コロンビア共和国

基礎データ

令和6年9月6日
コロンビア共和国国旗

一般事情

1 面積

1,139,000平方キロメートル(日本の約3倍)

2 人口

5,209万人(2023年、世銀)

3 首都

ボゴタ

4 民族

混血75%、ヨーロッパ系20%、アフリカ系4%、先住民1%

5 言語

スペイン語

6 宗教

カトリック

7 略史

年月 略史
1810年 独立宣言(スペインより独立)
1819年 グラン・コロンビア共和国成立
1886年 憲法制定、コロンビア共和国成立
1903年 パナマ分離独立
1948年 自由党有力政治家ガイタン暗殺。ボゴタソ(ボゴタ騒動)発生。以後の約10年間は「ラ・ビオレンシア(暴力)」の時代と呼ばれる。
1953年 ロハス軍事政権発足(~1957年)
1958年 自由・保守両党の国民戦線協定成立(民政移管)(~1974年)
1991年 新憲法制定(1886年憲法を全面改訂)
2002年 ウリベ大統領(自由党系右派)就任(2006年再任)
2010年 サントス大統領(国民統一党(U党))就任(2014年再任)
2018年 ドゥケ大統領(民主中道党)就任
2022年 ペトロ大統領(歴史同盟)就任

政治体制・内政

1 政体

立憲共和制

2 元首

  • グスタボ・フランシスコ・ペトロ・ウレゴ大統領
  • H.E. Mr. Gustavo Francisco PETRO URREGO
  • (2022年8月就任。任期4年。再選不可。)

3 議会

二院制:上院108、下院187議席(任期4年)

4 政府

  • (1)首相名 首相職無し
  • (2)外相名 ルイス・ヒルベルト・ムリージョ・ウルティア(H.E. Mr. Luis Gilberto MURRILLO URRUTIA

5 内政

 コロンビアにおいては、1958年に軍事政権が倒れ、以後、基本的に二大政党(保守党・自由党)による政治体制が20世紀末まで継続した。
 2002年に自由党から離れ市民運動グループから大統領選挙に立候補、当選したウリベ大統領は、治安対策等で一定の成果をあげ、高支持率を背景に大統領の再選を可能とする憲法改正を実現、2006年の大統領選挙で再選された。2期にわたるウリベ政権においては、国軍及び警察官の増強等治安対策に重点的に取り組みつつ、開放経済政策をとり、治安の改善と安定した経済成長を実現した。
 2010年に就任したサントス大統領は、ウリベ前政権の治安政策を転換し、2011年5月に、国内の武力紛争の犠牲者に対する補償を定める犠牲者補償・土地返還法を成立させる一方、2012年10月、左翼ゲリラ勢力コロンビア革命軍(FARC)と和平交渉の開始を発表した。2014年の大統領選挙で再選したサントス大統領は、2016年8月にFARCと和平合意に到達、10月の国民投票において和平合意は否決されるが、政府は和平合意の修正協議を行い、11月、新たな和平合意をFARCとの間で署名し、国会で承認された(新和平合意について国民投票は実施されなかった)。和平合意成立後は、合意の実施フェーズに移行し、2017年9月にはFARCの武装解除プロセスが終了した。なお、2015年の憲法改正で大統領の再選が再び禁止された。
 2018年に就任したドゥケ大統領は、和平合意の履行を進めつつ、汚職対策、格差是正、地方開発、税制改革等に取り組んだが、新型コロナウイルスの影響による経済の後退に直面した他、2021年4月、税制改革を発端とした全国ストライキが発生し、同改革は撤回と大幅修正を余儀なくされた。また、ベネズエラからの避難民を積極的に受け入れ、180万人以上に上るコロンビア国内のベネズエラ避難民のうち100万人以上に一時的保護資格を付与した。
 ドゥケ大統領の支持率が落ち込む中、2022年5月、大統領選挙が行われ、変化を掲げる候補に支持が集まり、左派「歴史同盟」のペトロ候補(得票第1位)と独立系のエルナンデス候補(同第2位)が決選投票に進んだ。6月の決選投票では、ペトロ候補が約3ポイント差でエルナンデス候補を抑えて勝利し、8月に大統領に就任、コロンビア共和国史上初の左派政権が誕生した。

外交・国防

1 外交基本方針

 歴代政権は、米国との協調を優先しつつ、近隣アンデス諸国、メルコスール諸国及びEU諸国との友好関係を維持、さらに日本を始めとするアジア・太平洋諸国との交流強化を外交政策の基本方針としてきた。近年は、メキシコ、チリ、ペルーと共に、加盟国間の経済統合とアジア太平洋地域との政治経済関係強化を目標に太平洋同盟を形成するなど、アジア諸国との関係強化も重視している。

 一方、2022年8月に発足したペトロ政権は、前ドゥケ政権下で悪化した隣国ベネズエラとの関係の正常化、気候変動政策の重視等、新たな外交路線を打ち出している。

2 軍事力

  • (1)予算 59.7億ドル(2021年)
  • (2)兵役 18~24歳までの男子:12~18か月間(義務制)
  • (3)兵力 25万5,950人(陸軍18万5,900人、海軍5万6,400人、空軍1万3,650人)

(ミリタリー・バランス、2021年)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

農業(コーヒー、生花、バナナ、熱帯果実等)、鉱業(石油、石炭、金、エメラルド等)

2 GDP

3,363億ドル(2023年、IMF)

3 一人当たりGDP

6,972ドル(2023年、IMF)

4 経済成長率

0.6%(2023年、IMF)

5 物価上昇率

9.28%(2023年、コロンビア国家統計庁)

6 失業率

10.0%(2023年、コロンビア国家統計庁)

7 総貿易額

  • (1)輸出 495.43億ドル
  • (2)輸入 627.97億ドル

(2023年、コロンビア国家統計庁)

8 主要貿易品目

  • (1)輸出 石油、石炭、金、コーヒー、生花、バナナ
  • (2)輸入 自動車・同部品、石油製品、医薬品、穀物、通信機器

9 主要貿易相手国

  • (1)輸出 米国、パナマ、中国、インド、オランダ
  • (2)輸入 米国、中国、ブラジル、メキシコ、ドイツ

(2023年コロンビア国家統計庁)

10 通貨

ペソ

11 経済概況

  • コロンビアは、1980年代の中南米債務危機にも唯一債務繰延を実行せず、一貫してプラス成長を記録し、堅実な経済運営と良好なパフォーマンスを誇ってきた。1999年には1932年以来のマイナス成長を記録したが、2000年以降は持ち直している。
  • 2021年の実質GDP成長率は10.8%と新型コロナ禍のマイナス成長からのV字回復を果たし、2022年も7.3%と高い成長率を記録した2023年の成長率は0.6%に留まっている。
  • コロンビアは、太平洋同盟、アンデス共同体(CAN)の加盟国、メルコスールの準加盟国である。また、カリコム、EFTA(リヒテンシュタイン、スイス、アイスランド、ノルウェー)、メキシコ、チリ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、カナダ、米国、キューバ、ベネズエラ、EU、英国、韓国、コスタリカ及びイスラエルとの間で自由貿易協定(FTA)等が発効している。なお、投資協定(BIT)は、英国、フランス、スイス、ペルー、中国、インド、日本と発効済みである。

経済協力

1 日本の援助実績(2022年度まで累計)(政府開発援助(ODA)国別データ集2023)

  • (1)有償資金協力(L/Aベース) 466.33億円
  • (2)無償資金協力(E/Nベース) 161.43億円
  • (3)技術協力実績(JICA実績ベース) 353.47億円

2 主要援助国(2020年OECD/DAC)

(1)ドイツ (2)米国 (3)フランス

二国間関係

1 政治関係

  • 1908年5月25日 外交関係樹立
  • 1954年5月28日 外交関係再開

2 経済関係

対日貿易

貿易額(2023年)及び主要品目
対日輸出 1,170億円 石炭、コーヒー、生花、宝石等
対日輸入 1,363億円 自動車、鉄鋼、機械・電気機器等

(財務省貿易統計)

3 在留邦人数等

在留邦人:1,264人(2023年10月現在)(外務省「在留邦人数調査統計」)
日系人:約3,100人(推計)

4 在日当該国人数

2,716人(2023年12月)(法務省「在留外国人統計」)

5 要人往来

(1)往(1984年以降)
年月 要人名
1984年 福田赳夫元総理大臣(O・Bサミット執行委出席)
1985年 安倍晋太郎外務大臣
1986年8月 住栄作特派大使(大統領就任式)
1990年8月 中島源太郎特派大使(大統領就任式)
1991年8月 武藤嘉文衆議院議員
1992年2月 柿澤外務政務次官
1992年6月 海部前総理大臣
1994年8月 上原康助特派大使(大統領就任式)
1994年9月 武藤嘉文衆議院議員
1997年7月 逢沢一郎衆議院外務委員長
1998年8月 亀井善之衆議院議員(大統領就任式)
2000年8月 荒木外務総括政務次官
2002年8月 植竹外務副大臣(大統領就任式)
2006年8月 金田外務副大臣(大統領就任式)
2008年5月 安倍前総理大臣
2008年5月 中川昭一衆議院議員
2008年5月 山口泰明衆議院議員
2008年11月 中曽根弘文外務大臣
2009年2月 西村外務大臣政務官
2009年3月 竹下財務副大臣
2010年5月 赤松農林水産大臣
2010年8月 吉良外務大臣政務官(大統領就任式)
2011年2月 山花外務大臣政務官
2012年1月 牧野経済産業副大臣
2013年4月 茂木経済産業大臣
2013年6月 若林外務大臣政務官(太平洋同盟首脳会合・閣僚会合)
2013年7月 義家文科大臣政務官
2014年6月 高円宮妃殿下
2014年7月 安倍総理大臣
2014年8月 河村建夫衆議院議員(大統領就任式特派大使)
2015年5月 宇都外務大臣政務官
2016年8月 山口那津男参議院議員(公明党中南米訪問団)
2016年9月 大野国土交通大臣政務官
2017年4月 木原財務副大臣
2017年5月 薗浦外務副大臣
2018年1月 坂井総務副大臣
2018年1月 秋元国土交通副大臣
2018年8月 山口俊一衆議院議員(大統領就任式特派大使)
2018年8月 河野太郎外務大臣
2019年1月 國重総務大臣政務官
2019年10月 尾身外務大臣政務官
2022年8月 山口俊一衆議院議員(大統領就任式総理特使)
2023年6月 秋本外務大臣政務官
(2)来(1989年以降)
年月 要人名
1989年2月 バルコ大統領夫人(大喪の礼)
1989年7月 マルランダ経済開発相
1989年12月 バルコ大統領(公式実務)
1990年4月 バルコ大統領夫人(黄金展開会式)
1990年11月 ハラミージョ外相(即位の礼)
1991年4月 オメス蔵相(IDB)
1991年11月 パルド外務次官(日・コ経済合同委員会)
1992年4月 ガビリア大統領夫人(サンタ・マリア号入港式)
1992年10月 サニン外相(外務省賓客)
1993年4月 サントス通商相(「コ」貿易ミッション)
1994年2月 ガビリア大統領(非公式)
1994年4月 オカンポ農牧相
1994年11月 オカンポ国家企画庁長官
1995年3月 ロペス環境相
1995年5月 マスエラ貿易相
1995年7月 ペリー大蔵相
1995年11月 ビジャミサール鉱業エネルギー相
1996年7月 クリスト外務次官(中堅指導者招聘)
1997年2月 オカンポ大蔵相
1997年5月 ビジャミサール鉱業エネルギー相
1997年5月 ロンドーニョ上院議長(上院議長会議)
1997年11月 カブラーレス鉱業エネルギー相
1997年12月 ベラーノ環境相(COP3)
1998年1月 ガビリア前大統領(OAS事務総長)
1998年1月 メヒーア外相(外務省賓客)
1998年6月 ウルディノラ大蔵相(中南米シンポジウム)
1999年3月 ラミレス貿易相(高級実務者招聘)
1999年5月 パストラーナ大統領(公式実務)
2000年3月 フェルナンデス外相
2000年7月 ベル副大統領(G8/NAM)
2001年10月 マイル環境相(ITTO会議出席)
2003年3月 ロドリゲス環境・住宅・国土開発相(水フォーラム出席)
2003年10月 ブラ国際協力庁長官・大統領補佐官
2004年3月 バルコ外相(外務省賓客)
2004年9月 カーノ農業相、レジュス外務次官
2005年4月 ウリベ大統領(IDB沖縄総会出席、実務訪問賓客)
2007年1月 ラミレス上院議員(外交委員長)(21世紀パートナーシップ招聘)
2008年4月 プラタ商工観光相
2008年7月 アラウッホ外相
2008年10月 サントス副大統領
2009年10月 グティエレス上院議員(コロンビア日友好議員連会長)(21世紀パートナーシップ招聘)
2009年11月 スルアガ大蔵相
2010年1月 ベルムデス外相(FEALAC外相会合)
2010年5月 シルバ国防相(外国人叙勲)
2010年7月 プラタ商工観光相
2010年10月 ベスード環境相
2010年11月 ディアス・グラナドス商工観光相
2011年9月 サントス大統領、オルギン外相、ロダド鉱山・エネルギー相、ディアス・グラナドス商工観光相、カルドナ運輸相
2012年1月 バルガス・ジェラス内相
2012年2月 オルギン外相(外務省賓客)
2012年12月 ディアス・グラナドス商工観光相
2015年3月 ピンソン国防相
2015年3月 カルデナス財務公債相
2016年5月 パロディ教育相
2016年9月 ガンボア大統領府国際協力庁長官
2017年5月 ラコトゥール商工観光相
2017年10月 グティエレス・メデジン市長
2018年12月 トゥルヒージョ外相
2019年5月 チャコン下院議長
2019年10月 トゥルヒージョ外相(即位の礼)
2021年11月 ラミレス副大統領兼外相(外務省賓客)
2022年9月 ペトロ大統領夫人(故安倍晋三国葬儀)
2024年2月 ナメ上院議長

6 二国間条約・取極

  • 1962年 査証相互免除取極
  • 1976年 技術協力協定
  • 1985年 青年海外協力隊派遣取極
  • 2015年 投資協定
  • 2022年 租税条約
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