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バキーエフ・キルギス共和国大統領の訪日(概要と評価)

平成19年11月16日

 バキーエフ・キルギス共和国大統領は、夫人を伴い11月14日~16日まで、我が国の招待(実務訪問賓客)により訪日したところ、訪問の概要及び評価以下のとおり。

1.日程

 来日中、バキーエフ大統領夫妻は、11月15日に天皇皇后両陛下との御会見を行った。14日、福田総理との首脳会談を行い、引き続き福田総理夫妻主催夕食会に出席した。また、15日、渡辺内閣府特命担当大臣(日・キルギス友好議連会長)の表敬を受け、16日にはキルギス貿易・投資セミナーに出席した。

2.首脳会談の概要

(1)福田総理より、民主主義の発展と市場経済化に向けたキルギスの努力を、我が国が引き続き支援する考えを伝達するとともに、キルギスの国会議員等のためのセミナーや地方自治に関する研修を実施すること、運輸インフラ整備、人材育成等の支援にも力を入れていくことを表明した。これに対し、バキーエフ大統領は、民主化・市場経済化を引き続き強力に推進するとの決意を示すとともに、日本の対キルギスODAに対する謝意と更なる協力への期待を表明した。

(2)バキーエフ大統領より、キルギスと日本との経済関係の拡大への期待を表明し、日本企業がキルギスにおいて円滑に活動できるよう環境整備に努めたい旨発言したのに対し、福田総理より、今次訪日は日本企業のキルギスへの関心を喚起する良い機会であり、例えばレアメタル開発の可能性といったキルギスの潜在力につきアピールされてはいかがかと述べた。

(3)また、バキーエフ大統領は「中央アジア+日本」対話に係る日本のイニシアティヴを高く評価し、両首脳は、地域の安定と発展にとり重要な中央アジア諸国の地域協力を推進するため、「中央アジア+日本」対話の下で引き続き緊密に協力していくことで一致した。

(4)バキーエフ大統領より、改めて我が国の安保理常任理事国入りに対する支持が表明され、国連改革の実現に向け協力していくことで一致した。

(5)気候変動について、全ての主要排出国が参加する温暖化対策の実効的な国際的枠組みを構築するため協力していくことで一致した。

(6)北朝鮮については、非核化措置の実施と拉致問題の早期解決が重要との認識で一致した。

 なお、首脳会談終了後、共同声明(骨子別添)が署名された。

3.評価

(1)キルギスはアカーエフ前大統領の時代から伝統的な親日国であるが、2005年3月の「革命」後初めてとなるバキーエフ大統領の訪日は、両国間の友好の絆と相互の信頼関係を再確認し、良好な両国関係を更に発展させる契機となった。

(2)中央アジアにおいて最も政治的自由度が高く、自由と安定の両立に苦しみながら、民主化・市場経済化の道を歩むキルギスの改革努力を、我が国として今後とも支援していく姿勢を明確に示すことができた。

(3)我が国が推進する「中央アジア+日本」対話の枠組みでの協力に対し、あらためて大統領の高い評価と支持を得た。

(4)キルギス側より、海上自衛隊によるインド洋での給油活動に対する評価や我が国の安保理常任理事国入りに対する支持をはじめ、国際社会における我が国の役割の増大を強く支持する姿勢が示された。また、拉致問題を含む北朝鮮問題をはじめ、国際社会における諸問題に対する共同の取り組みを強化することで一致した。

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