ギリシャ共和国

基礎データ

令和6年5月9日
ギリシャ共和国国旗

一般事情

1 面積

131,957平方キロメートル(日本の約3分の1)

2 人口

約1,046万人(2023年)

3 首都

アテネ(人口約300万人)

4 民族

ギリシャ人

5 言語

現代ギリシャ語

6 宗教

ギリシャ正教

7 国祭日

3月25日(独立記念日)

8 略史

年月 略史
1821年 オスマン帝国からの独立戦争(独立戦争)
1832年 コンスタンティノープル条約によりギリシャの独立が承認され、ギリシャ王国が成立。
1912年~1913年 第一次・第二次バルカン戦争
1917年 第一次世界大戦参戦
1940年 ギリシャ、第二次世界大戦に参戦
1941年 枢軸国(ドイツ、イタリア、ブルガリア)による占領(1944年まで)
1946(~1949年) 内戦
1952年 NATO加盟
1967~1974年 軍事政権
1974年 君主制廃止、共和制へ。新民主主義党(ND)政権発足(1981年まで)
1981年~1989年 全ギリシャ社会主義運動党(PASOK)政権
EC(ヨーロッパ共同体、現EU)加盟
1990年~1993年 ND政権
1993年~2004年 PASOK政権
2001年 統一通貨ユーロを導入
2004年~2009年 ND政権
2009年~2011年 PASOK政権
ギリシャ信用不安から債務危機
2011年~2012年 PASOK、ND、国民正統派運動による連立政権
2012年~2015年1月 ND、PASOK、民主左派3党による連立政権
(民主左派は2013年6月離脱)
2015年1月~2019年7月 急進左派連合(SYRIZA)、「独立ギリシャ人」党(ANEL)連立政権(「独立ギリシャ人党」(ANEL)は2019年1月に離脱)
2019年7月~ ND政権

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

カテリナ・サケラロプル大統領
H.E.Ms. Katerina N. SAKELLAROPOULOU
(2020年3月就任 任期5年)

3 議会

一院制(300議席、任期4年)

4 政府

(1)首相
キリアコス・ミツォタキス
(2)外相
ヨルゴス・ゲラぺトリティス

5 内政

  • (1)1832年王国成立。1924年に共和国、1935年王制復活を経て、1967年に軍事政権が成立するも、1974年に崩壊し、民主制が復活。新民主主義党(ND)と全ギリシャ社会主義運動党(PASOK)による実質的な二大政党制が成立。その後、1981年ECに正式加盟(10番目の正式加盟国)、2001年ユーロ導入。
  • (2)2004年以降はNDが政権与党にあったが、2009年10月の総選挙によりヨルゴス・パパンドレウ党首を首相とするPASOK政権が発足。新政権はND政権下の財政収支統計の誤りを指摘し、財政赤字を大幅に上方修正したため、ギリシャ財政の信用不安が拡大。
  • (3)PASOK政権は、EU、IMF、欧州中央銀行の支援を受けつつ、財政再建に向けた施策を進めたものの、労組等を中心としたデモやストライキが頻発。
  • (4)2011年10月の欧州理事会にて合意された対ギリシャ第2次支援プログラムをめぐるパパンドレウ首相による国民投票実施表明は、野党や国際社会からの反発に加え与党内からも離党者がでるなど反発を招き、同首相は退陣。11月、ルカス・パパディモス氏を首班とした新政権(PASOK、ND及び国民正統派運動(LAOS)による連立内閣)が成立。
  • (5)同政権により2012年5月第2次支援が合意された後、5月に総選挙が行われたが、組閣が失敗し、6月、再選挙となった。その結果、サマラス首相率いるNDとPASOK、民主左派の連立政権が発足した(2013年6月に民主左派が離脱)。
  • (6)2014年12月、大統領選挙が行われたが、与党の擁立した候補が必要票を獲得できなかったため、憲法に基づき議会が解散され、繰り上げ総選挙が2015年1月に実施された。この結果、急進左派連合(SYRIZA)が第一党となり、同じく反緊縮を掲げる「独立ギリシャ人」党(ANEL、右派)と連立して、チプラスSYRIZA党首を首班とする内閣が発足した。
  • (7)チプラス政権は財政緊縮策の撤廃などを掲げていたため、債権団側との交渉が難航した。財政破綻やユーロ圏離脱が危ぶまれるなど、緊迫した政況が続いたが、2015年7月の国民投票を経て、8月、第3次支援プログラムの合意が成立した。しかし、この合意の内容は、チプラス政権の掲げる公約に反するものであったため、SYRIZA議員の3割近くが造反し、チプラス首相は内閣総辞職を発表した。
  • (8)内閣総辞職を受けて、2015年9月に繰り上げ総選挙が行われた結果、SYRIZAとANELの連立による第2次チプラス内閣が発足。チプラス政権は、次第に協調路線に転じ、債権団の要求する改革を推進。2018年8月には、第3次支援プログラムが終了し、約8年間にわたる財政支援から卒業した。
  • (9)2019年5月の欧州議会選挙で、SYRIZAがNDに大敗。これを受けてチプラス首相は2019年7月に解散総選挙に踏み切った結果、NDが単独過半数を獲得し、キリアコス・ミツォタキス首相率いる政権が成立した。新政権は多数のテクノクラートを入閣させ、各分野の改革に取り組んだ。
  • (10)2023年5月21日及び6月25日、ギリシャ総選挙の投票が行われ、改選前の与党・新民主主義党(ND)が、過半数を超えて単独過半数を確保。NDの単独政権が継続されることとなった。
  • (11)新型コロナ禍においても、ND政権は早期にロックダウンを実施し、更に全国規模でワクチン接種を展開するなど、感染拡大を効果的に抑えたこともあり政府支持率は高い水準で安定していた。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)EU及びNATO加盟国としての立場を重視しつつも、多角的な外交政策を展開
     (例:米国との協調、キプロスを交えたイスラエル、エジプト等各国との3か国協力推進、国連安保理非常任理事国への立候補、中国との関係維持等)
  • (2)国際法、特に国連海洋法条約に基づいた国際問題の解決を志向
  • (3)キプロス問題解決に向けた関係国・機関との協力
  • (4)エーゲ海問題等をめぐるトルコとの対立関係の調整
  • (5)隣国(バルカン諸国、中東、アフリカ)との関係強化
  • (6)移民・難民問題対応における各国・機関との協力
  • (7)ロシアによるウクライナ侵略に対しては、ロシアを厳しく非難すると共に、EUの対露制裁を全て導入。また、ウクライナに対する人道・軍事支援を継続的に行っている。

2 軍事力(ミリタリー・バランス 2023年)

(1)予算
約52.5億ドル(2023年)
(2)兵役
徴兵制
(3)兵力
実働兵13.2万人
陸軍 9.35万人、海軍 1.67万人、空軍 2.2万人
予備役 28.9万人
陸軍 24.9万人、海軍 6.1万人、空軍3.4万人

経済

1 主要産業

観光業、海運業、鉱工業、農林水産業

2 GDP

2,175億ドル(2022年:世銀)

3 一人当たりGDP

20,867ドル(2022年:世銀)

4 経済成長率(対GDP比)

5.6%(2022年:世銀)

5 (消費者)物価上昇率

9.6%(2022年:世銀)

6 失業率

10.8%(2023年:世銀)

7 総貿易額(2021年:ITC)

(1)輸出
約472.44億ドル
(2)輸入
約772.85億ドル

8 主要貿易品目(2021年:ITC)

(1)輸出
鉱物性燃料及びその製品、医薬品、アルミニウム及びその製品
(2)輸入
鉱物性燃料及びその製品、機械・機械設備、電気機械・電気設備及び部品

9 主要貿易相手国(2022年:ITC)

(1)輸出
イタリア、ブルガリア、ドイツ
(2)輸入
ロシア、ドイツ、中国

10 通貨

ユーロ

11 経済概要

  • (1)2009年10月、発足直後のパパンドレウ政権は、財政赤字の大幅な修正を発表。市場の不信から国債発行が困難となり財政危機に陥った。
  • (2)2010年5月、ユーロ加盟国及びギリシャ政府は、ギリシャ政府による改革(緊縮・財政再建等)を条件とし、Greek Loan Facility(GLF:注:欧州委員会が二国間融資をプール)から最大800億ユーロの第1次ギリシャ支援プログラム(MoU)に署名した。
  • (3)2012年5月、ギリシャ政府による更なる改革を条件とし、欧州金融安定ファシリティ(EFSF)を通じた最大1,447億ユーロの第2次ギリシャ支援プログラム(MoU)が合意された。また、IMFは、ギリシャ向けExtended Fund Facility(4年間で最大280億ユーロ)の一環として、198億ユーロの支援を決定した。第2次支援プログラムは2012年3月から2015年6月まで実施され、合計1,418億ユーロが支援された。
  • (4)2015年2月~6月、チプラス政権は財政緊縮策の撤廃などを求めて債権団側と交渉したが膠着状態が続いた後、決裂した。債務不履行とユーロ離脱の危機に陥ったため、2014年末から流出が続いていた銀行預金が更に大量に流出。資本規制が行われ、銀行が約3週間閉鎖、アテネ証券取引所が約9週間閉鎖された。
  • (5)2015年8月、ギリシャ政府による更なる改革を条件とし、ユーロ加盟国は欧州安定メカニズム(ESM)を通じた最大860億ユーロの第3次支援プログラム(MoU)に署名した。同プログラムは、予定どおり2018年8月に終了した。第1次~第3次支援プログラムにおいて、総額2,566億ユーロがギリシャに融資された。今後、75%の債務を返済するまで(期限は2060年)、各種改革の実施状況に関し、国際債権団による年4回のレビューを受ける等、ギリシャは債権団のサーベイランス下に置かれる。
  • (6)2019年7月に発足したミツォタキス政権は、海外直接投資(FDI)の誘致や減税による経済成長策を推進しつつ、経済のデジタル化、グリーン化に重点を置いた財政再建のための改革に取り組んでいる。
  • (7)2020年3月以降の新型コロナウィルス感染拡大対策のための経済活動制限策は、経済成長率に負の影響をもたらしたが、政府は、欧州委員会の承認を得た復興計画グリース2.0に基づいて、グリーン・トランジッション及びデジタル化といった分野で各種計画を実施し、経済成長を達成すべく経済刺激策を実行している。
  • (8)ロシアによるウクライナ侵略等に端を発した物価高騰及びエネルギー危機への対応が現政権の喫緊の課題となっている。

二国間関係

1 政治関係

  • (1)日本とギリシャは、1899年に修好通商航海条約が締結され、国交が開始して以来、伝統的な友好関係を築いている。1999年の修好100周年の機会には常陸宮両殿下がギリシャを訪問し、2019年には修好120周年を記念して様々な記念行事が行われた。
  • (2)2002年3月、ギリシャ首相による初めての日本への公式訪問が実現し、小泉総理大臣とシミティス・ギリシャ首相との間で首脳会談が行われ、政治、経済及び文化のあらゆる分野において二国間関係を更に深化・拡大する決意を確認した「日ギリシャ共同行動計画」が署名された。また、その後もハイレベルの往来が続き、2003年には小泉総理大臣のギリシャ訪問、2005年にはカラマンリス首相の訪日が実現した(肩書きはいずれも当時)。
  • (3)2019年4月にカトゥルガロス外相(当時)が訪日し、10月に即位礼正殿の儀の機会にピクラメノス副首相が訪日した。いずれも、カウンターパートとの会談が行われた。
  • (4)二国間関係のみならず、国連・安保理改革などの国際社会の共通課題においても日本とギリシャは協調してきている。また、共に海洋国かつ海運国として、海洋における法の支配は、両国共通の関心事項である。
  • (5)2023年1月、ギリシャの首相として17年ぶりにミツォタキス首相が訪日。日ギリシャ首脳会談において、「日ギリシャ戦略的パートナーシップに関する首脳共同声明」が発出された。

2 経済関係

 直接投資の面では、現地法人も含め日系企業約34社がギリシャに進出(商社、船舶関連会社等)。代理店を含めると、約70社がギリシャで活動している。ギリシャからは販売業や貿易コンサルタント業など数社が対日進出。

貿易

(ア)貿易額(単位:億円)(出典:日本財務省)
年号 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
日本からの輸入 464.6 623.0 261.5 268.7 452.5
日本への輸出 234.2 585.6 813.0 572.5 995.3
(イ)主要貿易品目(2021年:日本財務省)
日本からの輸入:
鉄鋼製品、一般機械、輸送用機器(自動車、二輪自動車類等)、電気機器、ゴム製品
日本への輸出:
たばこ、石油及び石油製品、医薬品、綿花、アルミニウム

3 文化・スポーツ関係

  • (1)2019年の日・ギリシャ修好120周年の機会には、Japan Weekをはじめアテネを中心として様々な日本紹介文化行事が行われた。
  • (2)2017年7月文部科学省とギリシャ・文化・スポーツ省との間でスポーツ分野における協力に関する覚書が署名された。
  • (3)東京2020オリンピック・パラリンピック大会に関連して、愛知県稲沢市、埼玉県三郷市、広島県江田島市、兵庫県尼崎市がギリシャのホストタウンに、福島県楢葉町が復興ありがとうホストタウンに登録された。2020年3月にはアテネで聖火の引継式が行われた。
  • (4)2023年1月、ミツォタキス・ギリシャ首相訪日の際に両首相が発表した、「戦略的パートナーに関する共同声明」において、日ギリシャ外交関係樹立125周年となる2024年を、「日本・ギリシャ文化観光年」とする旨を発表した。
  • (5)同月、日本国観光庁とギリシャ共和国観光省は観光分野における協力覚書に署名した。
  •  
  • (6)ギリシャの高等教育機関に日本研究の機関は存在しないが、ギリシャ国内には複数の民間日本語学習機関がある。また、日本政府は毎年2~3人程度の文部科学省国費留学生(研究留学生、学部生及び専修生)を受け入れている。
  • (7)日・ギリシャそれぞれ8つの都市と1つの通りが姉妹都市関係を結んでいる。
  •  

4 在留邦人

638人(2022年10月現在)

5 在日ギリシャ人数

279人(2022年6月現在)

6 要人往来

(1)往(2000年以降)
年月 要人名
2000年9月 綿貫衆議院議長
2001年1月 森総理大臣
2002年9月 倉田参議院議長
2003年5月 小泉総理大臣
2004年8月 河村文部科学大臣、常陸宮同妃両殿下
2006年1月 河野衆議院議長
2006年5月 山中外務大臣政務官
2006年6月 小坂文部科学大臣
2012年7月 山根外務副大臣
2014年8月 赤松衆議院副議長
2017年1月 岸外務副大臣
2017年12月 伊達参議院議長
2018年7月 中根外務副大臣
2019年6月 薗浦総理大臣補佐官
2019年7月 田中内閣府副大臣
(2)来(2000年以降)
年月 要人名
2002年3月 シミティス首相(公賓)
2004年11月 バシアコス農業発展・食糧相
2005年2月 オルファノス文化副大臣
2005年5月 アロゴスクフィス経済・財務相(博覧会賓客)
ベナキ国会議長(衆議院議長招待)
2005年11月 カラマンリス首相(実務訪問賓客)
2007年4月 リアピス運輸・通信相
2013年4月 ケファロヤニ観光相
2014年10月 ミハロス経済・経済協力担当外務次官
2014年11月 ロヴェルドス教育・宗務相
2019年4月 カトゥルガロス外相
2019年10月 ピクラメノス副首相(即位礼正殿の儀参列)
2020年1月 フラゴヤニス外務副大臣
2021年7月 アヴゲナキス文化・スポーツ副大臣(東京2020オリンピック開会式出席)
2022年4月 デンディアス外相
2022年9月 ヴァルヴィチオティス外務上級副大臣(故安倍元総理国葬儀参列)
2023年1月 ミツォタキス首相(実務訪問賓客)
フラゴヤニス外務副大臣(首相訪日に同行)
ピエラカキス・デジタル・ガバナンス大臣(首相訪日に同行)

7 二国間条約・取極

  • 修好通商航海条約(1899年締結)
  • 査証取極(1956年締結)
  • 航空業務に関する日本国とギリシャ王国との間の協定(1973年締結)
  • 文化協定(1981年締結)

8 外交使節

  • (1)日本:伊藤 康一 特命全権大使
  • (2)ギリシャ:ニコラオス・アルギロス 次期駐日大使
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