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米州機構(OAS)第35回総会概要

2005年6月

1. 概要

 2005年6月5日~7日まで、米国フロリダ州フォート・ローダーデールにて第35回米州機構(OAS)総会が開催された。同総会には、5月に選出されたインスルサ新事務総長、ホスト国である米国からブッシュ大統領、ライス国務長官他、また、OAS加盟34ヶ国から各国の外相等が出席した。さらに、41の常任オブザーバー国、37機関の代表者、及び、特別招待者として市民団体等も参加した。常任オブザーバー国である日本からは、坂場中南米局長らが出席した。

2. 今次総会の主な議論

(1)今次総会は「民主主義の恩恵を行き渡らせるために」を基調テーマとし、各国の取り組み状況及び今後の具体策について議論が行われ、同テーマに関する「フロリダ宣言」が採択された。各国外相等は、西半球では民主化の進展という成果は得られたが、今後各国が経済成長、司法・行政の改革、教育・保健等の社会政策を並行して進めることが必要であるとの点で意見が一致した。

(2)米国の提案を受けて、最終的に、民主主義等に影響を与え得る状況に対応する協力のためのイニシアティブに関する提案を、内政不干渉原則と人民の自決権を尊重しつつ作成するようインスルサ事務総長に要請する旨「フロリダ宣言」に盛り込まれることとなった。

(3)ハイチの民主主義の強化に関する決議を始めとして様々な分野にわたって多数の決議が採択され、ボリビア情勢及びニカラグア情勢についてもそれぞれ宣言が発出された。また、フォークランド諸島の領有権に関する問題、ボリビア・チリ間の「海への出口問題」、コロンビアの和平等についても議論が行われた。

3. その他

(1)前回会合で初めて行われたOASと常任オブザーバー国との対話及び市民社会との対話が今次会合でも行われた。常任オブザーバー国との対話では、OAS側から常任オブザーバー国によるOASの活動に対する支援に謝意が表明された。また、市民社会との対話では、市民団体側から、4月に開催された市民社会団体による民主主義の恩恵の配分に関するフォーラムの報告等が行われた。

(2)ラムディン元OAS常駐代表(スリナム)が新事務次長に当選した。

(3)第36回総会は、2006年6月にドミニカ共和国にて開催される。

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