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日メコン交流年2009

メコンの花々

 メコンの国々では一年中色鮮やかな花々が咲いて町を華やかに飾ります。今回の「メコンあれこれ」では、メコン各国の代表的な花をご紹介しましょう。

 カンボジアの国花は、「ロムドゥオル」です。高さが8から12メートル、幹の太さが直径20から30センチ程の木に咲く黄色みがかった白い「ロムドゥオル」の花は、夕方から夜にかけて、良い香りを放ちます。古代、クメールの女性は、この良い香りの花をリップクリームの原料としていたとされ、またカンボジア女性の美しさは、この「ロムドゥオル」に例えられてきたという、カンボジアを代表する花です。

 ラオスの国花は、「チャンパー」です。別名「プルメリア」といえば、皆さんもご存じでしょう。2月頃から7月頃までの間に、白、ピンク、赤、黄色の可憐な花を咲かせます。香りも良く、アロマオイルの原料としても知られています。ラオス国営航空の飛行機の尾翼には、このチャンパーの花が描かれています。チャンパーの花は仏様への献花に用いられるほか、ラオス正月やバーシーの儀式に用いられ、親や兄弟姉妹への敬愛と来客への幸運の象徴とされています。チャンパーの美しさを称えた「チャンパーの花」という歌は、ラオス人なら誰でも知っている、どこか懐しい響きを持つ歌です。日メコン交流年の機会に、日本とラオスの友好のシンボルとして、両国政府と日本企業の協力の下で、ビエンチャンの空港から市内への道沿いにチャンパーの記念植樹が行われました。

 ミャンマーには、国花と決められている花はありませんが、たとえば日本の「桜」に相当する代表的な花は「パダウ」(和名:インド紫檀)という花です。年1回4月のお正月に水かけ祭りが開かれますが、パダウはそのシンボルです。花が咲くのは、1年に1度、しかも花の命は1日か2日。別名「一夜花」と呼ばれている儚い花ですが、ふくいくとした香りが漂い、女性達がよく髪に飾っています。パダウは、雨期の訪れを告げる花でもあるのです。

 タイの国花は、「ラーチャプルック」です。広く人々に知られ、タイ国内のどの地方でも植樹が可能であることから国花に選定されました。英語名は「ゴールデンシャワー」といい、名前のイメージ通り、鮮やかな黄色い花が、まるでシャワーのようにふりそそぎます。黄色は国教である仏教の色であり、また国王陛下がお生まれになられた月曜日の色でもあります。一般からの公募で決定された2007年日タイ修好120周年のロゴマークには、タイの国花「ラーチャプルック」と日本の国花「桜」が手をつなぐような輪で表したデザインが採用されました。

 ベトナムを代表する花は、国花とは決められていませんが、「蓮」です。ベトナム語では「セン」。泥の中から根を出し、泥水の中を茎が通って、水面に美しい花を咲かせる蓮は「聖なる花」の象徴とされています。またベトナムでは蓮の花の美しさを愛でるのみならず、その花びらから作るロータスティー、実を砂糖づけにしたお菓子、茎をサラダにした料理「ゴーイ・セン」を美味しく味わうこともでき、ベトナムの人々にとってなじみ深い花です。ベトナム航空の飛行機の尾翼にも、蓮が描かれています。日本でも「大賀蓮」や「行田蓮」などの「古代蓮」が有名です。なお、蓮の花は、早朝には咲き始め、昼頃には閉じてしまいますので、見に行かれる際にはご注意を!

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