アイルランド

アイルランド(Ireland)

基礎データ

平成30年11月12日

  • アイルランド国旗

一般事情

1 面積

7万300平方キロメートル(北海道より一回り小さい)

2 人口

約476万人(2016年アイルランド国勢調査)

3 首都

ダブリン(人口約134万人,2016年アイルランド国勢調査)

4 言語

アイルランド語(ゲール語)及び英語

5 宗教

約78%がカトリック教徒(2016年アイルランド国勢調査)

6 略史

年月 略史
12世紀 イングランド王国による植民地支配の開始
1801年 グレートブリテン王国がアイルランドを併合し,グレートブリテン及びアイルランド連合王国(以下「英国」)となる
1916年 イースター蜂起(独立を目指す武装蜂起。英国軍により鎮圧。)
1919年~1921年 対英独立戦争
1922年 英連邦内の自治領「アイルランド自由国」となる。北部6県(現在の北アイルランド)は英国領にとどまった。
1949年 英連邦を離脱し,「アイルランド共和国」となる
1955年 国連加盟
1973年 EC(後のEU)加盟
1998年 北アイルランドに係る和平合意(通称:「ベルファスト合意」)成立
1999年 ユーロ導入(ユーロ創設メンバー)

政治体制・内政

1 政体

立憲共和制

2 元首

マイケル・D・ヒギンズ大統領(2018年11月11日就任。任期7年,現在2期目)(注)大統領の任期は最長2期。

3 議会

二院制(下院優位。下院158議席(任期5年,解散あり),上院60議席)

政党名 下院 上院
与党 統一アイルランド党 49 19
野党 共和党 44 14
シン・フェイン党 22 7
労働党 7 5
  無所属・その他 36 15
合計 158 60

(2018年11月時点)

4 政府

  • 統一アイルランド党の少数与党政権。
  • (1)首相 レオ・ヴァラッカー
  • (2)副首相兼外務・貿易相 サイモン・コーヴニー

5 内政

 2011年2月に実施された解散総選挙で与党共和党が歴史的大敗を喫し,統一アイルランド党と労働党の連立政権による政権交代が14年ぶりに実現。政府は,財政再建と経済回復を最優先課題に掲げ,雇用促進や公共サービス改革等に取り組んだ。

 他方,警察組織の不正疑惑や水道料金の徴収開始等で与党の支持率が徐々に低下。2016年2月に総選挙が行われたが,いずれの党も首班指名に必要とされる下院議員の過半数を獲得できなかったことから,首班指名が難航した。約70日間に及ぶ協議の結果,4回目の首班指名において,ケニー首相代行(当時)が首相に指名され,統一アイルランド党主導の少数政権が成立した。

 ケニー首相は2017年5月,警察組織の不正疑惑に対する政府の責任を取る形で,後進に道を譲るべく辞任。6月,ヴァラッカー首相が就任し,少数与党政権を引き継いだ。

 アイルランドでは,伝統的にカトリック教会を中心とした中絶合法化反対が強かったが,2018年5月,中絶を禁止する憲法条項の改正をめぐる国民投票を実施。賛成(66.4%)が反対(33.6%)を大幅に上回り,中絶禁止条項の削除と,中絶合法化に向けた法改正が行われることとなった。

外交

1 外交方針

  • (1)1973年にEC(後のEU)加盟。EUを重視。
  • (2)2016年6月,英国の国民投票においてEUからの離脱(Brexit)を支持する票が過半数を占めたことを受け,英国との歴史的・経済的繋がりの強いアイルランドは,EU諸国中自国がBrexitの影響を最も受ける国であるとの認識の下,引き続きEU加盟国であり続けることを内外に表明するとともに,ポストBrexitを念頭に置いた外交の多様化を推進中。
  • (3)多国間外交
    第二次世界大戦前から中立政策を掲げ,北大西洋条約機構(NATO)には非加盟(NATO平和のためのパートナーシップ(PfP)には1999年から参加)。国連平和維持活動(PKO)に積極的に参加しており,2017月12月末時点で,国連レバノン暫定隊(UNIFIL)を含む9ミッションに637名を派遣。

2 軍事

  • (1)国防費 約7億700万ユーロ(2018年度予算)
  • (2)兵役  志願制
  • (3)兵力  約9,500名(ただし,予備役は含まない)

(陸軍 約7,570名,海軍 約1,000名,空軍 約930名:2015年アイルランド政府)

経済

1 主要産業

金融,製薬,食品・飲料

2 GDP(IMF)

3,339億ドル(2017年)

3 一人当たりGDP(IMF)

70,638ドル(2017年)

4 経済成長率(IMF)

  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
(見通し)
経済成長率(%) 1.1% 8.5% 26.3% 5.2% 7.8% 4.5%

5 物価上昇率(IMF)

  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
(見通し)
物価上昇率(年度末%) 0.1% 0.1% 0.0% -0.2% 0.3% 0.9%

6 失業率(IMF)

  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
(見通し)
失業率(%) 13.0% 11.3% 9.5% 7.9% 6.7% 5.5%

7 総貿易額(2017年 出典:国連貿易統計)

  • (1)輸出 1,381億ドル
  • (2)輸入 888億ドル

8 主要貿易品目(2017年 出典:国連貿易統計)

  • (1)輸出 化学品(薬品等),機械(自動車を含む)
  • (2)輸入 機械(自動車を含む),化学品(薬品等)

9 主要貿易相手国(2017年 出典:アイルランド中央統計局)

  • (1)輸出 米国,英国,ベルギー,ドイツ,スイス,オランダ,フランス,中国,イタリア,スペイン,日本
  • (2)輸入 英国,米国,フランス,ドイツ,中国,イタリア,ベルギー,スペイン,オランダ,日本

10 通貨

ユーロ

11 経済概況

 1990年代半ばから高成長(「ケルトの虎」経済)が続いたが,1999年のユーロ導入が誘発した不動産バブルが,2008年のリーマン・ショックを機に崩壊し,経済危機に陥った。

 経済危機下の政府は,2010年末にEU/IMF財政支援プログラムを受け入れ,増税・社会福祉費削減等の財政改革を敢行した。また,バブルの影響が軽微であった外資系企業が,アイルランド経済の回復に大きく寄与し,2013年12月に同支援プログラムからの脱却を果たした。

 2014年から4年続けて欧州一の経済成長率を達成する等,近年のマクロ経済状況は良好。他方,アイルランドは英国と米国への貿易依存度が高いことから,英国のEU離脱交渉や米国経済政策の動向を注視している。

二国間関係

1 全般

 日本とアイルランドは伝統的な友好国。東日本大震災に際し,当時アイルランドは,経済危機の最中にあったにもかかわらず,日本赤十字に100万ユーロを拠出するとともに,EUを通じて緊急援助物資の提供を申し出た。

2 政治関係

(1)両国首脳の相互訪問

 2013年6月,日本の現職総理として初めて安倍総理大臣がアイルランドを訪問。同年12月にはケニー首相が訪日し,両国首脳による相互訪問が実現した。12月の日アイルランド首脳会談に際し,両国関係の強化・発展に向けた共同宣言「イノベーションと成長のためのパートナーシップ」が発表された。

(2)外交関係樹立60周年における要人往来

 日本とアイルランドは1957年に外交関係を樹立し,2017年に外交関係樹立60周年を迎えた。同年1月,岸田大臣が現職外務大臣として26年ぶりにアイルランドを訪問,フラナガン外務・貿易大臣と外相会談を実施するとともに,フラナガン大臣主催の外交関係樹立60周年オープニング式典に出席し,60周年のスタートを盛大に祝賀した。2017年には,アイルランドよりドナフー公共支出・企業・イノベーション大臣,フィッツジェラルド副首相兼ビジネス・企業・イノベーション大臣,クリード農業・食糧・海洋大臣が訪日する等,ハイレベルでの交流が行われた。更に,2018年1月,中根副大臣がカノン移住者・国際開発担当国務大臣主催のクロージング式典に出席し,60周年は閉幕した。

3 経済関係

(1)貿易額・主要貿易品目(2017年 出典:財務省貿易統計)(注:サービス貿易を除く)

 日本にとってアイルランドはEU28か国中,第13位の輸出相手,第5位の輸入相手であり,日本の輸入超過。アイルランドからは主に光学機器(コンタクトレンズ等),医薬品等を輸入。日本からは医薬品,自動車等を輸出。

対アイルランド貿易額(単位:億円)
日本からアイルランド アイルランドから日本 輸出入の差異
2012年 704 3,533 -2,829
2013年 1,020 3,553 -2,533
2014年 1,762 3,425 -1,663
2015年 1,340 8,761 -7,421
2016年 825 6,904 -6,079
2017年 919 5,520 -4,600

(2)投資(出典:日銀国際収支統計)

 日本の対アイルランド投資は,近年,アイルランド政府が企業誘致優先分野として掲げるICT,製薬及び金融分野向けが多い。アイルランドから日本へは,主にICT関連への投資が行われている。

直接投資フローの推移(単位:億円)
日本→アイルランド アイルランド→日本
2012年 -824 689
2013年 -1,641 -668
2014年 564 -1,603
2015年 -961 -1,776
2016年 2,686 859
2017年 2,041 -1,289

(注)投資フロー:資本撤退や投資回収分はマイナスとして計算されている。

3 在留邦人数

2,316名(2017年)

4 在日アイルランド人数

1,084名(2017年6月 出典:法務省在留外国人統計)

5 訪問者数

  • (1)日本からアイルランド 約23,000人(2017年,北アイルランドを含む)
  • (2)アイルランドから日本 18,591人(2017年 出典:日本政府観光局)

6 要人往来

(1)往訪(2000年以降)
年月 要人名
2000年10月 紀宮殿下
2002年4月 尾身沖縄及び北方対策担当大臣兼科学技術政策担当大臣
2002年5月 谷口財務副大臣
2003年6月 高円宮妃殿下
2004年3月 原田文部科学副大臣
2005年5月 天皇皇后両陛下
2006年7月 赤松厚生労働副大臣
2007年3月 田中財務副大臣
2007年5月 福井農林水産大臣政務官
2012年9月 山根外務副大臣
2012年12月 榛葉外務副大臣(OSCE関連会合)
2013年5月 下村文部科学大臣
2013年6月 安倍総理大臣
2013年7月 山本衆議院予算委員長(日・アイルランド友好議連会長)他
衆議院予算委員議員団
2017年1月 岸田外務大臣
2017年7月 高円宮妃殿下
2018年1月 中根外務副大臣
(2)来訪(2004年以降)
年月 要人名
2004年6月 バーティ・アハーン首相(日EU 定期首脳協議)
2005年3月 マッカリース大統領(非公式)
2005年3月 トレーシー外務省兼首相府国務相(博覧会賓客)
2006年3月 ローチ環境・遺産・地方自治相
2006年5月 ダーモット・アハーン外相
2006年6月 マーティン企業・貿易・雇用相
2007年3月 オマリー保険・児童相兼外交関係開設50周年アイルランド政府特使
2007年11月~12月 ダーモット・アハーン外相(外務省賓客)
2008年2月 コクラン農業・漁業・食糧相
2008年6月 ライアン通信・エネルギー・天然資源相
2009年1月 カウエン首相(実務訪問賓客)
スミス農業・漁業・食糧相(上記同行)
マクギネス企業・貿易・雇用担当国務相(上記同行)
2010年3月 オキーフ教育・科学相
2010年6月 ライアン通信・エネルギー・天然資源相
2011年10月 ギルモア副首相兼外務・貿易相
2012年10月 ヌーナン財務相(世銀・IMF総会)
シャーロック雇用・企業・イノベーション担当国務相
2012年12月 オダウド環境・コミュニティ・地方自治担当国務相
2013年3月 ヴァラッカー運輸・観光・スポーツ相
2013年7月 ブルートン雇用・企業・イノベーション相
2013年10月 シャーロック研究・イノベーション担当国務相
2013年12月 ケニー首相
コーヴニー農業・食糧・海洋相
2014年2月 バーク上院議長
2014年3月 フィッツジェラルド青少年・児童相
2015年3月 ハウリン公共支出・改革相
2016年9月 マーフィー国務相(財政・電子政府・公共調達担当)
2016年10月 ハリガン国務相(訓練・技能担当)
2016年11月 オコナー雇用・企業・イノベーション相
2017年2月 フラナガン外務・貿易相
2017年3月 ドナフー公共支出・改革相
2017年9月 フィッツジェラルド副首相兼ビジネス・企業・イノベーション相
2017年11月 クリード農業・食糧・海洋相
2018年3月 マーフィー住宅・計画・地方自治相

7 二国間条約・取極

  • 1966年 査証相互免除取極
  • 1974年 租税条約
  • 2007年 ワーキング・ホリデー制度
  • 2010年 社会保障協定

8 外交使節

  • (1)アイルランド駐箚日本国特命全権大使 三好真理(2015年12月着任)
  • (2)本邦駐箚次期アイルランド特命全権大使 ポール・カヴァナ(2018年9月着任)

9 人物交流

 1988年に始まったJETプログラムに参加したアイルランド人青年は1,246名。(2018年度参加予定者数は45名)。

10 日・アイルランド外交関係樹立60周年祝賀

 外交関係樹立60周年を迎えた2017年には,前述の要人往来に加え,東京,ダブリンを中心に数多くの祝賀行事が両国において開催され,両国民の相互理解と親近感の醸成に貢献した。特にダブリンでは,狂言,津軽三味線を始めとして,邦楽,洋楽,美術展等の文化イベントや日本関連セミナー等,100件以上の行事が開催された。

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