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スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領挨拶(仮訳)

平成20年1月20日

秋篠宮同妃両殿下、
御列席の皆様、

 始めに、インドネシア政府及び国民を代表して、秋篠宮同妃両殿下のインドネシア御訪問を心より歓迎致します。本日、天皇陛下及び日本国民を代表して、両殿下にこの場に御臨席頂いていることは、両国の親密な友好関係を反映しているものです。

 本日は、日本及びインドネシア両国の国民にとり、誠に喜ばしい日です。正に50年前の1958年1月20日、国際秩序と地域情勢が依然として大変不安定で、あるべき姿が模索される中、両国政府は二国間の平和条約に署名し、両国関係の新たな1ページを開きました。

 その後50年を経て、世界は大きく変化し、日本とインドネシアも同様に変化を遂げました。日本は世界第2位の経済大国となり、インドネシアは世界で3番目に大きな民主国家となりました。その間、両国の友好協力関係はますます強固で、広く、かつ深いものとなりました。日本はインドネシアの発展において重要な一翼を担い、インドネシアも日本の成長を後押しする役割を果たしてきました。

 この50年間で両国の相互依存関係は一層深化しています。インドネシアの成功と発展は日本に利益をもたらし、その逆もまた然りです。

御列席の皆様、

 インドネシアの文化において、50年というのは象徴的な数字であります。例えば、50年を迎えた結婚は「金婚式」と呼ばれ、強固、成熟、安定を表します。
 このことは、本日、50年目の「金婚式」を迎えた両国関係にも当てはまります。この50年間、日本とインドネシアの関係は、多くの浮き沈みや課題に直面してきましたが、正にそのような課題があったからこそ、両国関係は一層緊密になったと言えます。

 私は、今年一年に亘る外交関係樹立50周年が開始されることを歓迎いたします。この一年間、我々は、経済、社会、文化、教育及びスポーツを含む様々な分野において活動を実施する予定です。それらの活動の中でも、両国の連携と協力に重点を置きつつ、教育、文化及び若い世代という3つの柱に焦点を当てたいと思います。
 この3本柱を引き続き発展させていくことは、両国関係の未来にとり極めて重要です。

 私は、教育分野における協力は、両国間の相互理解と友好関係を強化するための戦略的な手段であると確信しています。教育を通じて、相互の親近感を育むことができるだけでなく、技術移転の一端を担うことにもなります。技術先進国として、日本は、気候変動や津波のような自然災害の影響を抑えるといった技術の移転において戦略的な役割を果たすことができます。

 社会・文化分野における両国の関係は、様々な日本インドネシア友好団体の設立により発展してきました。また、両国の留学生交流、文化芸術交流、文化活動協力なども行われています。このような活動は、政府レベルにとどまらず、市民レベル、さらには両国関係の未来を更に発展させてゆく使命を負っている若い世代における関係強化を強力に後押しすることになると確信しています。

御列席の皆様、

 50年に亘る二国間関係において、日本は常にインドネシアの最も重要な経済パートナーの一つであり続けてきました。日本は、貿易・投資や開発協力・技術協力などを通じて、インドネシアの経済社会開発に参画してきました。一方、インドネシアも、日本国民が必要とするエネルギーを含む多様な産品を継続的に輸出してきました。

 インドネシア政府及び国民は、アチェ、北スマトラ、中部ジャワ及びジョグジャカルタにおいて発生した地震や津波のような各種の自然災害に対する日本政府及び国民の支援と思いやりを決して忘れたことはありません。

 2005年に合意された「新たな挑戦へのパートナー」を土台として、2006年には「平和で繁栄する未来へ向けての戦略的パートナーシップ」が署名され、今日、日本とインドネシアの二国間関係は新たな段階に入りました。

 2007年8月に安倍総理がインドネシアを訪問した際、安倍総理と私は日本インドネシア経済連携協定に署名いたしました。この協定は、両国の経済関係を強化するための支柱となるものです。

 このように、我々は、この数年間で両国関係の急速な発展を目の当たりにしてきました。我々は、より包括的でダイナミックで戦略的な関係を構築する新たな局面に入っています。

 文化芸術使節の訪問や、観光客の訪問など、文化の面からも、日本とインドネシアの友好関係は一層緊密になっています。両国国民の相互訪問は、相互理解の促進にとり重要な手段です。

 この点に関し、インドネシア政府は、2008年をインドネシア観光年(Visit Indonesia Year 2008)と定めています。日本の観光客の皆様には、是非インドネシアを訪問頂き、インドネシアの多様な文化、歴史、伝統、そして美しい自然を間近で知って頂きたいと思います。

秋篠宮同妃両殿下、
御列席の皆様、

 私の挨拶を終える前に、世界第二位の経済大国である日本と、経済成長を遂げている世界で3番目に大きな民主国家であるインドネシアとが、世界の平和と安定と繁栄、そして地域と世界の環境保全のため、引き続き貢献できることを期待しています。

 この機会に、2007年12月初旬にバリで行われました国連気候変動枠組条約第13回締約国会議への日本代表団による積極的な参加に対し、感謝の意を表明いたします。会議では、京都議定書に続くものとして、バリ・ロード・マップができました。バリ・ロード・マップを通じ、特に、今日地球上の人類を脅かしている気候変動問題に対する世界的な連携の構築という観点から、日本とインドネシアのパートナーシップが更に強化されることを期待しています。

秋篠宮同妃両殿下、
御列席の皆様、

 最後になりましたが、この50年間、日本インドネシア関係の発展に尽力された全ての関係者の皆様に、祝意と謝意をお伝えします。両国が次の50年間において、一層の繁栄と友好と平和を共に享受できるよう協力して参りましょう。

 私達皆に、神の恵みがありますように。

 ご静聴有り難うございました。

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