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日ラオス首脳会談に関する共同プレス発表
(日本語仮訳)

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  1. 安倍晋三日本国内閣総理大臣とブアソーン・ブッパーヴァン・ラオス人民民主共和国首相は、2007年5月14日、東京において、首脳会談を行った。
  2. 両国の半世紀にわたる友好関係を想起しつつ、両首脳は、共同して、二国間関係を更に強化し、地域的及びグローバルな課題に取り組んでいくための方途につき協議をした。
  3. 安倍晋三総理は、長期的な経済的繁栄のためには、自由、民主主義、基本的人権、法の支配、良い統治といった基本的価値が重要であるとの認識を改めて示した。ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、ラオスへの支援を含め、第二次世界大戦後の平和国家としての日本の役割を称賛し、国際場裡における日本の積極的な役割を支持した。安倍晋三総理は、様々な国際的課題に関するラオスの日本に対する支持に感謝した。

二国間関係の強化のための協力

  1. 「日本・メコン地域パートナーシップ・プログラム」を想起しつつ、両首脳は、日本の政府開発援助と日本の民間部門による貿易及び投資が、ラオスの持続的な経済成長にとって重要であるとの見解を共有した。ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、ラオスに対する日本の支援に深い謝意を表明するとともに、ラオスの経済的繁栄のために経済改革を更に進めていく決意を、オーナーシップの重要性を強調しつつ、改めて表明した。
  2. 開発の促進において投資が果たす重要な役割を認識しつつ、ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、規則の公正な適用を含め、ラオスにおいて良好な投資環境を実現することへの強いコミットメントを表明した。この点に関連して、両首脳は、早期の締結を実現するため、二国間投資協定の交渉を加速化させることを決定し、本年末までに「日本・ラオス官民合同対話」を立ち上げることを表明した。
  3. 日本の「対ラオス国別援助計画」を想起しつつ、両首脳は、ラオスは基礎的社会経済インフラ整備、貧困削減、能力向上を進める必要があるとの認識を示した。この文脈で、両首脳は、5月16日に、両国がヒンフープ橋建設計画及び人材育成奨学計画に係る交換公文に署名できることを歓迎した。安倍晋三総理は、これらの分野におけるラオスへの支援を継続していく意図を表明し、日本は、ラオスにおける開発の障害となっている不発弾の除去のため、UXOラオ・オフィス及びマインズ・アドバイザリー・グループに対し、日ASEAN統合基金を通じて、約100万ドルを供与することを決定したことを表明した。
  4. 両首相は、一層統合された地域経済がラオスの持続的開発に資するとの見解を共有した。これに関連して、ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、「第二友好橋」の開通によりほぼ完成した東西経済回廊への支援及び「開発の三角地帯」への支援を含め、日本・メコン地域パートナーシップ・プログラムに基づく、日本のメコン地域開発に対する支援を高く評価した。また、同首相は、ラオスの著しい経済発展にとってのインフラ開発及び外国直接投資の重要性を強調し、第二友好橋及び東西経済回廊の枠組の下の幹線を最大限活用するため、サバナケットに加えその他の地区における経済特区の開発への強い希望とコミットメントを表明した。同首相は、また、通関手続の調和、越境運送のための車両の相互認証等の改革を推進することにより、日本の援助の下で建設されたインフラを最大限有効に活用していくとのラオス政府のコミットメントを述べた。
  5. 両首脳は、また、ラオス経済の世界経済への更なる統合が重要であることを強調した。安倍晋三総理は、ラオスの世界貿易機関加盟への支持を表明した。
  6. 相互理解が両国の緊密な関係の基礎となることを認識しつつ、両首脳は、ハイレベルの相互訪問をより頻繁に行うとともに、高級事務レベルの政策対話を強化していく意思を確認した。この点に関連して、両首相は、外交旅券所持者に対する相互査証免除を早期に合意することを決定した。両首脳は、また、青少年交流を含む人と人とのふれ合いの重要性を強調し、安倍晋三総理は、21世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYS)を含む様々な枠組の下、今後5年間で、1,000人のラオス人青少年を日本に招聘することを目指すと表明した。両首相は、日本において学び、又は日本語を習得したラオス人学生が、ラオスにおいて様々な分野で一層積極的な役割を果たすことへの期待を表明した。この文脈で、ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、日本の伝統的スポーツである「武道」を振興することを目的とした、日本ラオス武道館建設計画に対する日本の前向きな検討を評価し、2009年東南アジア競技会(SEA GAMES 2009)を含む様々な機会に、この武道館を効果的に活用していく意図を表明した。
  7. 両首脳は、日本からラオスへの観光客が増えれば、相互理解の促進とラオスの発展に貢献するとの見解を共有した。この文脈で、安倍晋三総理は、ラオスに短期滞在する日本人渡航者への査証免除を行うとのラオス政府の決定を評価した。ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、日本にラオス観光促進事務所を設立することにつき検討するため、ハイレベル・ミッションを送ることを表明した。

地域的・国際的課題への取組のための協力

  1. 安倍晋三総理は、ASEAN対日調整国としてのラオスの尽力に感謝し、2015年までのASEAN共同体の設立及び東アジア地域協力におけるASEANの重要な役割への支持を表明した。ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、ASEAN加盟国間の開発格差の是正を通じたASEAN統合に対する日本の継続した支援、及び東アジア首脳会議の枠組の下におけるものを含む地域協力における、ASEANとの連携による日本のイニシアティブに謝意を表明した。さらに、両首相は、日ASEAN包括的経済連携協定交渉の最近の進捗、特に、ブルネイで開催された日ASEAN経済大臣会合において、物品自由化の方式につき原則として受け入れ可能であることを確認したことを歓迎した。
  2. 朝鮮半島情勢に関し、両首相は、2007年2月13日の六者会合において採択された合意が全ての参加者によって早期に実施されるべきであるとの見解を共有した。安倍晋三総理は、拉致問題を含む日朝間の懸案事項を解決し、日朝国交正常化交渉を進める政策を説明した。ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、拉致問題を含む日本人の人道的懸念に対する理解と同情を示し、この二国間の問題を双方が平和的方法で可能な限り早期に解決することを希望した。ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、国連におけるこの問題に関する日本の取組に対する理解を表明した。
  3. 両首相は、常任理事国・非常任理事国双方の拡大を通じた安保理改革を含む国連改革の実現に向けて積極的に協力していく決意を表明した。この文脈で、ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、拡大した国連安保理において日本が安保理常任理事国となることへの支持を改めて表明した。また、同首相は、日本が2009-2010年を任期とする非常任理事国となることに対するラオスの支持を表明した。安倍晋三総理は、ラオスの継続的な支持に対し、心からの謝意を表明した。同首相は、2008-2010年を任期とする国連開発計画執行理事会にラオスが選出されたことに祝意を表するとともに歓迎し、理事会における両国の緊密な協力を希望した。
  4. 安倍総理は、鳥インフルエンザの流行発生を封じ込めるためのラオスの努力を評価し、ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、日本が、2007年3月8日にラオス政府が発出したアピールに応え、ユニセフ及びWHOを通じて、総額約40万米ドルの支援を行ったことに謝意を表明した。
  5. ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、自らとラオス代表団に対する安倍晋三総理、日本政府及び日本国民の暖かく、名誉ある、心からのもてなしに感謝を表明した。
  6. ブアソーン・ブッパーヴァン首相は、安倍晋三総理に対し、ラオスを訪問するよう招待した。安倍晋三総理は、招待に感謝し、良い機会があれば訪問を検討すると述べた。
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