コスタリカ共和国
コスタリカ共和国(Republic of Costa Rica)
基礎データ
令和5年1月19日


一般事情
1 面積
51,100平方キロメートル(九州と四国を合わせた面積)
2 人口
約515万人(2021年 世界銀行)
3 首都
サンホセ(標高1,200メートル)
4 民族
ヨーロッパ系及び先住民との混血が多数、中南米系(ニカラグア系、コロンビア系、ベネズエラ系)、ジャマイカ系、先住民系、ユダヤ系、中国系
5 言語
スペイン語
6 宗教
カトリック教(国教、但し信教の自由あり)
7 略史
年月 | 略史 |
---|---|
1502年 | コロンブスにより「発見」 |
1821年 | グアテマラ総督府(中米)、スペインより独立 |
1823年 | 中米諸州連合結成 |
1848年 | 中米諸州連合より分離独立 |
1949年 | 現行憲法制定(軍隊の保有を禁止) |
1987年 | アリアス大統領ノーベル平和賞受賞 |
1990年 | カルデロン大統領就任 |
1994年 | フィゲーレス大統領就任 |
1998年 | ロドリゲス大統領就任 |
2002年 | パチェコ大統領就任 |
2006年5月 | アリアス大統領就任 |
2010年5月 | チンチージャ大統領就任 |
2014年5月 | ソリス大統領就任 |
2018年5月 | アルバラード大統領就任 |
2022年5月 | チャベス大統領就任 |
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
- ロドリゴ・チャベス・ロブレス大統領
- (2022年5月から2026年5月、任期4年、8年以上の間隔を置けば再選可能)
3 議会
一院制(57名)(任期4年、連続再選禁止)
4 政府
- (1)首相名 首相職無し
- (2)外相名 アルノルド・アンドレ・ティノコ
5 内政
- (1)1821年にグアテマラがスペインから独立したことに伴い、グアテマラ総督領の一部であったコスタリカも同時に独立した。その後、他の中米諸国と共にメキシコ帝国に併合されるが、1823年に中米連邦共和国が成立し、その後1848年に独立した。
- (2)独立後、コスタリカではコーヒー・ブームに乗って多額の富を得た少数の富裕層による恐怖政治が続いたが、1920年に入ると複数の政党が結成された。1948年の大統領選挙に端を発して起こった内戦後の1949年には、高度に民主主義な性格を持つ現憲法が制定された。
- (3)その後、国民解放党(PLN)及びキリスト教社会統一党(PUSC)が交代で政権を担う二大政党制の時代が長く続いた。しかしながら、二大政党の政治家が関与する汚職事件が続いたこともあり、国民の伝統政党に対する信頼が大きく揺らいだ結果として、2014年から中道左派の新興政党、市民行動党(PAC)が政権を担っている。また、二大政党制から多党化傾向が顕著となっている。
- (4)コスタリカは、1949年から現在まで、選挙により政権交代が行われており、中南米で安定した民主主義体制を持つ国の一つである。高い教育水準(識字率98%(2018年UNESCO))、常備軍の不保持、社会福祉制度が民主主義体制を支えている。
外交・国防
1 外交基本方針
- (1)伝統的に平和善隣政策。国連・米州機構(OAS)を中心に外交を展開。
- (2)2007年6月、台湾との外交関係を断絶し、中国との外交関係を開設。
2 軍事力
- (1)治安予算:約389百万ドル(2017年)
- (2)兵役:なし
- (3)兵力:1949年憲法により常備軍を禁止。
(ミリタリーバランス2018)
経済
1 主要産業
農業(バナナ、パイナップル、コーヒー等)、製造業(医療器具)、観光業
2 GDP(名目)
64,280.0百万ドル(2021年 世界銀行)
3 一人当たりGDP
12,472.4ドル(2021年 世界銀行)
4 経済成長率
4.3%(2022年 中銀)
5 物価上昇率
1.7%(2021年 世界銀行)
6 失業率
18.0%(2021年 世界銀行)
7 貿易総額
- (1)輸出(FOB) 15,529.33百万ドル
- (2)輸入(CIF) 23,450.1百万ドル
(2021年 貿易振興機構(Procomer))
8 主要貿易品目
- (1)輸出 医療機器、バナナ、精密医療器材、パイナップル等
- (2)輸入 医薬品、衣類、石油製品、自動車、軽油等
(2020年 貿易振興機構(Procomer))
9 主要貿易相手国
- (1)輸出 米国、オランダ、グアテマラ、ベルギー、パナマ
- (2)輸入 米国、中国、メキシコ、グアテマラ、ドイツ、マレーシア、日本
(2020年 コスタリカ統計・国勢調査局(INEC))
10 通貨
コロン(¢)
11 為替レート
1米ドル=614¢(2020年12月)
12 外貨準備
8,619.9百万ドル(2023年1月 中銀)
13 対外債務残高
34,151.4百万ドル(2022年9月 中銀)
14 経済概況
- (1)コスタリカは2020年新型コロナウイルス流行の影響により経済成長率がマイナスに転じたが、同国との貿易の約40%を占める米国を始めとした先進各国の外需回復などにより同流行から1年を待たずにフリーゾーンの経済活動は回復し、その他製造業、建築業等もゆっくりとではあるが回復基調にある。しかしながら、GDPの約8%を占める観光業(レストラン、ホテル、公共交通機関)に関しては遅々として回復が進んでいない。他方、中央政府の累積債務は対GDP比70%弱にも及んでおり、2021年にはIMF借款17億7,800万米ドル合意を決めたことで高利貸付けの削減が進んだが、更なる財政改革が課題となっている。
- (2)コスタリカは、伝統的にコーヒーやバナナといった農業を中心とした経済であったが、1998年に米国インテル社がマイクロチップ製造工場への投資を行って以降、外国企業の進出が相次ぎ、フリーゾーンでの活動を中心に経済成長に寄与してきた。近年は、ソフトウェア開発やコールセンターなど、サービス業の成長が著しく、外貨獲得の重要な手段となっている。また、近年は義肢やカテーテルなどの医療器具の開発や生産、生命科学産業の成長が著しく、農産品についても、パイナップルやメロン等の輸出品目の多様化を図っている。
- (3)自由貿易協定がメキシコ、旧中米共同市場加盟国(グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア)、ドミニカ共和国、チリ、カナダ、カリブ共同体、パナマ、米国(2009年に中米・ドミニカ共和国・米国自由貿易協定(DR-CAFTA)が発効)、中国、ペルー、シンガポール、コロンビア、欧州自由貿易連合との間で発効。また、2013年に中米・EU連携協定が発効。2016年に韓国・中米FTAに大筋合意し、2019年に発効。2013年より、太平洋同盟にオブザーバー参加。2020年5月、OECDに加盟。
経済協力
1 日本の援助実績
- (1)円借款協力(2021年度まで、借款契約ベース) 1,022億円
- (2)無償資金協力(2021年度まで、交換公文ベース) 67.09億円
- (3)技術協力(2021年度まで、経費実績ベース) 241.35億円
2 主要援助国
- (1)日本(35.16)
- (2)米国(11.15)
- (3)ドイツ(10.57)
- (4)フランス(4.23)
- (5)韓国(2.71)
(2019年、支出総額、単位:百万ドル)(OECD/DAC)
二国間関係
1 政治関係
- 1935年2月 外交関係樹立。
- 1941年12月 外交関係中断。
- 1952年8月 外交関係再開。
2 経済関係
- (1)貿易額(2021年、財務省貿易統計)
- 日本への輸出 482億円
- 日本からの輸入 338億円
- (2)主要品目(2020年、財務省貿易統計)
- 日本への輸出 精密機器類(医療用機器含む)、電気機器、コーヒー等
- 日本からの輸入 機械類及び輸送機器、自動車、鉄鋼等
3 文化関係
- 一般文化無償資金協力累計(2021年度まで) 22件 9.971億円
- 草の根文化無償累計(2021年度まで) 7件 6,827万円
4 在留邦人数
351人(2021年10月現在)
5 在日コスタリカ人数
206人(2020年12月現在)
6 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
1990年 | 森喜朗衆議院議員(大統領就任式特派大使) 中山正暉衆議院議員、猪木寛至参議院議員 |
1991年 | 宮沢弘参議院議員、杉浦正健衆議院議員 渡海紀三郎衆議院議員、二階俊博衆議院議員 矢田部理参議院議員 |
1994年 | 愛知和男衆議院議員(大統領就任式特派大使) |
1996年 | 橋本龍太郎総理大臣(第1回日本・中米首脳会談) |
1998年 | 相沢英之衆議院議員(大統領就任式特派大使) 高円宮同妃両殿下 |
1999年 | 真鍋賢二環境庁長官、渡部恒三衆議院副議長 |
2000年 | 自見庄三郎衆議院議員、鈴木宗男衆議院議員、堀込政雄衆議院議員、北橋健治衆議院議員 |
2002年 | 中川昭一衆議院議員(大統領就任式特派大使) 松あきら経済産業大臣政務官 |
2003年 | 市川一朗議員、本田良一議員、小泉親司議員、大脇雅子議員(参議院議員憲法調査会) |
2004年 | 泉信也経済産業副大臣 土井たか子衆議院議員 東門美津子衆議院議員 大田昌秀参議院議員 |
2005年 | 有馬龍夫政府代表(日・中米交流年記念行事) |
2006年 | 大野功統衆議院議員(大統領就任式特派大使) 山際大志郎衆議院議員 |
2007年 | 西村康稔衆議院議員 横路孝弘衆議院副議長、泉健太衆議院議員 |
2009年 | 伊藤信太郎外務副大臣 |
2010年 | 武正公一外務副大臣(大統領就任式特派大使) |
2011年 | 秋篠宮同妃両殿下 |
2012年 | 牧野聖修経済産業副大臣 |
2014年 | 石原宏高外務大臣政務官(大統領就任式特派大使) 梶山弘志議員、望月義夫議員、西村明宏議員、若井康彦議員、井上英孝議員、伊藤渉議員、杉本かずみ議員(衆議院国土交通事情等調査議員団) 中西祐介議員、高橋克法議員、石橋通宏議員(参議院ODA調査団) |
2015年 | 土屋品子衆議院議員 中山泰秀外務副大臣(FEALAC外相会合) |
2016年 | 関芳弘環境副大臣 |
2017年 | 薗浦健太郎外務副大臣 樋口尚也文部科学省政務官 平将明議員、福田昭夫議員、江田康幸議員、高橋ひなこ議員、玉城デニー議員(衆議院環境委員会議員団) |
2018年 | 武井俊輔衆議院議員(大統領就任式特派大使) |
2019年 | 衆議院公式派遣団(赤松広隆衆議院副議長(団長)他) |
2022年 | 西村康稔衆議院議員(大統領就任式特派大使) |
年月 | 要人名 |
---|---|
1990年 | セラーノ次期副大統領 ロッハス貿易相 アリアス前大統領(JICA主催国際シンポジウムにおける基調講演者として訪日) ファージャス経済企画相 カルデロン大統領夫妻(即位の礼) ニーハウス外相(即位の礼) フェルナンデス情報相 ロッハス貿易相(花博賓客) |
1991年 | ヴァルガス蔵相 ロペス副大統領(外務省賓客) エレーラ文部相 |
1993年 | ニーハウス外相(「民主主義と開発のためのパートナーシップ」東京特別会合) チャベリ国会議長 |
1994年 | ナランホ外相 |
1996年 | フィゲーレス大統領 ナランホ外相(第2回日・中米フォーラム) |
1997年 | ナランホ外相 フィゲーレス大統領(気候変動枠組条約第3回締約国会議) |
2000年 | ドゥエニャス貿易相(JETRO招聘) フィチェル第一副大統領(WHOシンポジウム) |
2001年 | ロドリゲス大統領(非公式)、ロハス外相、バランテス経済産業商業相、パルド厚生相(随行) バランテス経済産業商業相(JETROセミナー) |
2002年 | パチェコ観光相 |
2003年 | ロドリゲス環境エネルギー相 トレホス貿易相 |
2004年 | サエンス文化相 アリアス元大統領(五井平和財団招聘) |
2005年 | バランテス経済相 ゴンサレス貿易相 パチェコ大統領(日本・中米首脳会談出席/博覧会賓客)、トバル外相(随行) ポリナリス国家企画・経済政策相 |
2009年 | フローレス農牧相 |
2010年 | スタニョ外相(FEALAC第4回外相会合出席) カストロ外相 |
2011年 | チンチージャ大統領、カスティージョ外相、ゴンサレス貿易相、クルス科学技術相(随行) |
2012年 | カストロ環境・エネルギー相(FEALAC環境ビジネス会合) |
2013年 | ゴンサレス貿易相 カストロ環境・エネルギー相 モンヘ住宅相 オブレゴン文化青年相 |
2015年 | グティエレス環境・エネルギー相 |
2017年 | モラ貿易相 ゴンサレス外相 |
2018年 | モラ貿易相 |
2019年 | ドブレス大統領夫人(即位の礼) |
2022年 | アンドレ外相、トバル貿易相(両相同時に訪日) |
7 二国間条約・取極
- 1973年 青年海外協力隊派遣取極
- 1974年 査証相互免除取極
- 1985年 技術協力協定