コンゴ共和国
コンゴ共和国(Republic of Congo)
基礎データ

一般事情
1 面積
34.2万平方キロメートル(日本の約0.9倍)
2 人口(世銀)
633万人(2024年、世銀)
3 首都
ブラザビル
4 民族
コンゴ族、テケ族、ンボチ族、サンガ族等
5 言語
フランス語(公用語)、リンガラ語、キトゥバ語
6 宗教
キリスト教、イスラム教
7 略史
| 年月 | 略史 |
|---|---|
| 13世紀~15世紀 | コンゴ王国の最盛期 |
| 19世紀後半 | 仏による植民地化 |
| 1960年8月 | 独立(コンゴ共和国) |
| 1969年12月 | コンゴ人民共和国に国名変更 |
| 1979年3月 | クーデターが発生。サス・ンゲソ大統領就任 |
| 1991年6月 | コンゴ共和国に国名変更 |
| 1992年8月 | パスカル・リスバ大統領選出 |
| 1997年5月 | 内戦勃発 |
| 1997年10月 | サス・ンゲソ大統領就任 |
| 1999年12月 | 政府・民兵(旧政権派)間で停戦合意 |
| 2002年1月 | 新憲法公布 |
| 2002年3月 | 新憲法下の大統領選挙でサス・ンゲソ大統領選出 |
| 2003年3月 | 政府・レジスタンス国民会議(CNR)間で停戦合意 |
| 2009年7月 | サス・ンゲソ大統領再選(二期目) |
| 2015年11月 | 憲法改正(大統領の三選可、立候補の年齢制限廃止及び大統領の任期短縮) |
| 2016年3月 | サス・ンゲソ大統領再選(三期目) |
| 2017年7月 | 国民議会議員選挙、地方議会議員選挙 |
| 2017年12月 | 政府・CNR間で2度目の停戦合意 |
| 2021年3月 | サス・ンゲソ大統領再選(四期目) |
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
- ドゥニ・サス・ンゲソ大統領(Denis SASSOU N’GUESSO)
3 議会
- 国民議会(151名、任期5年)
- 上院議会(72名、任期6年)
4 政府
- (1)首相 アナトール・コリネ・マコソ(Anatole Collinet MAKOSSO)
- (2)外務・仏語圏・在外自国民大臣 ジャン・クロード・ガコソ(Jean-Claude GAKOSSO)
5 内政
1968年から1991年の間、社会主義、共産主義を導入していた。1997年7月に予定されていた大統領選挙を巡ってリスバ大統領とサス・ンゲソ前大統領との間で内戦が勃発した。アンゴラ軍の介入後、サス・ンゲソ前大統領派がほぼ全土を掌握し、再度大統領に就任した。その後、同大統領は2002年の新憲法下での選挙で大統領に就任し、2009年に再選された。2015年に三選禁止、大統領選挙への出馬可能年齢を70歳以下に制限、任期7年としていた憲法が改正され、改正憲法の下で2016年3月に実施された選挙で選出されたサス・ンゲソ大統領が改めて就任。2021年3月の大統領選挙における三選を経て、現在まで長期政権が続く。
外交・国防
1 外交基本方針
独立後、社会・共産主義国家であったため、伝統的に旧東側諸国、特に中国との結びつきが強い。中国とは1964年に中国と国交を樹立し、2013年には習近平国家主席が訪問した。サス・ンゲソ大統領は、2018年には15回目の訪中をし、2024年から中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の共同議長を務めている。経済的には、中国に加え、フランス(旧宗主国)や米国等の西側諸国とも関係が深く、「パートナーの多様化」を外交政策とする。また、近年では、中部アフリカの安定勢力として存在感を増している。サス・ンゲソ大統領は、中央アフリカ情勢、リビア情勢における国際調停役を務めるなど、地域の安定に貢献している。
2 軍事力(ミリタリーバランス2024年版)
- (1)予算
- 2億8,800万ドル(2023年)
- (2)兵役
- 志願制(2年)
- (3)総兵力
- 陸軍:8,000人、海軍:800人、空軍:1,200人、憲兵隊:2,000人
経済
1 主要産業
鉱業(石油)、林業
2 GDP
157億米ドル(2024年、世銀)
3 一人当たりGNI
2,410ドル(2024年、世銀)
4 GDP成長率
2.6%(2024年、世銀)
5 物価上昇率
3.3%(2025年、IMF)
6 失業率
19.7%(2024年、ILO推計)
7 総貿易額(2024年、ITC)
- (1)輸出
- 85.50億ドル
- (2)輸入
- 47.31億ドル
8 主要貿易品目
- (1)輸出
- 銅、コバルト、木材等
- (2)輸入
- 食用肉、医薬品、小麦、石油等
9 主要貿易相手国(2024年、ITC)
- (1)輸出
- 中国、タイ、シンガポール、ベトナム、シンガポール
- (2)輸入
- 中国、ガイアナ、フランス、米国、アンゴラ
10 通貨
CFAフラン(中部アフリカ諸国銀行発行)
11 為替レート
1ユーロ=655.957CFA(固定レート)
12 対外債務残高
78.6億ドル(2023年、世銀)
13 経済概況
歳入の約80%及び輸出の約85%を石油産業が占める原油産出国。その他天然ガス等の鉱物資源や水産・森林資源を擁していることもあり、一人当たり国民総所得は中部アフリカでは比較的高い水準にあるものの、石油の国際市場価格の変動等外的要因に影響を受けやすい経済構造が影響し、同国の対GDP比公的債務は約85%にまで達している(2023年、IMF)。
サス・ンゲソ大統領は、2021年3月の再選時に国家戦略の刷新を指示し、同国は、経済構造の転換・経済多角化の推進を軸にした経済発展、貧困の削減等に向け、国家開発計画(PND)(2022-2026年)を策定し、ガバナンス、成長と社会の多角化、経済・社会インフラの整備、包括的社会開発、持続可能な開発を主な優先課題として取り組んでいる。
経済協力
1 日本の援助実績
- (1)有償資金協力(2023年度まで、交換公文ベース)なし
- (2)無償資金協力(2023年度まで、交換公文ベース)80.67億円
- (3)技術協力実績(2023年度まで、経費実績ベース)15.46億円
2 主要援助国(2022年、支出総額ベース、OECD/DAC、百万ドル)
- (1)フランス(103.17)
- (2)米国(12.48)
- (3)日本(4.92)
- (4)カナダ(3.09)
- (5)フィンランド(1.37)
二国間関係
1 政治関係
1960年8月、外交関係樹立。
日本は、2010年8月から在コンゴ民主共和国大使館がコンゴ共和国を兼轄。
コンゴ共和国は、1996年6月に在京大使館を開設。1998年1月に閉鎖したが、2012年12月に在京大使館を再開。
2 経済関係
- (1)対日貿易額(2024年 財務省貿易統計)
- 対日輸出 2.23億円
- 対日輸入 2.45億円
- (2)主要品目
- 対日輸出 木材、アルミニウム等
- 対日輸入 ゴム製品、魚介類、電気機器等
3 在留邦人数
5人(2024年10月)
4 在日当該国人数
35人(2024年6月)
5 要人往来(肩書きは当時のものを含む)
| 年月 | 要人名 |
|---|---|
| 2004年8月 | 衛藤征士郎、三原朝彦、山口泰明、西村明宏衆議院議員(日本・AU(アフリカ連合)友好議連) |
| 2013年2月 | 阿部俊子外務大臣政務官 |
| 2013年11月 | 石原外務大臣政務官 |
| 2014年8月 | 山際大志郎衆議院議員(日本・AU友好議連) |
| 2015年12月 | 黄川田仁志外務大臣政務官 |
| 2018年8月 | 櫻田義孝衆議院議員、大岡敏孝衆議院議員、高村正大衆議院議員(日本・AU友好議連) |
| 2024年8月 | 逢沢一郎衆議院議員、牧原秀樹衆議院議員、江島潔参議院議員、青山繁晴参議院議員、武井俊輔衆議院議員、国光あやの衆議院議員(日本・AU友好議連) |
| 年月 | 要人名 |
|---|---|
| 2004年4月 | モカ保健・人口相、ンギンビ技術教育・職業訓練相 |
| 2005年1月 | アンリ・ジョンボ森林経済・環境相(国連防災世界会議) |
| 2005年9月 | ムンデレ・ンゴロ商業・消費・調達相(愛知万博賓客) |
| 2006年10月 | アダダ外務・協力・仏語圏相(外務省賓客) |
| 2008年3月 | ギ・ブリス・パルフェ・コレラ海洋・内陸漁業相(IWCセミナー) |
| 2008年5月 | サス・ンゲソ大統領(TICAD IV) |
| 2011年6月 | イクエベ外務・協力相(MDGsフォローアップ会合) |
| 2012年10月 | オンドンゴ経済・財政・公共資産・統合相(IMF世銀東京総会) |
| 2012年12月 | イトゥア科学研究・技術革新相(原子力安全に関する福島閣僚会議) |
| 2013年6月 | イクエベ外務協力相(TICAD V) |
| 2018年10月 | オンドンゴ経済・産業・公共資産相(TICAD閣僚会合) |
| 2019年8月 | ガコソ外務・協力・在外自国民相(TICAD7) |
| 2023年10月 | サス・ンゲソ国際協力・官民連携推進相 |
| 2025年8月 | サス・ンゲソ国際協力・官民連携推進相(TICAD 9) |
6 二国間条約・取極
- 1974年9月 貿易取極(1975年10月発効)
- 2025年8月 技術協力協定

