エクアドル共和国

エクアドル共和国(Republic of Ecuador)

基礎データ

平成30年5月7日

  • エクアドル共和国国旗

一般事情

1 面積

25.6万平方キロメートル(本州と九州を合わせた広さ)

2 人口

1,639万人(2016年,世銀)

3 首都

キト

4 民族

欧州系・先住民混血72%,先住民7%,アフリカ系・アフリカ系との混血7%,欧州系6%(2010年,国勢調査)

5 言語

スペイン語

6 宗教

カトリック

7 略史

年月 略史
1822年 大コロンビアとして,スペインより独立
1830年 大コロンビアより分離独立
1979年 民政移管

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

レニン・モレノ大統領(2017年5月就任。任期は2021年5月まで。)

3 議会

一院制(任期4年:計137議席)

4 政府

  • (1)首相名 首相職無し
  • (2)外相名 マリア・フェルナンダ・エスピノサ 外務大臣

5 内政

 1822年の独立後,クーデターによる政権交代が繰り返され,1979年の民政移管以降は,民主主義体制は維持されてはいるものの,政情不安が継続していた。
 かかる国政の混乱及び寡占的な政治経済構造に対する国民の歴史的な不満を背景に,貧困層の多数の支持を得て,コレア大統領が2007年1月に大統領に就任した。コレア大統領は大統領選挙の公約(新憲法制定のための制憲議会の設置等)を,議会に確たる支持基盤を持たない中で積極的に推し進め,2008年10月20日新憲法発効を実現。2009年4月26日に新憲法に基づく総選挙が実施され,コレア大統領が再選した。コレア大統領に対する支持は根強く,2013年2月の選挙でも約57%の得票率で再選を果たし,大統領選と同時期に実施された国会議員選において与党国家同盟党は137議席中100議席を占める大勝を果たした。
 2013年5月に発足した第2次コレア政権は,メディアに対する規制の強化や大統領の三選を禁止する規定の改定を含む憲法改正を進めるなど,より強権的な政治運営を進めた。一方で,経済を重視し,産業多角化を目指し,海外投資に対する関心を表明するなど,少しずつ開放経済に向けた改革を進めた。2014年後半からの国際的な原油安とドル高を受けた財政の悪化や輸入規制等の対抗措置により国民生活に影響が出た。大統領による相続税改正法案等の国会への提出を契機として,労働者,先住民等一部の国民の不満が高まり,2015年6月以降全国各地で抗議活動が継続的に発生した。
 2017年4月2日にエクアドルにて任期満了に伴う大統領選決選投票が行われ,与党モレノ候補(前大統領)と野党ラソ候補との間で決選投票が実施され,モレノ候補が51.15%を獲得して,大統領に当選した(同年5月に就任,任期は21年5月まで)。また,国会議員選挙では,議会(一院制)の中で国家同盟党(AP)が議席を減らし(100議席から74議席へ),野党各党が議席を増やした。モレノ政権は,コレア前政権を継承し,社会的再分配や社会資本整備を重要視するも,原油・一次産品価格低迷の中,ドル化経済の貿易収支の悪化への対応,財政の緊縮と建て直し,対外債務の再交渉,産業の多角化と外国投資誘致が課題となり,より自由,かつ開放的な経済を目指した,成長重視の政治・経済改革にも注力している。2018年2月4日,汚職対策や憲法改正に関する立場を問う国民投票が実施され,多くの賛成票が得られたことから,モレノ大統領への求心力が高まっている。

外交・国防

1 外交基本方針

 エクアドルは2009年6月,チャベス前ベネズエラ大統領が主唱した米州ボリバル代替統合構想(ALBA。現在の名称は米州ボリバル同盟。)に加盟するなど,ベネズエラを中心とした近隣左派政権国との関係が強い。
 米国とは,2009年11月18日まで米軍による使用が認められたエクアドル空軍基地(マンタ空軍基地)について翌19日以降の利用を認めない旨正式に表明し,米国はエクアドルの決定を受け容れ,2009年9月18日,同基地から撤退した。さらに2004年5月から交渉していた米国とのFTAを締結しない旨表明し,米国との関係は冷却化した。
 EUと,エクアドルが加盟するアンデス共同体(CAN)は2007年9月にFTA交渉を開始するも,途中でエクアドルとボリビアが離脱し,2012年6月にEU・ペルー・コロンビア間FTAとして署名が行われた。2013年4月,エクアドルはEUとの間で交渉を再開し,2014年12月に合意。これにより,エクアドルはEU・ペルー・コロンビアFTAに加入することとなった。また2008年に発足した南米諸国連合(UNASUR)の事務局が2014年にキトに設置された。

2 軍事力

  • (1)予算 15.65億ドル
  • (2)兵役 (1年)
  • (3)兵力 40,250人(陸軍24,750人,海軍9,100人,空軍6,400人)

(ミリタリー・バランス2018年版)

経済

1 主要産業

鉱工業(石油),農業(バナナ,カカオ,コーヒー),水産業(エビ)

2 GDP

986.1億ドル(2016年,世銀)

3 一人当たりGNI

5,800ドル(2016年,世銀)

4 GDP成長率

-1.6%(2016年,世銀)

5 物価上昇率

0.9%(2016年,世銀)

6 貿易額

  • (1)輸出 183.3億ドル(2015年,エクアドル中銀)
  • (2)輸入 204.6億ドル(2015年,エクアドル中銀)

7 主要貿易品

  • (1)輸出 石油,バナナ,コーヒー,カカオ,生花,まぐろ,えび
  • (2)輸入 石油製品,自動車,車両部品,鉄鋼

8 主要貿易相手国

  • (1)輸出 米国,チリ,ペルー,コロンビア,ロシア
  • (2)輸入 米国,中国,コロンビア,パナマ,ペルー

9 通貨

米ドル(2000年3月より)

10 近年の経済政策

 エクアドル経済の特徴として,2000年に自国通貨であるスクレを廃止し,米ドルを法定通貨として採用したこと,及び原油が輸出の約5割を占め,バナナ,カカオ,コーヒー,水産加工品(主にエビ),生花等の一次産品が残りのほとんどを占めることがあげられる。

 2007年1月から2017年5月まで政権を運営したコレア大統領は規制緩和,貿易自由化及び財政赤字削減を推進する「小さな政府」を志向していたそれ以前の政権と異なり,「大きな政府」を志向し,社会政策の拡充のほか,規制強化,富の再分配,保護貿易化等を進めた。また,コレア大統領は,2008年10月に大統領の権限強化,石油を含む天然資源の政府管理の強化等を定める憲法改正を達成後,国際原油価格の高騰を背景に外資系石油企業との契約を強制的に変更することで政府の歳入を増加させ,その財源を社会政策や公共投資に向けるポピュリズム的政策により支持率を維持した。これにより,貧困指数や失業率は改善されたものの,公的債務は増加した。対外的には,対米自由貿易協定(FTA)交渉を打ち切るなど自由貿易に反対の立場を明確にし,国内産業を優先する保護主義政策を採用した。その後,2013年に発足した第二次コレア政権では,エクアドルの持続的な経済開発のため,石油や農産品といった一次産品に依存した経済構造からの脱却を目指した。2013年6月には,それまで外務省に統合されていた貿易投資部門を独立させ,貿易省を設立した。対外的には,一時中断していたEUとのFTA交渉を再開し,2014年12月に合意に達するなど,それ以前と比べて経済を開放するための諸政策を進めた。他方で,2014年後半からの国際的な原油安とドル高を受け,自動車の輸入総量規制の強化・延長,幅広い輸入品に対する関税の引き上げ等の輸入規制措置を実施した。

 2017年5月に就任したモレノ大統領は,同政権発足以降,より自由で開放的な経済を目指し,経済改革に注力している。2018年3月,経済・財務大臣等の主要閣僚を交替させ,経済構造の構築,外国投資誘致や諸外国との貿易投資促進を課題として取り組んでいる。

経済協力

1 日本の援助実績(単位:億円)

  • (1)有償資金協力(2015年度まで) 664.36
  • (2)無償資金協力(2015年度まで) 358.33
  • (3)技術協力実績(2015年度まで) 250.01

2 主要援助国(2014年)(単位:百万ドル,OECD/DAC)

  • (1)フランス(46.83)
  • (2)ドイツ(37.95)
  • (3)米国(35.57)

二国間関係

1 政治関係

  • 1918年8月26日,外交関係開設。
  • 1954年9月30日,外交関係再開。

2 経済関係

(1)対日貿易(日本財務省貿易統計)
(ア)貿易額(2017年)
輸出 883億円
輸入 441億円
(2)主要品目
輸出 原油,バナナ,魚粉,ウッドチップ,魚介類,冷凍野菜
輸入 輸送機器,一般機械,鉄鋼,精密機器,ゴム製品
(3)日本からの直接投資(2011-2015年度累計,エクアドル中銀)
132.2万ドル

3 在留邦人数

355人(2017年 外務省海外在留邦人数調査統計)

4 在日当該国人数

214人(2017年 法務省在留外国人統計)

5 要人往来

(1)往訪(1979年以降)
年月要人名
1979年8月安孫子藤吉特派大使(大統領就任式)
1984年8月武藤嘉文特派大使(大統領就任式)
1984年北川外務政務次官
1988年8月愛野興一郎特派大使(大統領就任式)
1988年武藤嘉文衆議院議員(日・エクアドル友好議連会長)
1991年8月武藤嘉文衆議院議員(日・エクアドル友好議連会長)
1992年8月中山正暉特派大使(大統領就任式)
1993年11月常陸宮同妃両殿下
1996年8月野坂浩賢特派大使(大統領就任式)
1998年8月成重守重特派大使(大統領就任式)
1998年11月町村外務政務次官
2001年6月石原都知事
2002年8月植竹外務副大臣
2003年1月村上誠一郎特派大使(大統領就任式)
2006年7月山中外務大臣政務官
2007年1月浅野外務副大臣(大統領就任式)
2008年11月西村外務大臣政務官
2010年3月内藤総務副大臣(総理特使)
2011年1月衆議院エクアドル訪問議員団(麻生元総理他)
2012年8月山根外務副大臣
2013年3月上杉光弘衆議院議員他(第128回IPU会議)
2013年5月若林外務大臣政務官(大統領就任式)
2014年4月上川総務副大臣
2014年5月亀岡内閣府政務官
2015年1月参議院公式派遣団(中曽根元外相他)(アジア太平洋議員フォーラム)
2016年12月武井外務大臣政務官
2017年5月西村康稔特派大使(大統領就任式)
2018年1月佐藤外務副大臣
(2)来訪(1985年以降)
年月要人名
1985年スウェット蔵相
1987年7月エスピノサ・エネルギー鉱山相
1987年11月ガルシア外相
1989年2月バラガン最高裁長官(大喪の礼)
1990年5月コルドベス外相(外務省賓客)
1990年11月パロディ副大統領(即位の礼)
1991年3月ベテル蔵相
1991年12月ドゥラン・バジェン大統領候補
1993年8月パレデス外相(外務省賓客)
1994年3月ドゥラン・バジェン大統領(公式実務訪問賓客)
1994年6月ロバリノ蔵相
1994年12月コレア蔵相
1995年5月レオロ外相(日・リオグループ・トロイカ外相会合)
1995年11月アルミホス通貨審議会議長
1998年12月ドゥラン大統領府官房長官
1999年3月アヤラ外相(外務省賓客)
2001年9月バスケス観光相(世界観光機関総会)
2002年3月ノボア大統領(非公式)
2002年6月モス貿易・工業化・漁業・競争力相
2008年8月バレンシア筆頭外務次官
2010年8月カラオラーノ電力・再生エネルギー相
グラス戦略部門調整相
2010年9月コレア大統領(実務訪問賓客),パティーニョ外務・貿易・統合相他
2010年10月アギニャーガ環境相(生物多様性条約COP10)
2011年9月モレノ副大統領
2012年4月エクアドル・日友好議員グループ(ダビラ会長他)
2013年10月タピア環境相(水銀条約会合)
2014年3月ポベダ戦略部門調整相,アルボノス電力・再生エネルギー相
2014年11月リバデネイラ貿易相
2016年9月イェペス外務副大臣
2017年11月オクレス危機管理庁長官
2017年12月カンパナ貿易相
2018年3月レオン通信情報社会相

6 二国間条約・取極

  • 1990年 青年海外協力隊派遣取極
  • 1992年 技術協力協定(1994年10月発効)
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