クック諸島
クック諸島(Cook Islands)
基礎データ
一般事情
1 面積
約237平方キロメートル(大阪市とほぼ同じ)
ニュージーランドの北東約3,000キロメートル、フィジーとタヒチの間に位置し、15の島々より成る。
2 人口
約19,200人(2022年、アジア開発銀行)
3 首都
アバルア(ラロトンガ島)
4 民族
ポリネシア系(クック諸島マオリ族)81%、混血ポリネシア系15.4%
5 言語
クック諸島マオリ語、英語(共に公用語)
6 宗教
キリスト教97.8%(クック諸島教会派69%、ローマ・カトリック15%等)
7 略史
年月 | 略史 |
---|---|
1595年 | スペイン人メンダナが南太平洋航海中プカプカ島を確認。その後、現在のクック諸島を構成する15の島々が個々に確認される。 |
1773年 | 英国探検家クックがこの地域の諸島に上陸し調査を始める。 |
1823年 | 最初のキリスト教宣教団がラロトンガ島に上陸。 |
1888年 | 英国の属領になる。 |
1901年 | ニュージーランドの属領になる。 |
1946年 | 立法評議会が設立(自治政府設立の準備に入る。)。 |
1964年 | ニュージーランド国会により、クック諸島憲法が承認・可決。 |
1965年 | 内政自治権を獲得し、ニュージーランドとの自由連合に移行。初の総選挙を実施。 |
政治体制・内政
1 政体
立憲君主制
2 元首
- 元首
- チャールズ三世国王(英国国王)
- 国王名代
- トム・マースターズ(H.E. Sir Tom MARSTERS)
3 議会
- 一院制、議員数24名、任期4年
- (2004年9月の総選挙に合わせて行われた住民投票により任期がこれまでの5年から短縮された。)
4 政府
- 首相
- マーク・ブラウン(Hon. Mark BROWN)
(検察庁長官、財務・経済運営大臣、警察大臣等兼務) - 外務・移民大臣
- ティンギカ・エリカナ(Hon. Tingika ELIKANA)
(海洋資源大臣、議会サービス担当大臣兼務)
閣僚数は6名
5 内政
- 1999年7月、1983年以来、首相を務めてきたジェフリー・ヘンリーを破り、ジョー・ウィリアムズが首相に就任。
- 1999年11月、ウィリアムズ政権が不信任案により退陣した後、マオアテ首相が就任。
- 2002年2月、マオアテ政権が不信任案により退陣した後、ウーントン首相が就任。
- 2004年12月、総選挙により、マルライ首相が就任。
- 2006年9月、総選挙により、マルライ首相が再任。
- 2010年11月、総選挙により、プナ首相が就任。
- 2014年7月、総選挙により、プナ首相が再任。
- 2018年6月、総選挙により、プナ首相が再任。
- 2020年9月、プナ首相辞任により、ブラウン首相が就任。
- 2022年8月、総選挙により、ブラウン首相が再任。
外交・国防
1 基本方針
ニュージーランドとの自由連合関係を維持。太平洋諸島フォーラム(PIF)加盟国・地域との域内協力を推進。多くの国際機関への参加を希望。
2 ニュージーランドとの関係
- (1)貿易、経済協力(含財政援助)等の面でニュージーランドへの依存度が高い。
- (2)自由連合関係により防衛(一定限度の外交含む。)についてニュージーランドが責任を負う。1973年、両首相間の書簡交換により、「自由連合終了権」を確認し、クック諸島はニュージーランドの合意なしに独立することが可能になった。2001年の共同宣言において、クック諸島が主権独立国家として外交を行うことを表明。
3 国際機関等加盟状況
- (1)域内機関:PIF、SPC、FFA、SPREP他
- (2)国際機関:ADB、WHO、FAO、UNESCO、ICAO、WMO他
経済
1 主要産業
観光業、農業、漁業(黒真珠養殖)、金融サービス
2 GDP
約463百万ニュージーランドドル(2021年、アジア開発銀行)
3 一人当たりGDP
27,799ニュージーランドドル(2021年、アジア開発銀行)
4 経済成長率
-21.3%(2021年、アジア開発銀行)
5 物価上昇率
8.9%(2022年、アジア開発銀行)
6 総貿易額
- (1)輸出
- 7.750百万ニュージーランドドル(2022年、アジア開発銀行)
- (2)輸入
- 111.906百万ニュージーランドドル(2022年、アジア開発銀行)
7 主要貿易品目
- (1)輸出
- 魚介類、加工食品、黒真珠
- (2)輸入
- 食料品、鉱物、たばこ類、機械・輸送器具、工業製品
8 主要貿易相手国
- (1)輸出
- 日本、ニュージーランド、中国、米国
- (2)輸入
- ニュージーランド、フィジー、オーストラリア、米国、日本
(2022年、アジア開発銀行)
9 通貨
ニュージーランドドル(硬貨については、独自のものもある。)
10 経済概況
クック諸島は、他の太平洋地域の島嶼国と同様に、島嶼国としての地理的孤立と国土の拡散性、小規模な国内市場という狭小性により、経済発展を阻害されてきたが、近年は観光業が、名目GDPの7割程度を占めている。観光業の成長により、クック諸島は1980年代後半から1990年代初頭にかけては、年率6%の実質GDP成長率を誇り、太平洋地域島嶼国の中では比較的富裕地域になった。しかし、首都があるラロトンガ島以外の離島では、依然開発が進んでおらず、ラロトンガ島との経済格差が拡大している。
経済協力
1 日本の援助
2021年度 | 2021年度までの累計 | |
---|---|---|
(1)有償資金協力 | なし | なし |
(2)無償資金協力 | 1.69億円 | 9.16億円 |
(3)技術協力 | なし | 8.78億円 |
2 主要援助国
(1)ニュージーランド(24.9)、(2)オーストラリア(3.2)、(3)日本(0.5)
(単位:百万米ドル、2019年、DAC)
二国間関係
1 政治関係
日本は、2011年3月25日、クック諸島を国家として承認(在ニュージーランド大使館が管轄している)。
2 経済関係
- (1)貿易額(2023年 財務省貿易統計)
-
- クックへの輸出
- 3.1億円
- クックからの輸入
- 14.1億円
- (2)進出日本企業数
- 1社(2022年10月現在、外務省海外進出日系企業拠点数調査)
3 在留邦人数
6名(2023年10月現在、外務省海外在留邦人調査統計)
4 在日クック諸島人数
不詳
5 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
1997年9月 | 高村正彦 外務政務次官(SPF域外国対話) |
2012年8月 | 中野譲 外務大臣政務官 |
2015年8月 | 櫻田義孝 衆議院議員(総理特使、自治50周年記念式典出席) |
2018年8月 | 堀井巌 外務大臣政務官(憲法記念日式典) |
2023年3月 | 林芳正 外務大臣 |
2023年11月 | 堀井巌 外務副大臣(PIF域外国対話) |
年月 | 要人名 |
---|---|
1984年 | ジョージ外務相 |
1987年 | テイビス首相 |
1987年 | マオアテ副首相 |
1988年 | ロバティ首相 |
1989年 | ヘンリー首相 |
1991年 | アカルル副首相 |
1994年 | タイレア農業相(政労使トップリーダー招聘) |
1997年 | ヘンリー首相(ADB会議(福岡)) |
1997年 | ヘンリー首相(日・SPF首脳会議) |
1997年 | ヘンリー首相(1997年国連気候変動枠組条約第3回締約国会議) |
1998年 | ヘンリー首相(1998年南太平洋総合展) |
2000年 | マオアテ首相(第2回太平洋・島サミット) ジョージ副首相(2000年APTサミット) |
2003年 | ウーントン首相(水フォーラム) |
2003年 | マオアテ副首相(第3回太平洋・島サミット) |
2006年 | ジム・マルライ首相(第4回太平洋・島サミット) |
2007年12月 | ヴァヴィア交通エネルギー相(第1回アジア・太平洋水サミット(於:大分)) |
2009年5月 | ジム・マルライ首相(第5回太平洋・島サミット) |
2011年6月 | プナ首相(外務省賓客) |
2012年5月 | プナ首相(第6回太平洋・島サミット) |
2013年10月 | プナ首相(太平洋・島サミット第2回中間閣僚会合) |
2015年5月 | プナ首相(第7回太平洋・島サミット) |
2015年10月 | プナ首相(太平洋島嶼国観光大臣会合) |
2017年1月 | プナ首相(太平洋・島サミット第3回中間閣僚会合) |
2018年5月 | プナ首相(第8回太平洋・島サミット) |
2019年10月 | トム・マースターズ女王名代(即位の礼) |
2023年2月 | ブラウン首相(太平洋諸島フォーラム(PIF)代表団) |
2023年5月 | ブラウン首相(G7広島サミットアウトリーチ会合) |
2024年7月 | ブラウン首相(第10回太平洋・島サミット) |
6 外交使節
- (1)クック駐箚日本国大使
- 大澤 誠 特命全権大使
- (2)在クック名誉総領事
- 任命されていない
- (3)本邦駐箚クック大使
- 任命されていない