観点から最近話題となっているベネズエラのラジオ・カラカス・テレビ局(RCTV)の放送免許の更新拒否問題を取り上げ批判したのに対し、マドゥーロ・ベネズエラ外相が右は内政干渉であり、米墨国境のメキシコ人やグアンタナモ米軍基地収容所における人権について非難し、OAS総会の場で米国とベネズエラの対峙が改めて浮き彫りになった。
(3)このほか、以下の4宣言を含め80以上の文書が採択された。
(イ)マルビナス諸島(フォークランド)問題に関する宣言(毎年出されている宣言)
(ロ)コロンビアの和平努力に関する宣言
(ハ)西半球の自然災害及び貧困対策にあたるボランティアの調整に関する宣言 ―ホワイト・ヘルメット・イニシアチブ
(ニ)海抜2500メートル以上の都市におけるサッカーの国際試合の制限に関する宣言
(4)常任オブザーバーとの対話において、オブザーバー各国はOASに対する協力を表明。主要な協力として、スペインが650万ユーロ、オランダが300万ユーロを表明(プレッジ対象期間は不明)。また、昨年の協力実績として、スウェーデンは680万ドル、ノルウェーは200万ドルを紹介。我が国からもこれまでの協力実績と今後の支援策(グアテマラ大統領選挙に対する協力等)について表明し、グアテマラ、ハイチの各代表及びインスルサOAS事務総長からも総括の中で謝意表明があった。
第38回総会は、2008年6月にコロンビアにて開催される。