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平成20年7月9日
9日17時から約45分間、福田総理は、北海道洞爺湖サミットの主要経済国会合等に出席するため訪日中の胡錦濤国家主席と会談したところ、概要は以下のとおり。
(1)四川省大地震の復旧・復興につき、福田総理より、先般の政府ミッション訪中時に我が国から5つの柱からなるソフト面を中心とした協力を提案し、中国側からは約50項目について協力要請があったことに言及しつつ(別添参照)、我が国として協力していきたい旨発言。
(2)胡主席より、日本政府から迅速な援助を頂き、総理ご自身も在京中国大使館に弔問に訪れられた、日本の国際緊急援助隊の救助チーム及び医療チームの代表とは昨日お会いして改めて心からの感謝の意を伝えた、日本の支援は日本国民の中国国民に対する友情の表れである旨述べた。また、日本の有益な経験と先進的技術に学び、防災面での協力を強化したい旨発言。
(1)胡主席より、以下を述べた。
(イ)引き続き密接なハイレベル往来を維持したい。福田総理の北京オリンピック開会式ご出席を心から歓迎する。また、第2回日中ハイレベル経済対話を成功させ、特に省エネ・環境分野での協力を進展させたい。
(ロ)本年が日中平和友好条約締結30周年、日中青少年友好交流年、北京オリンピック開催年に当たるとの機会をとらえ、特に青少年交流を進めたい。また、ハイレベルの防衛交流を促進していきたい。
(2)福田総理より、以下を述べた。
(イ)自分(総理)は北京オリンピック開会式に出席する。
(ロ)「戦略的互恵関係」をともに育てたい。人的交流はその基礎であり強化したい。防衛交流についても、国民間の相互理解の観点からも適切に進めていきたい。
(ハ)先般合意した東シナ海における協力を、「戦略的互恵関係」の象徴的プロジェクトとして高く評価している。両国間の信頼関係強化の観点からも、合意を着実に進めていきたい。
(3)中国産冷凍ギョウザ問題に関し、総理より、食品の安全への日本国民の関心は依然として高く、解決に向けて引き続き捜査当局間で協力していきたい旨述べた。胡主席からは、ギョウザ問題は食の安全と国民の生命・健康に関わる問題であり、中国として一貫して非常に重視してきた、関係部門に対し捜査を加速し、一日も早く真相究明するよう指示している旨述べた。
(1)総理より、北朝鮮の申告に対する検証が確実に行われる必要がある旨を強調した上で、10日からの六者会合を完全な核放棄の実現につなげたく、中国側としても尽力願いたい旨述べた。また、総理より、拉致問題が解決しなければ国交正常化はなく、北朝鮮は日本から本格的な経済協力を得られない旨述べた上で、北朝鮮は未だ具体的行動をとっておらず、日本側としていわゆる制裁を一部解除する状況にない旨説明し、北朝鮮の指導者への働きかけを要請した。
(2)胡主席より、北朝鮮が申告を提出し、ヨンビョンの核施設を破壊した、このプロセスを進展させ、六者会合を新たな段階に押し上げていくことが重要であり、10日からの六者会合で是非成果がでることを願っている旨述べた。また、胡主席より、日朝関係についての総理のご説明に感謝する、中国側としては日朝両国が接触と対話を強化し、意見の違いを解決することを希望し、努力してきた、日本の拉致に関する関心を理解する、中国としてこれからも適切な形で推進していく旨述べた。
時間の関係上、総理より、最後に以下2点を述べて会談を終えた(胡主席は頷きながら聞いていた。)。
(1)気候変動に関し、本日の主要経済国会合で気候変動について大事な話ができた。引き続き協議させ、互いに協力していきたい。日本としてできる協力があれば、行っていきたい。
(2)チベットに関し、ダライ・ラマ側との対話実施を歓迎する。粘り強い対話を期待する。