コンゴ共和国
コンゴ共和国(Republic of Congo)
基礎データ
一般事情
1 面積
34.2万平方キロメートル(日本の約0.9倍)
2 人口(世銀)
597万人(2022年、世銀)
3 首都
ブラザビル
4 民族
コンゴ族、テケ族、ンボチ族、サンガ族等
5 言語
フランス語(公用語)、リンガラ語、キトゥバ語
6 宗教
キリスト教、イスラム教
7 略史
年月 | 略史 |
---|---|
13世紀~15世紀 | コンゴ王国の最盛期 |
19世紀後半 | 仏による植民地化 |
1960年8月 | 独立(コンゴ共和国) |
1969年12月 | コンゴ人民共和国に国名変更 |
1979年3月 | クーデターが発生。サス・ンゲソ大統領就任 |
1991年6月 | コンゴ共和国に国名変更 |
1992年8月 | パスカル・リスバ大統領選出 |
1997年5月 | 内戦勃発 |
1997年10月 | サス・ンゲソ大統領就任 |
1999年12月 | 政府・民兵(旧政権派)間で停戦合意 |
2002年1月 | 新憲法交布 |
2002年3月 | 新憲法下の選挙でサス・ンゲソ大統領就任 |
2003年3月 | 政府・レジスタンス国民会議(CNR)間で停戦合意 |
2009年7月 | サス・ンゲソ大統領再選 |
2015年11月 | 憲法改正(三選可、年齢制限廃止、任期短縮) |
2016年3月 | 改正憲法下の選挙でサス・ンゲソ大統領就任 |
2017年7月 | 国民議会議員選挙、地方議会議員選挙 |
2017年12月 | 政府・CNR間で2度目の停戦合意 |
2021年3月 | 大統領選挙でサス・ンゲソ大統領三選 |
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
- ドゥニ・サス・ンゲソ大統領(Denis SASSOU N’GUESSO)
3 議会
- 国民議会(151名、任期5年)
- 上院議会(72名、任期6年)
4 政府
- (1)首相 アナトール・コリネ・マコソ(Anatole Collinet MAKOSSO)
- (2)外務・仏語圏・在外自国民大臣 ジャン=クロード・ガコソ(Jean-Claude GAKOSSO)
5 内政
(1)1968年から1991年の間、社会主義、共産主義を導入していた。1997年7月に予定されていた大統領選挙を巡ってリスバ大統領とサス・ンゲソ前大統領(当時)との間で内戦が勃発した。アンゴラ軍の介入後、サス・ンゲソ前大統領派がほぼ全土を掌握し、大統領に就任した。その後、同大統領は2002年の新憲法下での選挙で大統領に就任、2009年に再選された。2015年に三選禁止、大統領選挙への出馬を70歳以下に制限、任期7年としていた憲法が改正され、改正憲法の下で2016年3月に実施された選挙でサス・ンゲソ大統領が改めて就任し、2021年3月の大統領選挙における三選を経て、現在まで長期政権が続く。5か年開発計画「共に前進を続けよう」の下、行政システム改革、経済・金融ガバナンスの向上、社会福祉基盤の整備に重点を置いている。
(2)1999年の和平合意で民兵は解体されるも、プール県内で民兵「ニンジャ」は、フレデリック・ビンサム(通称・ントゥミ牧師)レジスタンス国民会議(CNR)代表を支持し活動を継続していたが、2003年と2017年末に、政府とCNRとの間に締結された停戦合意以降、CNR及び民兵組織らによる表立った活動はなく、治安の回復が見られている。一方、社会復帰が進まず、経済的に困窮した元民兵らによる犯罪行為が報告されており、彼らの武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)が現政権の課題となっている。
外交・国防
1 外交基本方針
独立後、社会・共産主義国家であったため、東側諸国との結びつきが強い。中国と1964年に国交を樹立し、2013年には習近平国家主席が訪問、サス・ンゲソ大統領も2018年には15回目の訪中をする等関係も強い。経済的には、中国を始め、フランス(旧宗主国)や米国等西側諸国に依存しており、「パートナーの多様化」を外交政策とする。また、近年では、中部アフリカの安定勢力として存在感を増している。サス・ンゲソ大統領は、中央アフリカ情勢、リビア情勢における国際調停役を務めるなど、地域の安定に貢献している。
2 軍事力(ミリタリーバランス2023年版)
- (1)予算
- 2億6,400万ドル(2022年)
- (2)兵役
- 志願制(2年)
- (3)総兵力
- 陸軍:8,000人、海軍:800人、空軍:1,200人、憲兵隊:2,000人
経済
1 主要産業
鉱業(石油)、林業
2 GDP
101.8億米ドル(2022年、世銀)
3 一人当たりGNI
2,290ドル(2022年、世銀)
4 GDP成長率
1.5%(2022年、世銀)
5 物価上昇率
3.5%(2023年、IMF)
6 失業率
19.9%(2023年、ILO推計)
7 総貿易額(2022年、ITC)
- (1)輸出
- 89.17億ドル
- (2)輸入
- 36.31億ドル
8 主要貿易品目
- (1)輸出
- 銅、コバルト、木材等
- (2)輸入
- 食用肉、医薬品、小麦、石油等
9 主要貿易相手国(2022年、ITC)
- (1)輸出
- 中国、トーゴ、インド、ポルトガル、シンガポール
- (2)輸入
- 中国、アンゴラ、フランス、ベルギー、ドイツ、米国
10 通貨
CFAフラン(中部アフリカ諸国銀行発行)
11 為替レート
1ユーロ=655.957CFA(固定レート)
12 対外債務残高
78.95億ドル(2022年、世銀)
13 経済概況
輸出の多くを原油産業が占めるなど、経済の大部分を原油に依存しており、「経済の多様化」が課題。2014年下半期以降の原油価格の下落と、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済・財政状況は大きな打撃を受けた。コンゴ共和国政府は、経済インフラの整備・拡大政策により膨らんだ対外債務の再編に努力。同国政府は、2021年に財政・経済の建て直しのためにIMFの拡大クレジット・ファシリティに合意した。2022年経済・財政状況は、ウクライナ情勢の影響を受けたが、強力な石油収入と相まって、公的債務の減少が予想されている。
経済協力
1 日本の援助実績(2021年度までの累積)
- (1)有償資金協力(EN(交換公文)ベース)なし
- (2)無償資金協力(交換公文ベース)74.27億円
- (3)技術協力実績(JICA実績ベース)13.98億円
2 主要援助国(2020年-2021年平均、支出総額ベース、OECD/DAC、百万ドル)
- (1)フランス(62)
- (2)米国(19)
- (3)日本(7)
二国間関係
1 政治関係
1960年8月、外交関係樹立。
日本は、2010年8月から在コンゴ民主共和国大使館がコンゴ共和国を兼轄。
コンゴ共和国は、1996年6月に在京大使館を開設。1998年1月に閉鎖したが、2012年12月、在京大使館を再開。
2 経済関係
- (1)対日貿易
-
- ア 対日貿易額(2023年 財務省貿易統計)
- 対日輸出 8.50億円
- 対日輸入 5.48億円
- イ 主要品目
- 対日輸出 木材、アルミニウム等
- 対日輸入 ゴム製品、魚介類、電気機器等
- (2)進出日本企業(2024年4月現在)
- 1社
3 在留邦人数
4人(2023年10月)
4 在日当該国人数
25人(2022年12月)
5 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
2004年8月 | 衛藤征士郎、三原朝彦、山口泰明、西村明宏衆議院議員(日本・AU(アフリカ連合)友好議連) |
2013年2月 | 阿部俊子外務大臣政務官 |
2013年11月 | 石原外務大臣政務官 |
2014年8月 | 山際大志郎衆議院議員(日本・AU友好議連) |
2015年12月 | 黄川田仁志外務大臣政務官 |
2018年8月 | 櫻田義孝衆議院議員、大岡敏孝衆議院議員、高村正大衆議院議員(日本・AU友好議連) |
2024年8月 | 逢沢一郎衆議院議員、牧原秀樹衆議院議員、江島潔参議院議員、青山繁晴参議院議員、武井俊輔衆議院議員、国光あやの衆議院議員(日本・AU友好議連) |
年月 | 要人名 |
---|---|
2004年4月 | モカ保健・人口相、ンギンビ技術教育・職業訓練相 |
2005年1月 | アンリ・ジョンボ森林経済・環境相(国連防災世界会議) |
2005年9月 | ムンデレ・ンゴロ商業・消費・調達相(愛知万博賓客) |
2006年10月 | アダダ外務・協力・仏語圏相(外務省賓客) |
2008年3月 | ギ・ブリス・パルフェ=コレラ海洋・内陸漁業相(IWCセミナー) |
2008年5月 | サス・ンゲソ大統領(TICAD IV) |
2011年6月 | イクエベ外務・協力相(MDGs フォローアップ会合) |
2012年10月 | オンドンゴ経済・財政・公共資産・統合相(IMF世銀東京総会) |
2012年12月 | イトゥア科学研究・技術革新相(原子力安全に関する福島閣僚会議) |
2013年6月 | イクエベ外務協力相(TICAD V) |
2018年10月 | オンドンゴ経済・産業・公共資産相(TICAD閣僚会合) |
2019年8月 | ガコソ外務・協力・在外自国民相(TICAD7) |
2023年10月 | サス=ンゲソ国際協力・官民連携推進相 |
6 二国間条約・取極
- 1974年9月 貿易取極(1975年10月発効)