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新日中友好21世紀委員会第1回会合
(概要)
平成22年2月
新日中友好21世紀委員会
日本側事務局
1.全体日程
(出席委員:別添1(PDF))
(1)2月7日(日曜日)
午後 開幕セッション (於:北京・釣魚台国賓館、以下同じ)
第1セッション(議題:「国際情勢の変化と日中関係」)
(2)2月8日(月曜日)
午前 第2セッション
(議題:「国際・地域の経済情勢と日中協力」)
第3セッション
(議題:「日中両国の世論の変化と日中の国民感情」)
共同記者会見
午後 温家宝国務院総理表敬
夜 外交部長主催夕食会
(3)2月9日(火曜日)
午後 閉幕セッション(於:揚州市迎賓館)
夜 江蘇省主催夕食会(梁保華省委書記、羅志軍省長他出席)
(4)2月10日(水曜日)
午前及び午後 揚州市内視察
夜 揚州市主催夕食会(王燕文市委書記他出席)
2.第1回会合
(1)概要
双方が新しい委員を迎えて行われた初めての会合であり、鳩山総理、温家宝総理からの祝辞(別添2(PDF) )が代読された。また、日中関係をアジア地域、国際社会といった広い視野からとらえ、日中間のあり得る協力の形について議論すると同時に、いまだ脆弱な両国間の国民感情を改善するためにどのように取組むべきかについても議論を行った。特に、日本側からは、宇宙から見た科学技術の進歩と発展や人類の進化の歴史といった時間的、空間的に広い文脈の中で日中関係を捉え、協力のあり方を考えるべきだという問題提起を行った。会議においては、日中双方の委員から様々な具体的提案が提起されたが、今回は第1回会合と言うこともあり、特段のとりまとめは行われなかった。
温家宝総理表敬では、予定した時間を大幅に超えて行われ、全てのやりとりがプレスに公開される等、特別の取扱いがなされた。
会議及び一連の日程を通じて、日中双方の委員間の「心の琴線に触れる」関係の構築が確認され、良いスタートが切れた。また、揚州日程については、地方の党・政府(江蘇省及び揚州市)のトップが一行を招宴する等、盛大に迎えられた。
(2)今次会合において出された主な意見
〔総論・現状認識〕- 国際社会では、国家間の力関係により構成される伝統的国際関係に加えて、NGOやテロ組織など国家以外の要素による非伝統的国際関係の影響力が増加。国民レベルの交流や地方自治体の交流をより重視すべき。
- 発展途上国の発展や変化しつつある日米中関係といった国際情勢の中で、日中がアジア地域の平和的発展のため、主導権を争うことなく、アジア一体化のため協力をすすめていくべき。
- 日本に民主党政権が発足し、自民党の日中関係を継承しレベルアップを図ろうとするのは一つの契機。その意味から、「戦略的互恵関係」の「日中戦略的互恵協力パートナーシップ」への格上げを考えるべき。
- リチウム電気自動車の開発やロボット技術等に代表される現代科学技術の進歩は、深海や南極における探査、国際宇宙ステーションといった地球規模の分野における日中協力の可能性、必要性を生んでいる。人類全体の課題の解決のために科学技術をどう使うか、日中協力の可能性を考えたい。
- 人類がアフリカから世界に散らばり、数を増やしていったという進化の過程や人間の個体間の差の小ささから考えると、世界中の人間はみな兄弟ともいえる。人類は運命共同体。そのような視野の中で日中はどのような協力が可能か考えたい。
- 日中両国は、国際社会において国際公共財を提供する立場に変わりつつある。国際秩序に貢献するハイレベル協力を強化すべき。マクロ経済(人民元、円)、環境・気候変動、平和構築(PKO等)といった分野において、定期的協議を行うことを提案したい。
- 今の日中関係は、両国がともに国際社会に重要な役割を果たし、対等に向き合うという2000年の交流の歴史の中で前例のないもの。21世紀に新しい一歩を踏み出すべく、創造が必要。地球環境等の新しい分野での協力を模索するべき。
- 日中関係は更なる発展のチャンスを迎えている。幅広い分野における協力が求められている。今後の協力の一例として、唐山・曹妃甸に環境・生態系の新しいパーク都市を建設することを提案したい。
- 日中の青少年作家間の交流を活発化させたい。訪中した日本の青年作家が西部の貧困地域を訪問するのも一案。日中文学フォーラムも重視すべき。
- 日中間の仏教交流を強化したい。日中仏教音楽交流、日中茶道交流、現代日中仏教美術展、東京少林文化センターの建設を提案したい。
- 中国では日本の小説の翻訳がブームだが、中国の小説が日本で翻訳されることはほとんどない。文化的アンバランスを解消する必要。
- 日中両国民の相手国への観光旅行は増加傾向。中国人観光客の訪日旅行への一層の便宜が求めたい。
- 上海万博には193の国、49の国際機関が参加し、約100万人の日本人が訪れると見込まれている。2010年を「日中万博交流年」と命名したい。
- 中国は周辺国と学位の相互承認を進めているが、日中間では大きく立ち後れ。学位の相互承認のため、共同研究を始めるべき。
- 両国青少年の交流も重要。日中間には多くのの友好姉妹都市がある。相手国に自国の言語コースを設置するのも一案。
- 日中間の芸術交流の強化をしたい。国際的な音楽会社からCDを共同出版するのも一案。
- 日中の民間の共同世論調査によれば、双方の国民は相手のことを好き、嫌いとする割合は半々。良いところも悪いところも理解しているのが友人であり、この状態が理想的と思う。
- 両国国民にとって、日中関係に関する情報源はメディア。国民感情が論より情で動くのは危険。
- 日本人の対米親近感は様々な問題が起きても7割を維持。対中親近感も、問題が起きても一定の割合を保てるよう努力したい。
3.温家宝国務院総理表敬(8日 16時00分-17時10分)
(1)温家宝総理より、新しいメンバーによる新日中友好21世紀委員会第1回会合が順調に行われたことを嬉しく思う旨述べ、総理自身が作成した漢字による俳句(「春到瑞雪迎、賓朋斉聚自東贏、世代伝友情」)の紹介があった。また、本委員会は日中両国をつなげる架け橋であると同時に、両国国民をつなげる絆でもあり、両座長の指導の下で任務を全うし、日中友好関係の強化に貢献するものと確信している旨発言。
(2)西室座長より、今回は最初の会合であったが、双方の委員間で「心の琴線に触れる」関係を構築することができた、これまでの委員会の提言に新しいものを付け加えたいと思っており、人類の歴史や宇宙から人類、地球がどう見えるかといった時間的、空間的に広いところから意見交換していきたい旨発言。また、温総理の早期の訪日を期待している旨表明。
(3)また、温総理より、会見は活発な意見交換の場にしたいとして、日本側各委員よりそれぞれ今後の委員会での活動への抱負、専門分野の紹介、総理への質問などを行った。その中で、温総理より訪日した際に国谷委員によるインタビューを受けたいとの発言もあった。会見はすべてプレスに公開され、終始和やかな雰囲気の中で予定の時間を大幅に超えて行われた。
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