クロアチア共和国

クロアチア共和国(Republic of Croatia)

基礎データ

平成30年10月24日

  • クロアチア共和国国旗

一般事情

1 面積

5万6,594平方キロメートル(九州の約1.5倍)

2 人口

428.5万人(2012年:クロアチア政府統計局)

3 首都

ザグレブ

4 言語

公用語はクロアチア語

5 宗教

カトリック,セルビア正教等

6 民族

クロアチア人(90.4%),セルビア人(4.4%)等(2011年国勢調査)

7 国祭日

6月25日(建国記念日)

8 略史

年月 略史
7世紀頃 スラブ人が定住
10世紀前半 トミスラブ公がクロアチア王国建国
1527年 ハプスブルグ家の支配下に入る
1918年 セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国(後,ユーゴスラビア王国と改称)建国に参加
1941年 第二次世界大戦中,ナチス・ドイツの傀儡国「クロアチア独立国」樹立宣言
1945年 社会主義ユーゴスラビア連邦の構成共和国の一つとして発足
1991年 ユーゴスラビアより独立宣言
1992年 国連加盟
2005年 EU加盟交渉開始
2009年 NATO加盟
2013年 EU加盟

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

コリンダ・グラバル=キタロビッチ大統領(2015年2月就任。任期5年)

3 議会

1院制(任期4年。定員151)(2001年3月上院廃止)
議席配分(2016年9月選挙実施)
政党名 議席数
(1)クロアチア民主同盟 55
(2)社会民主党 36
(3)MOST(独立候補者リスト) 13
(4)人民党 5
(5)農民党 5
(6)イストラ民主会議 3
(7)人間の壁 3
(8)諸派 23
(9)少数民族政党 8

4 政府

クロアチア民主同盟(HDZ)を主軸とする連立政権
(1)首相 アンドレイ・プレンコビッチ(2016年10月就任,HDZ)
(2)外務・欧州問題相 マリヤ・ペイチノビッチ・ブリッチ(2017年6月就任,HDZ)

5 内政

  • (1)1991年から95年にかけて,旧ユーゴスラビアからの独立を巡り紛争を経験。一部旧紛争地域では,紛争時に埋設された地雷が残るものの,現在の治安は概ね安定している。
  • (2)旧クロアチア共産主義者同盟の社会民主党(SDP:中道左派)と1990年代を通じ政権与党であったクロアチア民主同盟(HDZ:中道右派)が二大政党。独立以来,4度の政権交代を経験している。
  • (3)2011年12月の議会選挙では,SDP,人民党(HNS),イストラ民主会議(IDS),年金者党(HSU)の四党から成る中道左派の野党連合が勝利を収め,ミラノビッチSDP党首を首相とする政権を発足させた。
  • (4)ミラノビッチ政権は,経済状況の不振が続く中(2009年,2010年はマイナス成長,2011年はゼロ成長となるも,2012年,2013年は再びマイナス成長),外国投資の誘致等経済回復に尽力したが,主要輸出先の欧州経済の不振,国内投資環境の整備不足もあり,経済を上向かせることに成功しなかった。
  • (5)2015年1月,任期満了に伴う大統領選挙の決選投票が行われ,ミラノビッチ政権の経済運営に対する批判票を集めた野党HDZのグラバル=キタロビッチ候補(元外務・欧州統合相)が現職大統領のヨシポビッチ候補(SDP出身)を破って当選。同2月,グラバル=キタロビッチ大統領が第4代大統領に就任した。
  • (6)2015年11月に実施された議会選挙を受けて,2016年1月,非党人で経済界出身のオレシュコビッチ氏を首相とする政権が発足したが,政権与党内の混乱により不信任案が可決され,解散総選挙の実施が決定。2016年9月に行われた総選挙の結果,HDZとMOSTの間で連立に合意し,10月,プレンコビッチHDZ党首を首相とする政権が発足した。
  • (7)2017年4月,クロアチア最大の民間グループであるアグロコル・グループの経営悪化を巡り連立与党間で対立が生じ,プレンコビッチ首相はMOST所属閣僚3名を更迭し,MOSTが連立政権を離脱した。これを受け,与党HDZは,人民党(HNS)と新たに連立合意を結び,同年6月,内閣改造を実施した。
  • (8)1991年~1995年の民族紛争の結果,国内の民族構成が大きく変化した(クロアチア人 75%→90%,セルビア人 12%→4.4%)。2000年以降,国際社会の後押しもあって,セルビア人等の難民帰還が進んでおり,紛争中にクロアチアから流出したセルビア系住民約30万人中,およそ半数が帰還している。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)1990年代の紛争にもかかわらず,セルビア,ボスニア・ヘルツェゴビナ等近隣諸国との関係は概ね良好。
  • (2)2009年4月,NATO加盟を実現した。また,外交上の最大の目標だったEU加盟は,加盟交渉が2005年10月に開始され,2011年6月に終了。同年12月にはEU加盟条約に署名し,2012年1月に行われたEU加盟の是非を問う国民投票が実施され賛成多数で承認された。これにより,クロアチアは2013年7月にEU加盟を果たした。
  • (3)EU加盟後のクロアチア外交にとり,西バルカン諸国へのEU拡大による地域安定化の促進,平和維持活動への人員派遣や人道・社会・保健等の分野における国際協力への貢献及び経済回復に向けた経済外交が重要課題となっている。こうした方針に基づき,クロアチアは2008-2009年に国連安保理非常任理事国を務めたほか,アフガニスタン,西サハラ等6つのミッションに約100名の兵士を派遣。

2 軍事力

  • (1)国防予算:10億ドル
  • (2)兵力:陸軍11,390人,海軍1,850人,空軍3,500人(志願制)

(2012年:ミリタリーバランス)

経済

1 主要経済指標

  2011 2012 2013 2014 2015 2016
GDP(10億ユーロ) 44.7 43.9 43.5 43.0 43.8 45.5
GDP/人(ユーロ) 10,453 10,300 10.225 10,147 10,435 10,929
経済成長率(%) 0.0 -2.0 -0.9 -0.4 1.6 2.9
インフレ率(年平均値:%) 2.3 3.4 2.3 0.2 -0.5 -1.1
失業率(ILO基準:%) 13.5 15.8 17.3 17.3 16.3 13.1

(出典:世銀統計,クロアチア政府統計局)

2 主要貿易品目

(1)輸出:
輸送機械(船舶),化学製品,繊維
(2)輸入:
石油製品,食品,繊維

3 主な貿易相手国

(1)輸出:
イタリア,ボスニア・ヘルツェゴビナ,ドイツ,スロベニア,オーストリア
(2)輸入:
イタリア,ドイツ,スロベニア,オーストリア,ロシア,フランス

4 通貨

クーナ(HRK)

5 経済概況

  • (1)クロアチアの主要産業は,観光業,造船業,石油化学工業,食品加工業等であるが,製造業は食品加工業以外の分野では全般的に不振であり,対外貿易における大幅な輸入超過,貿易赤字を観光業からの外貨収入(GDPの15~20%)が穴埋めする,という経済構造である。2008年の世界経済危機発生以前は,活発な消費と観光業の好調さゆえに経済は上向きであったが,2009年以降2014年まで経済のマイナスないしゼロ成長が続き,2008年から2014年までの間に,GDP総額(実質)は10%以上減少した。2015年,経済は漸く停滞を脱し,プラス成長に転じた。
  • (2)主要な外貨獲得源となっている観光業は,紛争前の水準を回復しており,2014年の観光収入は,前年比2.0億ユーロ増の74.0億ユーロ(GDP総額の17.2%)であった。
  • (3)エネルギー,鉱物資源については,天然ガスの60~70%,原油の20~25%を自給するが,その他の鉱物資源には乏しい。電力は70%前後を自給し(火力及び水力発電),残りを輸入。隣国スロベニアにあるクルシュコ原子力発電所をスロベニアとの間で共同所有。なお,再生可能エネルギーの導入は全発電量の1%以下と進んでいない。
  • (4)外国からの直接投資は,他の中・東欧諸国より割高な賃金の他,不完全な民営化,複雑な行政手続き,労働市場の硬直性により,2010~13年は年総額10億ユーロ前後と停滞気味であったが,EU加盟の効果と投資環境の改善により,2014年は総額28.7億ユーロに増加した。
  • (5)2013年7月のEU加盟により,クロアチアはEU諸国との貿易が自由化されたものの,同時にEU未加盟の諸国による中欧自由貿易協定(CEFTA)から離脱。EU諸国との貿易の増加分が,EU未加盟の南東欧諸国との貿易の減少分で相殺されるような状況となっている。

経済協力

1 日本の援助実績

(1)有償資金協力
なし
(2)無償資金協力
9.50億円(2011年度までの実績)
(3)技術協力
9.78億円(2011年度までの実績)

二国間関係

1 政治関係

 日本は1992年3月17日にクロアチアを国家承認し,1993年3月5日に外交関係を開設した。駐日クロアチア大使館は,1993年に開設。在クロアチア大使館は1998年2月に開設。

 二国間関係は順調に発展。近年はクロアチアを訪れる日本人観光客が急増しており,クロアチア政府の統計によれば,2003年には約1万6千人であった旅行者数が,2009年以降のべ15万人前後で推移。

2 経済関係

(1)日本の対クロアチア貿易(2016年日本国財務省貿易統計)
  対クロアチア輸出 対クロアチア輸入 収支
2010年 33億円 49億円 -16億円
2011年 32億円 78億円 -46億円
2012年 25億円 73億円 -48億円
2013年 31億円 61億円 -30億円
2014年 37億円 73億円 -36億円
2015年 41億円 78億円 -37億円
2016年 42億円 63億円 -21億円
(2)主要貿易品目
輸出:自動車,一般機械,化学製品等
輸入:クロマグロ(輸入総額の7割以上),衣類,一般機械等

3 文化関係

(1)文化無償協力
 ザグレブ・フィルへの楽器・音響機材供与(1997年度) 4,450万円
 クロアチア国営ラジオ・テレビへの番組供与(1998年度) 2,390万円
 クロアチア国民劇場への音響・映像機材供与(1999年度) 4,870万円
 ドゥブロブニク市への楽器・照明器具供与(2000年度) 4,540万円
 リエカ・クロアチア国民劇場への音響・映像機材(2001年度) 4,670万円
 国立・大学図書館への音響・映像機材供与(2002年度) 3,280万円
 ザグレブ大学への日本語学習機材供与(2004年度) 1,730万円
(2)姉妹都市関係(京都市とザグレブ市,川崎市(神奈川県)とリエカ市,碧南市(愛知県)とプーラ市)

4 在留邦人数

177名(2017年10月現在)

5 在日クロアチア人数

159名(2017年6月現在)

6 要人往来

(1)往
年月 要人名
1995年4-5月 河野外務大臣
1999年7月 谷垣大蔵政務次官
2000年2月 有馬政府代表
2002年10月 清子内親王殿下
2003年8月 池坊文部科学大臣政務官
2004年9月 日・クロアチア友好議員連盟代表(南野智恵子参議院議員(会長))
2005年5月 棚橋科学技術担当大臣
2005年7月 福島外務大臣政務官
2007年7月 松島外務大臣政務官
2008年7月 山東参議院副議長
2010年5月 古本財務大臣政務官(EBRD総会出席)
2013年1月 城内外務大臣政務官
2013年6月 秋篠宮同妃両殿下
2013年12月 岸外務副大臣
2014年7月 牧野外務大臣政務官
2014年7月 谷垣法務大臣
2015年7月 薗浦外務大臣政務官
2017年7月 岸外務副大臣
2018年6月 薗浦内閣総理大臣補佐官
2018年10月 山田外務大臣政務官
(2)来
年月 要人名
1992年3月 シェパロビッチ外相
1993年11月 マテシャ経済担当無任所相
1995年8月 イバニシェビッチ議会地域院議長
1996年12月 グラニッチ副首相兼外相
1997年4月 パブレティッチ議会代議院議長
1999年11-12月 シュケグロ蔵相
2000年5月 クレレッツ外務副大臣
2000年6月 リニッチ副首相,ツルクベナツ蔵相
2001年1月 フィジュリッチ経済相
2001年11月 ジュパン=ルスコビッチ観光相
2002年6月 ツルクベナツ蔵相
2002年11月 ピツラ外相
2002年11-2月 チャチッチ公共事業・復興・建設相
2003年3月 コバチェビッチ環境保護・都市計画相
2003年6月 ツルクベナツ蔵相
2003年10月 ジュパン=ルスコビッチ観光相
2004年4月 ブーケリッチ経済相,バビッチ首相府開発戦略担当相
2005年4月 コソル副首相兼家族問題・退役軍人・世代間連帯相,グラバル=キタロビッチ外務・欧州統合相,シューケル財務相,ビシュクピッチ文化相(愛・地球博出席)
2005年10月 クロアチア・日本友好議員連盟代表(タディッチ友好議連会長他)
2006年9月 プリモラツ科学・教育・スポーツ相
2008年3月 メシッチ大統領(公式実務訪問賓客)
2010年4月 ベビッチ議会議長(参議院議長招聘)
2010年9月 ヤンドロコビッチ外務・欧州統合相(外務省賓客)
2012年7月 ミミツァ副首相(アフガニスタン支援東京会合出席)
2012年10月 リニッチ財務相(IMF・世銀総会出席)
2013年4月 クリソビッチ外務・欧州問題省次官
2014年3月 ブルドリャク経済相
2014年11月 ロレンツィン観光相
2014年11月 マラス中小企業相
2015年6月 ミラノビッチ首相(実務訪問賓客)

7 二国間条約・取極

  • (1)通商航海条約,文化協力協定,科学技術協定(旧ユーゴより承継)
  • (2)債務繰延取極

8 外交使節

  • (1)駐クロアチア日本国大使 瀧口 敬二 特命全権大使
  • (2)駐日クロアチア大使 ドラジェン・フラスティッチ 特命全権大使
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