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野田総理大臣とフィヨン仏首相との会談について
平成23年10月23日

(写真提供: 内閣広報室)
23日(日曜日),12時35分から15時00分まで,野田佳彦総理大臣は実務訪問賓客として来日したフランソワ・フィヨン仏首相(H.E. Mr. François Fillon, Prime Minister of the French Republic)と首相官邸において会談及び昼食会を行ったところ,概要は以下のとおりです。
冒頭
野田総理から,フィヨン首相に対し5回目の来日を歓迎するとともに,昨日の被災地(石巻市)訪問を感謝し,日本はビジネス・留学・観光にオープンであり,多くのフランス人に日本に来ていただきたい旨述べました。これに対し,フィヨン首相から,震災に際しての日本人の勇気と品格にあらためて敬意を表すると述べるとともに,仏として引き続き日本に対しあらゆる協力を惜しまない旨,野田総理の下で日仏関係が一層強化されることへの期待が表明されました。
復興,原発対応
野田総理から,事故の経験及び教訓を踏まえ,日本として国際的な原子力安全の向上に貢献していく旨,また原発の状況や食品の安全について迅速・正確な情報の提供に努めるので,EUでも最新の客観的データを基に対応するよう要請しました。これに対しフィヨン首相から,原子力及びエネルギー分野で協力を強化していくことへの期待が述べられました。
G20サミット
フィヨン首相より,G20カンヌ・サミットを控え議長国フランスの考えが説明され,両首相で,喫緊の課題である欧州の債務問題を含め,世界経済への対応等で,協力していくことで一致しました。
日EU・EPA,日仏経済
総理から,日仏共通の利益である日EU・EPA交渉開始・締結に向け協力を要請しました。これに対しフィヨン首相より,仏政府としては日EU・EPA締結を支持しているが,仏経済界の一部では,懸念を有している旨述べたのに対し,野田総理より,非関税措置や規制改革にしっかり取り組んでいく旨述べました。
フィヨン首相からは,仏産牛肉の早期輸入再開について要請があり,野田総理からBSE対策開始から10年が経過した中で,対策全般について,最新の科学的知見に基づいて再評価を行うことが必要となっている旨述べました。
戦略的関係の強化
両首相は,基本的価値観を共有するグローバルなパートナーとして,種々の国際・地域問題への取組において,これまで以上に協力していく旨,本年5月に合意した日仏外相戦略対話を早期に実施する旨確認しました。
その他
両首脳は13時30分より,首相官邸内において共同記者発表を行い,本日の会談の意義と内容及び今次来日の機会に合意された原子力及びエネルギー政策に関する共同宣言並びに日仏情報保護協定の署名について紹介しました。
引き続いての昼食会では,日本の原子力政策,エネルギー政策及び復興に向けた見通しなどを再び議論した他,北朝鮮情勢などを中心とした東アジア情勢やハーグ条約締結に向けた日本の準備状況などについて意見交換しました。