アジア

世界地図 アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ

第2回東アジア首脳会議(概要)

平成19年1月

 1月15日、フィリピン・セブ島において第2回東アジア首脳会議(EAS)が開催され、我が国より安倍総理が出席したところ、概要以下のとおり。

1.エネルギー安全保障に関するセッション

(1)アロヨ・フィリピン大統領(議長)による開会の挨拶に続き、安倍総理より、1)省エネの推進(今後5年間で1000名の研修生受け入れ、「アジア・省エネ協力センター」設置等)、2)バイオマスエネルギーの推進(今後5年間で500名の研修生受け入れ等)、3)石炭のクリーンな利用(「石炭液化支援センター」の建設等)、4)エネルギー貧困の解消(今後3年間で20億ドル規模のエネルギー関連ODAを実施等)、からなる協力イニシアティブを表明し、各国首脳より高い評価を受けた。

(2)省エネ目標・行動計画の設定、バイオ燃料の利用促進等を内容とする「東アジアのエネルギー安全保障に関するセブ宣言」が採択された。また、次回首脳会議までに閣僚級会合や作業部会等を開催し、同宣言に盛り込まれた協力措置をフォローアップしていくこととなった。

2.その他の事項に関するセッション

(1)エネルギー以外のEASにおける優先分野である教育(インドでのナーランダ大学再興構想等)、防災、鳥インフルエンザ、金融につき、各国の取り組みが紹介されたほか、今後の協力のあり方等について議論された。これ以外にも、多くの国が貧困削減に取り組む必要性を指摘した。

(2)安倍総理は、日本のエネルギー協力イニシアティブへの各国の強い支持に対し謝意を表明しつつ、EASを地域の重要課題について具体的成果をあげる場としていくため、今次会議の成果を閣僚・実務者にフォローアップさせることを提案した。また、日本の具体的な東アジア協力として、1)アジア・ゲートウェイ構想、2)青少年交流(今後5年間、毎年6000名程度の青少年を日本に招聘)、3)東アジア経済連携に関する民間研究の開始、4)鳥インフルエンザ対策、5)防災(300万ドル規模のプロジェクト支援、ASEANへの600万ドル相当の機材供与)、6)平和構築(アジア各国の人材育成構想)、7)普遍的価値の尊重、を表明した。

(3)また、安倍総理より、北朝鮮によるミサイル発射及び核実験は、国際社会及び地域の平和と安全に対する脅威であり、拉致を含め問題の早期解決を図るためにも、EAS参加国が北朝鮮に連携して圧力をかけるべきである旨訴えた。

(4)首脳会議後に発出された議長声明は、日本のエネルギー協力イニシアティブを歓迎し、EASの優先5分野における具体的協力の開始が盛り込まれたほか、北朝鮮に対し核及び拉致問題に取り組むよう求める等、日本の主張が全面的に反映される結果となった。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る