クロアチア共和国

基礎データ

令和2年9月10日
クロアチア共和国国旗

一般事情

1 面積

5万6,594平方キロメートル(九州の約1.5倍)

2 人口

406.8万人(2019年:クロアチア政府統計局)

3 首都

ザグレブ

4 言語

公用語はクロアチア語

5 宗教

カトリック、セルビア正教等

6 民族

クロアチア人(90.4%)、セルビア人(4.4%)等(2011年国勢調査)

7 国祭日

5月30日(建国記念日)

8 略史

年月 略史
7世紀頃 スラブ人が定住
10世紀前半 トミスラブ公がクロアチア王国建国
1527年 ハプスブルグ家の支配下に入る
1918年 セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国(後、ユーゴスラビア王国と改称)建国に参加
1941年 第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの傀儡国「クロアチア独立国」樹立宣言
1945年 社会主義ユーゴスラビア連邦の構成共和国の一つとして発足
1991年 ユーゴスラビアより独立宣言
1992年 国連加盟
2005年 EU加盟交渉開始
2009年 NATO加盟
2013年 EU加盟

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

ゾラン・ミラノビッチ大統領(2020年2月就任。任期5年)

3 議会

1院制(任期4年。定員151)(2001年3月上院廃止)
議席配分(2020年8月19日現在)
政党名 議席数
(1)クロアチア民主同盟 62
(2)社会民主党 34
(3)ミロスラブ・シュコロ祖国運動 11
(4)MOST(独立候補者リスト) 7
(5)我々ならできる! 4
(6)イストラ民主会議 3
(7)クロアチア社会自由党 2
(8)農民党 2
(9)クロアチア保守党 2
(10)諸派 13
(11)少数民族代表 8
(12)無所属議員(HSU) 3

4 政府

クロアチア民主同盟(HDZ)を主軸とする連立政権
(1)首相 アンドレイ・プレンコビッチ(2016年10月就任、HDZ)
(2)外務・欧州問題相 ゴルダン・グルリッチ=ラドマン(2019年7月就任、HDZ)

5 内政

  • (1)1991年から95年にかけて、旧ユーゴスラビアからの独立を巡り武力紛争が展開された。一部旧紛争地域では、紛争時に埋設された地雷が残るものの、現在の治安は概ね安定している。
  • (2)旧クロアチア共産主義者同盟の社会民主党(SDP:中道左派)と1990年代を通じ政権与党であったクロアチア民主同盟(HDZ:中道右派)が二大政党。独立以来、4度の政権交代が行われた。
  • (3)2011年12月の議会選挙では、SDP、人民党(HNS)、イストラ民主会議(IDS)、年金者党(HSU)の四党から成る中道左派の野党連合が勝利を収め、当初トゥジマン初代首相が率いたHDZ政権に替わり、ミラノビッチSDP党首を首相とする政権を発足させた。
  • (4)ミラノビッチ政権は、経済状況の不振が続く中(2009年、2010年はマイナス成長、2011年はゼロ成長となるも、2012年、2013年は再びマイナス成長)、外国投資の誘致等経済回復に尽力したが、主要輸出先の欧州経済の不振、国内投資環境の整備不足もあり、経済を上向かせることに成功しなかった。
  • (5)2015年1月、任期満了に伴う大統領選挙の決選投票が行われ、ミラノビッチ政権の経済運営に対する批判票を集めた野党HDZのグラバル=キタロビッチ候補(元外務・欧州統合相)が現職大統領のヨシポビッチ候補(SDP出身)を破って当選。同2月、グラバル=キタロビッチ大統領が第4代大統領に就任した。
  • (6)2015年11月に実施された議会選挙を受けて、2016年1月、非党人で経済界出身のオレシュコビッチ氏を首相とする政権が発足したが、政権与党内の混乱により不信任案が可決され、解散総選挙の実施が決定。2016年9月に行われた総選挙の結果、HDZとMOSTの間で連立に合意し、10月、プレンコビッチHDZ党首を首相とする政権が発足した。
  • (7)2017年4月、クロアチア最大の民間グループであるアグロコル・グループの経営悪化を巡り連立与党間で対立が生じ、プレンコビッチ首相はMOST所属閣僚3名を更迭し、MOSTが連立政権を離脱した。これを受け、与党HDZは、人民党(HNS)と新たに連立合意を結び、同年6月、内閣改造を実施した。ペイチノビッチ=ブリッチ外務・欧州問題相の欧州評議会事務局長への選出並びに行政相及び国家資産相の辞任を受け、2019年7月に7名の閣僚の交代を行う内閣改造が行われた。
  • (8)2020年1月に決選投票が行われた大統領選挙で、野党SDP候補のミラノビッチ元首相が現職で与党HDZが推すグラバル=キタロビッチ候補に約10万票の得票差で勝利。2月18日にミラノビッチ新大統領の就任式が行われ、翌日より任期を開始。
  • (9)新型コロナウイルスの蔓延を受け前倒しで行われた2020年7月の議会選挙で与党HDZが勝利。HDZは、少数民族代表議員や中道政党等の協力を得て、議会過半数に必要な76名の議員を確保し、第2次プレンコビッチ内閣を発足。新政府は、省庁再編により省の数を20から16に削減。プレンコビッチ首相は、連立しているセルビア系政党から副首相を任命するなど、民族和解の方向性を出そうとしている。
  • (10) 1991年~1995年の民族紛争の結果、国内の民族構成が大きく変化した(クロアチア人:75%から90%、セルビア人:12%から4.4%)。2000年以降、国際社会の後押しもあって、セルビア人等の難民帰還が進んでおり、紛争中にクロアチアから流出したセルビア系住民約30万人中、およそ半数が帰還している。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)1990年代の紛争にもかかわらず、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ等近隣諸国との関係は概ね良好。V4(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)との協力や3海(バルト海、アドリア海、黒海)イニシアティブを通じた取り組みなど、エネルギー安全保障や域内協力等との観点からも中・東欧諸国との連携を強化。
  • (2)2009年4月、NATO加盟を実現した。また、外交上の最大の目標だったEU加盟は、加盟交渉が2005年10月に開始され、2011年6月に終了。同年12月にはEU加盟条約に署名し、2012年1月に行われたEU加盟の是非を問う国民投票が実施され賛成多数で承認された。これにより、クロアチアは2013年7月にEU加盟を果たした。2020年1月からEU議長国(半年間の任期)。シェンゲン圏、ユーロ圏及びOECD加盟を目標としている。
  • (3)EU加盟後のクロアチア外交にとり、西バルカン諸国へのEU拡大による地域安定化の促進、平和維持活動への人員派遣や人道・社会・保健等の分野における国際協力への貢献及び経済回復に向けた経済外交が重要課題となっている。こうした方針に基づき、クロアチアは2008-2009年に国連安保理非常任理事国を務めたほか、アフガニスタン、西サハラ等6つのミッションに約100名の兵士を派遣。2020年前半のEU議長国期間中には、新型コロナウイルスが欧州で猛威をふるう中ながらも、同年5月にEU・西バルカン諸国首脳会議(ザグレブ・サミット)をビデオ会議形式で実施し、西バルカン諸国のEU加盟に対する支援を再確認するザグレブ宣言が採択された。

2 軍事力

  • (1)国防予算:50.8億クーナ(約8.12億ドル)
  • (2)兵力:陸軍10,750人、海軍1,300人、空軍1,300人、 統幕 1,850人(志願制)

(2019年:ミリタリーバランス)

経済

1 主要経済指標

  2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
GDP(10億米ドル) 58.1 57.6 49.5 51.6 55.3 61.0 60.4
GDP/人(米ドル) 13,642 13,600 11,783 12,360 13,412 14,920 14,853
経済成長率(%) -0.5 -0.1 2.4 3.5 3.1 2.7 2.9
インフレ率(年平均値:%) 2.2 -0.2 -0.5 -1.1 1.1 1.5 0.8
失業率(ILO基準:%) 17.3 17.3 16.2 13.1 11.2 8.4 6.9

(出典:世銀統計)

2 主要貿易品目

(1)輸出:
機械類及び輸送用機器、原料別製品、化学製品、食料品等
(2)輸入:
機械類及び輸送用機器、原料別製品、化学製品、鉱物性燃料等

3 主な貿易相手国

(1)輸出:
イタリア、ドイツ、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、オーストリア、セルビア
(2)輸入:
ドイツ、イタリア、スロベニア、ハンガリー、オーストリア、オランダ

4 通貨

クーナ(HRK)

5 経済概況

  • (1)2000年以降、経済は好調に推移してきたが、2008年に発生した世界経済危機の影響により2009年以降マイナス成長となった。その後、2015年から2019年までプラス成長が続いたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行等により、2020年は10.8%減と大幅に減少した後、2021年は7.5%まで回復する見通しとなっている(欧州委員会「2020年夏の中間経済見通し」)。
  • (2)クロアチアの主要産業は、観光業、製造業、不動産業などであり、対外貿易における大幅な貿易赤字を観光業からの外貨収入が穴埋めするという経済構造となっている。2019年の観光収入は、前年比4.4%増の105.4億ユーロ(GDP総額の19.5%)であった。
  • (3)エネルギー、鉱物資源については、天然ガスの約5割、原油の約2割を自給するが、その他の鉱物資源には乏しい。電力は6割前後を自給し(火力及び水力発電)、残りを輸入。隣国スロベニアにあるクルシュコ原子力発電所をスロベニアとの間で共同所有。なお、最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギー(水力を含む)の割合は28%であり、年々拡大している。
  • (4)外国からの直接投資は、2008年に発生した世界経済危機の影響により、2010~13年は年総額10億ユーロ前後と停滞気味であったが、EU加盟の効果により、2014年は前年の約3倍の23億ユーロに増加した。その後、投資環境の整備が進まないことなどから近年は伸び悩んでいたが、2019年は約12億ユーロまで回復している。
  • (5)ユーロ導入のために、物価安定性・健全な財政・為替安定・長期金利の安定性といった経済収斂基準などを満たす取り組みを進めている。2020年7月、ユーロ導入の前提条件である欧州為替相場メカニズム(ERMII)への参加が承認された。

経済協力

1 日本の援助実績

(1)有償資金協力
なし
(2)無償資金協力
9.50億円(2011年度までの実績)
(3)技術協力
9.78億円(2011年度までの実績)

二国間関係

1 政治関係

 日本は1992年3月17日にクロアチアを国家承認し、1993年3月5日に外交関係を開設した。駐日クロアチア大使館は、1993年に開設。在クロアチア大使館は1998年2月に開設。以来、閣僚を含めた要人の相互訪問が行われ、2020年7月には茂木外相とグルリッチ=ラドマン外務・欧州問題相の間で外相電話会談が行われた。

 二国間関係は順調に発展。近年はクロアチアを訪れる日本人観光客が急増しており、クロアチア政府の統計によれば、2003年には約1万6千人であった旅行者数が、2009年から2019年まではのべ15万人前後で推移。

2 経済関係

(1)日本の対クロアチア貿易(2019年日本国財務省貿易統計)
  対クロアチア輸出 対クロアチア輸入 収支
2011年 32億円 78億円 -46億円
2012年 25億円 73億円 -48億円
2013年 31億円 61億円 -30億円
2014年 37億円 73億円 -36億円
2015年 41億円 78億円 -37億円
2016年 42億円 63億円 -21億円
2017年 46億円 85億円 -39億円
2018年 50億円 125億円 -75億円
2019年 57億円 116億円 -59億円
(2)主要貿易品目
輸出:自動車、一般機械、鉄鋼等
輸入:クロマグロ(輸入総額の5割)、化学製品、衣類等

3 文化関係

(1)文化無償協力
 ザグレブ・フィルへの楽器・音響機材供与(1997年度) 4,450万円
 クロアチア国営ラジオ・テレビへの番組供与(1998年度) 2,390万円
 クロアチア国民劇場への音響・映像機材供与(1999年度) 4,870万円
 ドゥブロブニク市への楽器・照明器具供与(2000年度) 4,540万円
 リエカ・クロアチア国民劇場への音響・映像機材(2001年度) 4,670万円
 国立・大学図書館への音響・映像機材供与(2002年度) 3,280万円
 ザグレブ大学への日本語学習機材供与(2004年度) 1,730万円
(2)姉妹都市関係(京都市とザグレブ市、川崎市(神奈川県)とリエカ市、碧南市(愛知県)とプーラ市)

4 在留邦人数

153名(2020年8月現在)

5 在日クロアチア人数

152名(2018年12月現在)

6 要人往来

(1)往
年月 要人名
1995年4~5月 河野外務大臣
1999年7月 谷垣大蔵政務次官
2000年2月 有馬政府代表
2002年10月 清子内親王殿下
2003年8月 池坊文部科学大臣政務官
2004年9月 日・クロアチア友好議員連盟代表(南野智恵子参議院議員(会長))
2005年5月 棚橋科学技術担当大臣
2005年7月 福島外務大臣政務官
2007年7月 松島外務大臣政務官
2008年7月 山東参議院副議長
2010年5月 古本財務大臣政務官(EBRD総会出席)
2013年1月 城内外務大臣政務官
2013年6月 秋篠宮同妃両殿下
2013年12月 岸外務副大臣
2014年7月 牧野外務大臣政務官
2014年7月 谷垣法務大臣
2015年7月 薗浦外務大臣政務官
2017年7月 岸外務副大臣
2018年6月 薗浦内閣総理大臣補佐官
2018年10月 山田外務大臣政務官
2019年8月 河野外務大臣
(2)来
年月 要人名
1992年3月 シェパロビッチ外相
1993年11月 マテシャ経済担当無任所相
1995年8月 イバニシェビッチ議会地域院議長
1996年12月 グラニッチ副首相兼外相
1997年4月 パブレティッチ議会代議院議長
1999年11-12月 シュケグロ蔵相
2000年5月 クレレッツ外務副大臣
2000年6月 リニッチ副首相、ツルクベナツ蔵相
2001年1月 フィジュリッチ経済相
2001年11月 ジュパン=ルスコビッチ観光相
2002年6月 ツルクベナツ蔵相
2002年11月 ピツラ外相
2002年11-2月 チャチッチ公共事業・復興・建設相
2003年3月 コバチェビッチ環境保護・都市計画相
2003年6月 ツルクベナツ蔵相
2003年10月 ジュパン=ルスコビッチ観光相
2004年4月 ブーケリッチ経済相、バビッチ首相府開発戦略担当相
2005年4月 コソル副首相兼家族問題・退役軍人・世代間連帯相、グラバル=キタロビッチ外務・欧州統合相、シューケル財務相、ビシュクピッチ文化相(愛・地球博出席)
2005年10月 クロアチア・日本友好議員連盟代表(タディッチ友好議連会長他)
2006年9月 プリモラツ科学・教育・スポーツ相
2008年3月 メシッチ大統領(公式実務訪問賓客)
2010年4月 ベビッチ議会議長(参議院議長招聘)
2010年9月 ヤンドロコビッチ外務・欧州統合相(外務省賓客)
2012年7月 ミミツァ副首相(アフガニスタン支援東京会合出席)
2012年10月 リニッチ財務相(IMF・世銀総会出席)
2013年4月 クリソビッチ外務・欧州問題省次官
2014年3月 ブルドリャク経済相
2014年11月 ロレンツィン観光相
2014年11月 マラス中小企業相
2015年6月 ミラノビッチ首相(実務訪問賓客)
2017年10月 コステリッチ・スポーツ庁長官
2019年3月 ペイチノビッチ=ブリッチ副首相兼外務・欧州問題相
2019年6月 ヤンドロコビッチ議会議長(衆議院議長招請)
2019年7月 クレシッチ会計検査院長
2019年10月 ライネル議会副議長(即位礼正殿の儀参列)

7 二国間条約・取極

  • (1)通商航海条約、文化協力協定、科学技術協定(旧ユーゴより承継)、租税協定
  • (2)債務繰延取極

8 外交使節

  • (1)駐クロアチア日本国大使 嘉治 美佐子 特命全権大使
  • (2)駐日クロアチア大使 ドラジェン・フラスティッチ 特命全権大使
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