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「メコン」という言葉はどこからきているか、知っていますか?その由来には諸説ありますが、一説によると「メー」はタイ語やカンボジア語で「母」を意味し、「コン」は「水」を表すカンボジア語からきているそうです。つまり「メコン」は“Mother Water"、日本語にすると「母なる川」というわけです。
メコン河は、チベット高原の源流から中国雲南省を通り、ミャンマーとラオスの国境、タイとラオスの国境、カンボジア、ベトナムを通って、南シナ海へと流れる国際河川で、その全長は約4800km、流域面積は日本の国土の2倍以上になります。このアジア有数の大河は、豊富な食料や水を生み出し、ここに暮らす人々の生活を豊かにするとともに、この地域の貴重な生態系を支えています。
たとえば、ベトナムのメコンデルタでは肥沃な土地を生かした稲作が盛んで、見渡す限りの水田地帯が広がっています。東南アジアと聞くと、どこまでもつづく静かな水田やそこで働く農民を思い浮かべる人も多いと思いますが、そのイメージはきっとここから来ているのでしょう。実際、メコンデルタは世界最大のコメ産地の一つです。
また、メコン河周辺はプノンペンやビエンチャン以外はほとんど大都市がないので、比較的多くの自然が残っており、例えばラオス南部やカンボジアにはイルカが生息しています。このイルカはイラワジイルカという種類に属するのですが、最近はイラワジイルカの数が激減しており絶滅が危惧されています。
ここで、カンボジアの神話をひとつ紹介します。ある村に美しい少女がいましたが、両親に蛇の魔王との結婚を強制されたことから逃れようとメコン河に身を投じたら、イルカに生まれ変わったとか。このイラワジイルカは、地元では人魚姫とも言われ、カンボジアでもラオスでも神聖な動物として、捕獲されることはほとんどないのですが、残念ながら漁業用の網に引っかかってしまうことがあるようです。ここでも自然との共存の大切さを痛感します。
ちなみにこのイルカはちょこちょこと顔を出すことが多く、あっという間に水中に潜ってしまうので、写真を撮るのは至難の業だそうです。みなさん、ぜひチャレンジしてみましょう!
(以下のサイトを参考にしました)
http://www.panda.org/about_wwf/where_we_work/asia_pacific/our_solutions/greatermekong/area/species/mammals/irrawaddy/index.cfm