グアテマラ共和国

基礎データ

令和6年7月17日
グアテマラ共和国国旗

一般事情

1 面積

108,889平方キロメートル(北海道と四国を合わせた広さよりやや大きい)

2 人口

1,735万人(2022年世界銀行(推定))

3 首都

グアテマラ市

4 民族

マヤ系先住民41.7%、ラディーノ(欧州系と先住民の混血)・欧州系56%、その他(ガリフナ族、シンカ族等)2.3%(2018年 グアテマラ国勢調査)

5 言語

スペイン語(公用語)、その他に22のマヤ系言語等あり。

6 宗教

憲法上宗教の自由を保障。主にカトリック及びプロテスタント

7 略史

年月 略史
1523年 スペインによる征服
1573年 スペイン王領の総督領となる
1821年 スペインから独立
1823年 中米諸州連合結成
1838年 中米諸州連合より分離独立
1960年 内戦勃発(1996年まで)
1986年 民政移管
1987年 中米和平合意
1996年 内戦終結
2000年 ポルティージョ大統領就任
2004年 ベルシェ大統領就任
2008年 コロン大統領就任
2012年 ペレス・モリーナ大統領就任
2015年 マルドナド大統領就任
2016年 モラレス大統領就任
2020年 ジャマテイ大統領就任
2024年 アレバロ大統領就任

政治体制・内政

1 政体

立憲共和制

2 元首

セサル・ベルナルド・アレバロ・デ・レオン大統領(任期4年、再選禁止)

3 議会

一院制(定員160名、任期4年)

4 政府

(1)首相
首相職無し
(2)外相
カルロス・ラミロ・マルティネス・アルバラード

5 内政

  • (1)1821年にスペインから独立。1823年に中米諸州連合を結成、1838年に同連合から分離独立。
  • (2)1945年選挙で大統領に就任したアレバロ大統領、及び51年に同政権を継いだアルベンス大統領により、10年間自由進歩的な施政が行なわれた。しかし、革新的な政策を進めようとしたアルベンス政権は、特に農地改革をめぐり地主、農民、カトリック教会等保守勢力から反対を受け、さらにユナイテッド・フル-ツ会社の土地接収を契機に米国政府とも対立することとなった。
  • (3)1954年6月、米国の隠然たる支援を得たカスティージョ大佐率いる国民解放運動(MLN)武装勢力がホンジュラス国境から侵攻し、アルベンス政権を打倒した。同年9月、カスティージョ大佐は大統領に就任し(1957年暗殺)グアテマラは軍政の時代へと入っていく。
  • (4)1958年に成立したイディゴラス政権の親米的政策に不満を抱いた軍若手将校が1960年に反乱を起こした。同反乱は鎮圧されたものの、その指導者グループが山中に潜伏、ゲリラの源泉となり、以後36年間にわたって内戦が続いた。
  • (5)1965年改正憲法により、1966年、大統領選挙が実施され民主的に政権が交替。しかし、1970年以降は、軍人大統領が政権を掌握。1986年にセレソ大統領が就任し、20年振りの民政移管を達成。87年、中米和平合意に署名。
  • (6)1991年1月、セラーノ大統領就任。1993年6月、セラーノ大統領は、汚職対策と称して憲法を停止する「自主クーデター」を行った結果、国内外の強い反発を招き失脚、国外に亡命した。これを受けて、デ・レオン人権擁護官が大統領に就任し、政府・ゲリラ間の和平交渉、貧困対策、人権改善等を積極的に推進。国連グアテマラ人権検証ミッションが全国に展開された(1994年9月~2004年12月)。
  • (7)1996年12月29日、政府・ゲリラ間で最終和平合意が成立し、中米最後の内戦が終了。和平プロセスが開始された。
  • (8)1997年5月、国連軍事監視団の下、ゲリラの武装解除完了。同年12月、軍警察が解体され、国家文民警察に移行。
  • (9)2004年1月、ベルシェ大統領が就任。和平協定の履行、雇用創出、貧困削減、治安改善等を重点課題として取り組んだ。2005年10月のハリケーン・スタンによる豪雨で甚大な被害からの復興も着実に果たした。
  • (10)2008年1月、グアテマラ史上初となる中道左派出身のコロン大統領が就任。極貧世帯の児童に対する教育・保健サービスの改善や食糧配給プログラムなど、貧困や経済格差問題の解決に努めた。
  • (11)2012年1月、ペレス・モリーナ大統領が就任し、「飢餓ゼロ」、「治安・司法・平和」、「財政・経済成長」を政策の3本柱として取り組んだ。しかし、2015年9月、国税庁を舞台とする汚職事件に関与した疑いにより、同大統領は辞職。マルドナド副大統領が大統領に就任。
  • (12)2016年1月、与党国民集中戦線(FCN)のモラレス大統領就任。汚職対策を重点課題に掲げたが、2015年大統領選におけるFCNの不正選挙資金受領問題により、グアテマラ無処罰問題対策国際委員会(CICIG)との対立を強め、グアテマラの汚職・無処罰に取り組んで来たCICIGの機能を低下させた。CICIGは2019年9月で設置期限が満了し、活動を終了した。治安面では、殺人発生率等の統計上の改善は見られるものの、貧困問題や雇用創出、教育・保健の改善等において目立った成果は上げられなかった。
  • (13)2020年1月、中道右派VAMOS党のジャマテイ大統領就任。グアテマラにおける長年の課題解決と経済成長率6%を目指し、経済活性化による雇用創出、貧困や栄養失調改善プロジェクト、警察・軍の増員等による治安改善、専門委員会新設による汚職対策等を政策として掲げた。同大統領は、任期終了を前に、同政権の成果として、不安定な世界経済の中での安定したGDP成長率の達成等の経済成長の達成、犯罪発生率や殺人発生率の減少等の治安の改善、公立学校における栄養改善支援等の社会開発、ウクライナ支援や移民支援等の外交関係を強調した。一方で、2023年4月の現地世論調査によれば、ジャマテイ政権への評価は歴代4政権の中でも特に低い結果となり、特に評価の低い項目は、物価の安定、汚職対策、貧困対策であった。また、2023年グアテマラ大統領選挙においては、複数有力候補の立候補資格の取消や既得権益層の枠外から当選したアレバロ候補への司法追求等に対し、国内外から批判や抗議が行われた。
  • (14)2024年1月、種の運動党からアレバロ大統領(アレバロ元大統領(1945-1951)の息子)が就任。汚職との闘い、貧困対策、格差是正等を掲げる。

外交・国防

1 外交

  • (1)対米関係重視(数百万人に上る在米グアテマラ人コミュニティの存在、恒常的な中米(不法)移民問題、GDPの2割強に相当する米国からの送金、自由貿易協定(DR-CAFTA、2006))。
  • (2)2018年5月、モラレス政権(当時)は、米国に追従する形で在イスラエル・グアテマラ大使館をエルサレムへ「帰還」させた(グアテマラはイスラエル建国を最も早く承認した国の一つ。1980年までエルサレムに大使館を置いていた)。
  • (3)米国、メキシコおよび中米北部三カ国で連携し、米国への移民発生の防止・減少や開発に取り組む。また、中米統合に向け、中米北部三カ国で税関統一等に取り組んでいる(中米議会、中米経済統合一般条約常設事務局(SIECA)所在)。
  • (4)1991年9月、隣国ベリーズの独立を承認し、外交関係を開始。但し、領土問題が未解決のため、両国は国際司法裁判所への付託の是非を問う国民投票を各国で実施(グアテマラは2018年4月、ベリーズは2019年5月に実施)。両国での賛成多数の結果を受け、2019年6月に同裁判所へ付託された。2020年12月、グアテマラ政府は国際司法裁判所へ訴答書面を提出し、2022年6月、同裁判所へベリーズから反対文書の提出が行われた。
  • (5)1998年1月、キューバと国交正常化。
  • (6)台湾(1934年12月)、北朝鮮(2007年9月)と外交関係あり。

2 軍事力(ミリタリーバランス2019)

(1)予算
334百万米ドル(2019年)
(2)兵役
志願制
(3)兵力
18,050人(陸軍15,550人、海軍1,500人、空軍1,000人)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

農業(コーヒー、バナナ、砂糖、カルダモン、食用油脂)、繊維産業

2 GDP(名目)

1,020.5億米ドル(2023年 世界銀行)

3 一人当たりGDP

5,473米ドル(2022年 世界銀行)

4 経済成長率

4.1%(2022年 世界銀行)

5 物価上昇率

6.9%(2023年 世界銀行)

6 失業率

3.1%(2022年 世界銀行)

7 貿易額(2023年 グアテマラ中央銀行)

(1)輸出(FOB)
141億9430万米ドル
(2)輸入(CIF)
303億1850万米ドル

8 主要貿易品目(2023年 グアテマラ中央銀行)

(1)輸出
衣類・繊維、カルダモン、バナナ、食用油脂、砂糖、コーヒー
(2)輸入
自動車、機械類、プラスチック製品、ガソリン、ディーゼル

9 主要貿易相手国(2023年 グアテマラ中央銀行)

(1)輸出
米国、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ
(2)輸入
米国、中国、メキシコ、エルサルバドル、ブラジル

10 通貨

ケツァル(Q)

11 為替レート

1米ドル=7.8ケツァル(2023年(平均) グアテマラ中央銀行)

12 外貨準備

213.2億ドル(2023年 グアテマラ中央銀行)

13 国家予算

148.0億ドル(2023年 グアテマラ財務省)

14 対外公的債務

124.47億ドル(2023年 グアテマラ中央銀行)

15 経済状況

  • 衣類等の繊維産業およびコーヒー、砂糖、バナナ等の農産品が主要輸出産品で、農産品は国際市場価格に依存するため不安定な面もあるが、繊維産業は好調を維持。観光産業も大きく成長している。
  • 2010年以降、経済成長率は3~4%と低水準ではあるが安定的に推移。国民の半数以上が1日5ドル以下で生活する貧困層と推定されており、貧困問題解決にはより高い経済成長率の達成と雇用創出が必要。国民の約1割以上(200万人以上)が米国に移住し、海外送金が貧困家庭の家計を支える(GDPの約1割強に相当。2019年は105億ドル(グアテマラ中銀))。
  • 2000年、メキシコとの自由貿易協定をホンジュラス、エルサルバドルと共に締結。2006年7月1日、米国・中米・ドミニカ(共)自由貿易協定(DR-CAFTA)が発効。2013年12月、中米EU連携協定が発効。
  • 2017年6月、グアテマラ・ホンジュラス間で物の移動の簡素化を目的に2カ国の税関を1つに統合する税関統一が開始。エルサルバドルも加わり、2018年12月から同三カ国で実施、さらなる拡大を目指している。
  • グアテマラは2010年以降、3%前後の経済成長率を維持、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で-2%に落ち込んだものの、2022年には4.1%に回復。海外からの送金総額はコロナ禍においても減少せず、GDPの20%に相当と見られる。

経済協力

1 日本の援助実績(2021年度までの累計)

  • (1)有償資金協力(E/Nベース) 367.75億円
  • (2)無償資金協力(E/Nベース) 451.02億円
  • (3)技術協力実績(JICA経費実績ベース) 332.76億円

2 主要援助国(2020年、単位:百万ドル)(2020年OECD/DAC)

  • (1)米国(151.0)
  • (2)日本(42.0)
  • (3)スウェーデン(30.0)
  • (4)スペイン(28.28)
  • (5)ドイツ(23.8)

二国間関係

1 政治関係

 伝統的に友好関係。1935年外交関係樹立。1954年10月16日外交関係再開。1964年にグアテマラが本邦大使館開設、日本側は1967年にグアテマラ大使館開設。

2 経済関係

(1)対日貿易
(ア)貿易額(2022年 グアテマラ中央銀行)
輸出 205億円
輸入 495億円
(イ)主要品目
輸出 コーヒー、胡麻、カルダモン、バナナ等
輸入 自動車、鉄鋼、一般機械、医療機器等

3 文化関係

文化無償資金協力(一般・草の根)累計 30件 15.14億円(2019年度まで)

4 在留邦人数

270人(2024年1月)

5 在日グアテマラ人数

182人(2023年12月)

6 要人往来

(1)日本からグアテマラへ(1987年以降)
年月 要人名
1987年 IPU議員団 (団長:小宮重四郎議員)
1987年 倉成正外務大臣
1989年 田中直紀外務政務次官
1991年 小渕恵三特派大使(セラーノ大統領就任式)
1991年 鈴木宗男外務政務次官
1992年 衆議院議員団(団長:小渕恵三議員)
1993年 東祥三外務政務次官
1996年 山口鶴男特派大使(アルスー大統領就任式典)
1997年 常陸宮同妃両殿下
2000年 近江巳記夫特派大使(ポルティージョ大統領就任式典)
2001年 山口泰明外務大臣政務官
2004年 森山眞弓特派大使(ベルシェ大統領就任式典)
2005年 小野寺五典外務大臣政務官(日・グアテマラ外交関係樹立70周年記念式典)
2006年 土屋品子衆議院議員
2007年 田中和徳財務副大臣(IDB総会)
横路孝弘衆議院副議長
2008年 山口泰明特派大使(コロン大統領就任式)
2010年 山花郁夫外務大臣政務官
2012年 山根隆治外務副大臣(ペレス・モリーナ大統領就任式)
2013年 谷川弥一文部科学副大臣
2014年 衆議院中南米諸国国土交通事情等調査議員団(望月義夫議員 他1名)
秋篠宮同妃両殿下
2015年 宇都隆史外務大臣政務官
2017年 岡本三成外務大臣政務官
2019年 佐藤正久外務副大臣
2020年 山口泰明特派大使(ジャマテイ大統領就任式)
2021年 茂木敏充外務大臣
2024年1月 穂坂泰外務大臣政務官(アレバロ大統領就任式)
2024年5月 松山政司参議院自民党幹事長、堀井巌参議院自民党副幹事長
(2)グアテマラから日本へ(1990年以降)
年月 要人名
1990年 デ・レオン農牧食糧相
ファーセン文化スポーツ相
デ・レオン農牧食糧相
リベラ外相(即位の礼)
1991年 ガルシア国会副議長(衆議院公式招待の議員団団長)
1994年 デルバジェ農牧相
1995年 エルナンデス厚生相
1996年 ステイン外相(日・中米フォーラム)
1997年 カステジャノス国会議員(「グ」・日友好議連会長)
1998年 アギレウ外務次官
1999年 ヘーゲル経済企画庁長官
ヒメネス外務次官(日・中米フォーラム)
2000年 サラサール外務次官(小渕元総理葬儀)
2001年 ポルティージョ大統領(公式実務訪問)、オレジャーナ外相(同行)
2002年 レジェス副大統領、ウェイマン大蔵相
デ・ラモス公共事業相
アルチラ・エネルギー鉱山相
2003年 レジェス副大統領、デ・コティ文化スポーツ相、ミランダ観光庁長官(マヤ文明展開会式出席)、カセレス環境相(世界水フォーラム出席)
2003年 セッツ農牧食糧相
2004年 ダリィ環境相(地球観測サミット)
モンテホ和平庁長官
2005年 デ・ボニージャ大蔵相(IDB沖縄年次総会)
2005年 ベルシェ大統領(日本・中米首脳会談、博覧会賓客)、
ブリッツ外相(大統領に同行)
2006年 ブリッツ外相(外務省賓客)
キシュタン和平庁長官
アセーニャ教育相(STSフォーラム)
2007年 マテウ文化スポーツ相(インカ・マヤ・アステカ展)
アセーニャ教育相(STSフォーラム)
2009年 エスパーダ副大統領(STSフォーラム)
2010年 フェラテ環境天然資源相(国連持続可能な廃棄物管理準備会合)
コロン大統領(実務訪問賓客、外交関係樹立75周年。ロダス外相同行)
2011年 エスコベド文化・スポーツ相
2012年 カバジェロス外相(外務省賓客)
2013年 エスピノサ外務次官(日・中米フォーラム)
2015年 パディージャ通信監督庁長官(総務省招へい)
2015年 マルドナド国家災害対策調査委員会長官(国連世界防災会議)
2016年 モラレス経済相(IDB主催日本・ラテンアメリカ・カリブビジネスフォーラム)
2019年 ホベル外相(第5回国際女性会議(WAW!/W20))
2019年10月 モラレス大統領(即位の礼)
2024年3月 オロスコ外務次官(万博招へい)
2024年5月 マルティネス外務大臣

7 二国間条約・取極

  • 1971年 貿易上の待遇供与に関する取極
  • 1976年 査証相互免除取極
  • 1977年 技術協力協定
  • 1987年 青年海外協力隊派遣取極(1989年 派遣開始)
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