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日中歴史共同研究第3回会合(概要)

平成20年1月9日

 1月5日及び6日、日中歴史共同研究第3回会合(日本側座長:北岡伸一東京大学教授、中国側座長:歩平中国社会科学院近代史研究所所長。出席者:別添(PDF)PDF)が、中国社会科学院近代史研究所(北京)において開催され、全体会合及び分科会が行われた。

 今次会合では、第2回会合で決められたテーマに基づき提出された日中双方の論文について意見交換が行われるとともに、今後の作業日程について合意されたところ、概要以下の通り。

1.日程

日付 内容
1月5日(土曜日) 8時30分-9時15分 全体会合(冒頭取材あり)
9時30分-17時30分 分科会
1月6日(日曜日) 8時30分-10時00分 分科会
10時30分-11時30分 全体会合
11時30分-12時00分 記者会見

2.会合概要

(1)全体会合冒頭挨拶

(イ)歩平座長

 今回、3回目の全体会合を迎え、新しい執筆委員も加わることとなった。中国側委員を代表し、日本側に感謝と歓迎の意を表す。

 昨年3月に東京で第2回全体会議を開き、共同研究のテーマを決めた。10ヶ月が過ぎたが、深く研究を行う上で10ヶ月は短い。2006年12月に日中歴史共同研究が開始され、それ以降、日中関係には良い雰囲気が現れてきている。昨年4月の温家宝総理の訪中は「氷を溶かす旅」であり、これは安倍総理の「氷を砕く旅」に続くものであった。また福田総理も訪中され、第2の春が始まったと述べられた。今年の春には胡錦濤主席が訪日するが、まさに第2の春が来たということである。ただ、第2の春はそれほど簡単ではなく、我々多くの人間がそのために努力を払ってきた。今年は日中平和友好条約締結30周年であり、多くの人が日中歴史共同研究に大きな期待を持っており、我々の責任は重大である。日中の歴史認識にはまだ問題が存在しており、冷静な思考、科学的認識が欠けている面もある。そういう意味で学者の責任は重い。福田総理は、長い歴史の中には不幸な歴史もあるが、それをありのままに伝えていく必要があると述べられたが、これは共同研究の目的でもある。

(ロ)北岡伸一座長

 昨年は、温家宝総理訪日、福田総理訪中と続き、日中関係がよくなり嬉しく思う。会議を始めた際には大きな課題で大変だと思っていた。今もこれは変わらないが、やはり学者同士でもあり、次第に次に会うのが楽しみになり、大変親しみを感じるようになった。論文交換の中で新たな発見があったりすることも楽しい。本年は日中平和友好条約締結30周年であり、日中にとって重要な年であり、このような年に何とか良いレポートを出したいと思う。

 振り返って考えると、近代を特色づけるのはナショナリズムであり、ナショナリズムは時に有効で役に立つ健全なものであり、また時に危険なものである。学者は客観的な事実、学術的な調査に基づいて、ナショナリズムが行き過ぎないようにする必要がある。今年の一番の話題は北京オリンピックであろうが、オリンピックは一面から見ると国家の競争というところもあり、民族の祭典として宣伝に使われたこともあるが、元々オリンピックは、行きすぎた戦争の最中にあっても一旦停戦をしてスポーツで競うという起源があり、ある種ナショナリズムに対する防波堤の役割を担ってきたのである。私が子供の頃、1964年に東京オリンピックがあったが、日本では日本選手の活躍に声援を送ると同時に、外国の選手の活躍にも声援を送り、様々な国々のお客さんを最大限の敬意をもってお迎えするということに関心を払った。こういう点においてオリンピックは、国々の競争と友好という二つの側面を持っていると思う。我々はこの学術研究においても、よりよいものを書くという競争の側面と、友好の側面を持っており、その意味では共通するところがある。オリンピックの開幕に先立って、われわれは是非協力して、両グループの成果を示し、世界に対して日中友好の強固さを示したいと思う。

(2)近現代史分科会

 以下の各章につき日中双方1本ずつ、合計18本の論文を執筆予定。これまで16本について報告・意見交換。

第1部 アヘン戦争(1840年)から満州事変(1931年)までの時期
 第1章 アヘン戦争(1840年)から日清戦争(1894年)まで
 第2章 日清戦争(1894年)から辛亥革命(1911年)まで
 第3章 第一次大戦(1914年)から1920年代まで

第2部 満州事変(1931年)から終戦(1945年)までの時期
 第1章 満州事変(1931年)から盧溝橋事件(1937年)まで
 第2章 盧溝橋事件(1937年)から日米開戦(1941年)まで
 第3章 日米開戦(1941年)から終戦(1945年)まで

第3部 戦後(1945年以降)の時期
 第1章 戦後(1945年)から日中国交正常化(1972年)まで
 第2章 日中国交正常化(1972年)から現在まで
 第3章 日中における歴史認識、歴史教育等について

(3)古代・中近世分科会

 総論も含めて、各章につき日中双方1本ずつ、合計14本の論文を執筆予定。これまで12本について報告・意見交換。

第1部 「東アジアの国際秩序とシステムの変容」
 第1章 「7世紀の東アジア国際秩序の創成」
 第2章 「15世紀から16世紀の東アジア国際秩序と日中関係」

第2部 「中国文化の伝播と日本文化の創造的発展の諸相」
 第1章 「思想、宗教の伝播と変容」
 第2章 「ヒトとモノの移動」

第3部 「日中両社会の相互認識と歴史的特質の比較」
 第1章 「日本人と中国人の相互認識」
 第2章 「日中の政治、社会構造の比較」

3.今後のスケジュール(予定)

 2008年6月後半~7月前半に報告書をとりまとめることを目指し、以下のスケジュールで活動を行う。

日付 予定
2008年3月14日~16日 近現代史分科会(日本)
2008年3月20日~23日 古代・中近世史分科会(福岡)
2008年5月 近現代史分科会、古代中近世史分科会(中国)
2008年6月後半又は7月前半 第4回全体会合(東京)、報告書を完成。

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