アイルランド

基礎データ

令和2年7月17日
アイルランド国旗

一般事情

1 面積

7万300平方キロメートル(北海道の面積の約8割強)

2 人口

約492万人(2019年アイルランド中央統計局推計)

3 首都

ダブリン(人口約139.6万人、2019年アイルランド中央統計局推計)

4 言語

アイルランド語(ゲール語)及び英語

5 宗教

約78%がカトリック教徒(2016年アイルランド国勢調査)

6 略史

年月 略史
12世紀 イングランド王国による植民地支配の開始
1801年 グレートブリテン王国がアイルランドを併合し、グレートブリテン及びアイルランド連合王国(以下「英国」)となる
1916年 イースター蜂起(独立を目指す武装蜂起。英国軍により鎮圧)
1919年~1921年 対英独立戦争
1922年 英連邦内の自治領「アイルランド自由国」となる。北部6県(現在の北アイルランド)は英国領にとどまった
1949年 英連邦を離脱し、共和制に移行。「アイルランド」となる
1955年 国連加盟
1973年 EC(後のEU)加盟
1998年 北アイルランドに係る和平合意(通称:「ベルファスト合意」)成立
1999年 ユーロ導入(ユーロ創設メンバー)

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

マイケル・D・ヒギンズ大統領(2018年11月11日就任。任期7年、現在2期目)(注)大統領の任期は最長2期。

3 議会

二院制(下院優位。下院160議席(任期5年、解散あり)、上院60議席)

政党名 下院 上院
与党 共和党(FF) 38 20
統一アイルランド党(FG) 35 16
緑の党 12 4
野党 シン・フェイン党(SF) 37 5
労働党 6 5
その他・無所属 32 10
合計 160 60

(2020年7月時点)

4 政府

  • 共和党(FF)・統一アイルランド党(FG)・緑の党の三党連立政権。
  • (1)首相 ミホル・マーティン
  • (2)外務・国防相 サイモン・コーヴニー

5 内政

 2020年2月総選挙において、それまで野党第一党だった共和党が第一党となり、躍進したシン・フェイン党が僅差で第二党、それまで与党であった統一アイルランド党は第三党となった。2020年6月、4か月半に及ぶ連立政権成立に向けた調整の結果、共和党、統一アイルランド党及び緑の党の三党連立政権が発足。首相は共和党と統一アイルランド党が順に務めることとなり、マーティン共和党党首が2022年12月まで首相を務め、その後は統一アイルランド党党首が任期満了(2025年2月)まで首相を務める予定。次回総選挙は2025年2月までに実施予定。

外交

1 外交方針

  • (1)アイルランドは、従来より、EUとの関係、多国間外交、歴史的なつながりの深い英国や米国との関係を重視した外交を展開。また、近時、日本をはじめとしてアジア・太平洋地域との関係強化に力を入れている。2020年6月に発足したマーティン連立政権の政策プログラムは、前政権と同様、対EU関係と多国間外交を重点分野に掲げている。
  • (2)アイルランドは、英国との歴史的・経済的つながりの強さ及び英国とEU諸国とのほぼ唯一の陸上国境を有することから、英国のEU離脱(Brexit)の影響を最も受ける国とされる。英・EU間の将来関係におけるアイルランド国境(アイルランドと,英国に属する北アイルランドとの間の国境)の扱いが大きな課題。
  • (3)国際的な役割の増強や外交の幅の拡大を念頭に、「グローバル・アイルランド」戦略を掲げ、幅広い地域との外交関係強化を推進中。2020年1月には、「2025年までのアジア太平洋地域戦略」を発表。日本は同戦略の中で重点国の一つとなっている。
  • (4)国連外交では、2020年6月、国連安全保障理事会非常任理事国に選出された(任期:2021~22年)。国連平和維持活動(PKO)には、1958年以降途切れることなく計7万人を派遣しており、国連の欧州その他のグループ(WEOG)の中でPKO参加者数の人口比が最も大きい。2020月6月時点で、国連レバノン暫定隊(UNIFIL)を含むミッションに471名を派遣中。なお、軍事的中立政策を掲げ、北大西洋条約機構(NATO)には非加盟(NATO平和のためのパートナーシップ(PfP)には1999年から参加。)。

2 軍事

  • (1)国防費 約10億4000万ユーロ(2019年度予算)
  • (2)兵役  志願制
  • (3)兵力  約8,485名(ただし、予備役は含まない)

(陸軍 6,897名、海軍 892名、空軍 726名:2020年5月現在。アイルランド政府)

経済

1 主要産業

金融、製薬、情報通信、食品・飲料

2 GDP(IMF推計)

3,849億ドル(2019年)

3 一人当たりGDP(IMF推計)

77,771ドル(2019年)

4 経済成長率(IMF)

  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
経済成長率(%) 1.3% 8.8% 25.0% 4.9% 7.2% 8.3% 5.5%

5 物価上昇率(IMF)

  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
物価上昇率(年度末%) 0.3% -0.3% 0.3% -0.2% 0.5% 0.7% 0.9%

6 失業率(IMF)

  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
失業率(%) 13.8% 11.9% 9.9% 8.4% 6.7% 5.8% 5.0%

7 総貿易額(2019年 国連貿易統計)

  • (1)輸出 1,698億ドル
  • (2)輸入 9,850億ドル

8 主要貿易品目(2019年 国連貿易統計)

  • (1)輸出 化学品(薬品等)、機械(自動車を含む)
  • (2)輸入 機械(自動車を含む)、化学品(薬品等)

9 主要貿易相手国(2019年 国連貿易統計)

  • (1)輸出 米国、ベルギー、英国
  • (2)輸入 英国、米国、フランス

10 通貨

ユーロ

11 経済概況

  • (1)1990年代半ばから高成長(「ケルトの虎」経済)が続いたが、1999年のユーロ導入が誘発した不動産バブルが、2008年のリーマン・ショックを機に崩壊し、経済危機に陥った。
  • (2)経済危機下の政府は、2010年末にEU/IMF財政支援プログラムを受け入れ、増税・社会福祉費削減等の財政改革を敢行した。また、バブルの影響が軽微であった外資系企業が、アイルランド経済の回復に大きく寄与し、2013年12月に同支援プログラムからの脱却を果たした。
  • (3)2014年から4年続けてEU一の経済成長率を達成した。他方、アイルランドは英国と米国への貿易依存度が高いことから、英国・EU間の将来関係交渉や米国経済政策の動向を注視するとともに、貿易の多角化を進めている。

二国間関係

1 全般

 日本とアイルランドは、外交関係樹立以前からの長い友好の歴史を有し、普遍的価値を共有する重要なパートナーである。両国間では2013年に「イノベーションと成長のためのパートナーシップ」首脳による共同宣言が採択され、これを基礎にあらゆる分野での関係がめざましく進展している。2019年にはラグビーワールドカップを通じ、国民間の相互関心や地方間交流が一層強まった。

2 政治関係

(1)首脳の相互訪問

 2013年6月、日本の現職総理として初めて安倍総理大臣がアイルランドを訪問。同年12月にはケニー首相が訪日。日・アイルランド首脳会談において、両国関係の強化・発展に向けた共同宣言「イノベーションと成長のためのパートナーシップ」が発表された。

(2)外交関係樹立60周年(2017年)

 外交関係樹立60周年の2017年には、ハイレベルの相互訪問(下記 「要人往来」参照)が頻繁に行われるとともに、両国において多数の祝賀行事や文化行事が開催された。同年中、ドナフー公共支出・企業・イノベーション大臣、フィッツジェラルド副首相兼ビジネス・企業・イノベーション大臣、クリード農業・食糧・海洋大臣が訪日し、ハイレベルでの交流が行われた。2018年1月には、中根副大臣がクロージング式典のためアイルランドを訪問した。

3 経済関係

(1)貿易額・主要貿易品目(2019年 財務省貿易統計)(注:サービス貿易を除く)

 日本にとってアイルランドはEU加盟国中、第12位の輸出相手、第5位の輸入相手であり、日本の輸入超過。アイルランドからは主に光学機器(コンタクトレンズ等)、医薬品等を輸入。日本からは医薬品、自動車等を輸出。

対アイルランド貿易額(単位:億円)
日本からアイルランド アイルランドから日本 輸出入の差異
2012年 704 3,533 -2,829
2013年 1,020 3,553 -2,533
2014年 1,762 3,425 -1,663
2015年 1,340 8,761 -7,421
2016年 825 6,904 -6,079
2017年 919 5,520 -4,600
2018年 1,188 7,607 -6,419
2019年 990 7,482 -6,491

(2)投資(日銀国際収支統計)

 日本の対アイルランド投資は、近年、アイルランド政府が企業誘致優先分野として掲げるICT、製薬及び金融分野向けが多い。アイルランドから日本へは、主にICT関連への投資が行われている。

直接投資フローの推移(単位:億円)
日本→アイルランド アイルランド→日本
2012年 -824 689
2013年 -1,641 -668
2014年 564 -1,603
2015年 -946 -1,495
2016年 2,823 226
2017年 2,252 -1,634
2018年 7,017 -46
2019年 64,269 -114

(注)投資フロー:資本撤退や投資回収分はマイナスとして計算されている。

4 在留邦人数

2,596名(2018年 外務省在留邦人数調査統計)

5 在日アイルランド人数

1,225名(2019年6月 法務省在留外国人統計)

6 訪問者数

  • (1)日本からアイルランド 約22,500人(2019年 アイルランド中央統計局 注:北アイルランドを含む)
  • (2)アイルランドから日本 39,387人(2019年 日本政府観光局)

7 要人往来

(1)往訪(2000年以降)
年月 要人名
2000年10月 紀宮殿下
2002年4月 尾身沖縄及び北方対策担当大臣兼科学技術政策担当大臣
2002年5月 谷口財務副大臣
2003年6月 高円宮妃殿下
2004年3月 原田文部科学副大臣
2005年5月 天皇皇后両陛下
2006年7月 赤松厚生労働副大臣
2007年3月 田中財務副大臣
2007年5月 福井農林水産大臣政務官
2012年9月 山根外務副大臣
2012年12月 榛葉外務副大臣(OSCE関連会合)
2013年5月 下村文部科学大臣
2013年6月 安倍総理大臣
2013年7月 山本衆議院予算委員長(日・アイルランド友好議連会長)他
衆議院予算委員議員団
2017年1月 岸田外務大臣
2017年7月 高円宮妃殿下
2018年1月 中根外務副大臣
2020年2月 宮下内閣府副大臣(金融担当)
(2)来訪(2004年以降)
年月 要人名
2004年6月 バーティ・アハーン首相(日EU 定期首脳協議)
2005年3月 マッカリース大統領(非公式)
2005年3月 トレーシー外務省兼首相府国務相(博覧会賓客)
2006年3月 ローチ環境・遺産・地方自治相
2006年5月 ダーモット・アハーン外相
2006年6月 マーティン企業・貿易・雇用相
2007年3月 オマリー保険・児童相兼外交関係開設50周年アイルランド政府特使
2007年11月~12月 ダーモット・アハーン外相(外務省賓客)
2008年2月 コクラン農業・漁業・食糧相
2008年6月 ライアン通信・エネルギー・天然資源相
2009年1月 カウエン首相(実務訪問賓客)
スミス農業・漁業・食糧相(上記同行)
マクギネス企業・貿易・雇用担当国務相(上記同行)
2010年3月 オキーフ教育・科学相
2010年6月 ライアン通信・エネルギー・天然資源相
2011年10月 ギルモア副首相兼外務・貿易相
2012年10月 ヌーナン財務相(世銀・IMF総会)
シャーロック雇用・企業・イノベーション担当国務相
2012年12月 オダウド環境・コミュニティ・地方自治担当国務相
2013年3月 ヴァラッカー運輸・観光・スポーツ相
2013年7月 ブルートン雇用・企業・イノベーション相
2013年10月 シャーロック研究・イノベーション担当国務相
2013年12月 ケニー首相
コーヴニー農業・食糧・海洋相
2014年2月 バーク上院議長
2014年3月 フィッツジェラルド青少年・児童相
2015年3月 ハウリン公共支出・改革相
2016年9月 マーフィー国務相(財政・電子政府・公共調達担当)
2016年10月 ハリガン国務相(訓練・技能担当)
2016年11月 オコナー雇用・企業・イノベーション相
2017年2月 フラナガン外務・貿易相
2017年3月 ドナフー公共支出・改革相
2017年9月 フィッツジェラルド副首相兼ビジネス・企業・イノベーション相
2017年11月 クリード農業・食糧・海洋相
2018年3月 マーフィー住宅・計画・地方自治相
2019年3月 マディガン文化・伝統・アイルランド語地域相
2019年6月 クリード農業・食糧・海洋相
2019年8月 ブリーン国務相(貿易・雇用・ビジネス・EU単一市場・データ保護担当)(TICADVII出席)
2019年9月 ダーシー金融サービス担当相
2019年10月 ハンフリーズ企業・ビジネス・イノベーション相
2019年10月 ロス運輸・観光・スポーツ相
2019年10月 オドノバン上院議長(即位の礼出席)

8 二国間条約・取極

  • 1966年 査証相互免除取極
  • 1974年 租税条約
  • 2007年 ワーキング・ホリデー制度
  • 2010年 社会保障協定

9 外交使節

  • (1)アイルランド駐箚日本国特命全権大使 北野充(2019年9月着任)
  • (2)本邦駐箚アイルランド特命全権大使 ポール・カヴァナ(2018年9月着任)

10 人物交流

 1988年に始まったJETプログラムに参加したアイルランド人青年は、1,390名。(2020年度参加予定者数は43名)。

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