カーボベルデ共和国
カーボベルデ共和国(Republic of Cabo Verde)
基礎データ


一般事情
1 面積
4,033平方キロメートル(日本の滋賀県程度)
2 人口
59.9万人(2023年、世銀)
3 首都
プライア
4 民族
ポルトガル人とアフリカ人の混血が約70%。
5 言語
ポルトガル語(公用語)、クレオール語
6 宗教
キリスト教(カトリック)
7 国祭日
7月5日(独立記念日)
8 略史
年月 | 略史 |
---|---|
15世紀頃 | ポルトガル船来航(当時は無人の群島) |
1963年 | ポルトガルの海外州となる |
1975年7月 | ポルトガルより独立 |
1985年12月 | 総選挙(ペレイラ大統領3選) |
1990年9月 | 憲法改正(複数政党制への移行) |
1991年2月 | 大統領選挙(モンテイロ大統領選出) |
1996年2月 | 大統領選挙(モンテイロ大統領再選) |
2001年2月 | 大統領選挙(ピレス大統領選出) |
2006年2月 | 大統領選挙(ピレス大統領再選) |
2011年8月 | 大統領選挙(フォンセカ大統領選出) |
2016年10月 | 大統領選挙(フォンセカ大統領再選) |
2021年10月 | 大統領選挙(ネーヴェシュ大統領選出) |
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
ジョゼ・マリア・ネーヴェシュ大統領
(Jose Maria NEVES)
3 議会
一院制(国民議会72議席、任期5年)
4 政府
- (1)首相
- ジョゼ・ウリシュス・コレイア・エ・シルヴァ(José Ulisses Correia e Silva)
- (2)外務・協力・地域統合大臣
- ジョゼ・フィロメノ・デ・カルバーリョ・ディアス・モンテイロ(Jose Filomeno De Carvalho Dias Monteiro)
5 内政
独立(1975年)以来、カーボベルデ独立アフリカ党(PAICV)による一党政治が安定して継続されてきたが、政府が国家建設(行政機構の確立)の基礎が完了したと判断したこと、内外の情勢を考慮した結果、1990年9月、複数政党制が導入された。1991年1月、複数政党制の下で初めての国民議会議員選挙が行われ、新興政党「民主運動党(MPD)」が勝利、同年2月の大統領選挙でモンテイロ新大統領が選出された。1995年12月の国民議会選挙においても、与党(MPD)が大勝、1996年2月の大統領選でモンテイロ大統領が再選された。
しかし、2001年1月の国民議会選挙においてはPAICVが勝利を収め、また、同年2月の大統領選挙ではピレスPAICV候補が当選。1991年以降野党の座にあったPAICVが完全に与党の座に返り咲き、2006年の大統領選挙でもピレス大統領は再選、同国史上最年少でネーヴェス首相が就任。
2011年2月には国民議会選挙が実施され、ネーヴェシュ首相が再任。2011年8月には大統領選挙が実施され、野党MPD候補のフォンセカ氏が選出された。2016年3月の国民議会選挙では、MPDが勝利して与野党が交代し、コレイア・エ・シルヴァ首相が就任した。
2016年10月に大統領選挙を実施、現職のフォンセカ大統領が再選された。2021年10月の大統領選挙では、野党PAICVが支持するネーヴェシュ元首相が当選した。
外交・国防
1 外交基本方針
伝統的に欧米・西アフリカ諸国との関係が強いが、ポルトガル語圏諸国、アジア諸国との関係も重視しており、全方位外交を展開している。
2 軍事力
- (1)予算 1,500万ドル(2023年、2024年版ミリタリーバランス)
- (2)兵役 選抜徴兵制(2024年版ミリタリーバランス)
- (3)兵力 1,200人(陸軍1,000人、空軍100人、海上保安隊100人)(2024年版ミリタリーバランス)
経済
1 主要産業
- 農業(バナナ、サトウキビ)
- 漁業(マグロ、ロブスター)
2 GDP
25.87億米ドル(2023年、世銀)
3 一人当たりGNI
4,280米ドル(2023年、世銀)
4 経済成長率
5.15%(2023年、世銀)
5 物価上昇率
3.86%(2023年、世銀)
6 失業率
11.99%(2023年、ILO推計)
7 総貿易額(2023年、ITC)
- (1)輸出 4,389万米ドル
- (2)輸入 9億1,760万米ドル
8 主要貿易品目(2021年、ITC)
- (1)輸出 肉類、魚介類、衣料品
- (2)輸入 鉱物燃料、機械類、穀物
9 主要貿易相手国(2023年、ITC)
- (1)輸出 スペイン、ポルトガル、イタリア
- (2)輸入 ポルトガル、スペイン、米国
10 通貨
カーボベルデ・エスクード
11 為替レート
1ユーロ=110.265カーボベルデ・エスクード(固定レート)
経済概況
安定した政治と自由経済とが相まって、順調な経済成長を達成し、政府の主要経済政策として、国家債務削減による財政改善、成長産業への優遇税制導入、マクロ経済安定、海外直接投資の呼び込み、社会サービスの向上を目指している。2007年末に後発開発途上国(LDC)から卒業し、2008年7月にWTO加盟。他方、国民の約35%が依然として1日2ドル以下で生活するなど貧困率は高い。
経済協力
2020年に策定した国別開発協力方針では、持続可能な成長による安定した社会の形成支援を基本方針とし、基礎インフラ整備等の経済基盤整備支援、及び食料安全保障の確保等の社会的包摂性の促進と格差是正に資する支援を重点分野としている。
1 日本の援助実績(2022年度までの累積)(単位:億円)
- (1)有償資金協力(借款契約ベース)
- 259.46
- (2)無償資金協力(交換公文ベース)
- 189.01
- (3)技術協力実績(JICA経費実績ベース)
- 25.54
2 主要援助国(2021年:単位:百万ドル、OECD/DAC)
- (1)ルクセンブルク(22.09)
- (2)ポルトガル(16.20)
- (3)ハンガリー(9.87)
- (4)日本(7.64)
- (5)スペイン(2.78)
二国間関係
1 政治関係
1975年7月、日本はカーボべルデを承認。双方とも実館は開設しておらず、日本側は在セネガル大使館が兼轄。
人的・経済的交流は未だ小さいが、経済協力を通じて両国関係は概ね良好。
2 経済関係
- (1)対日貿易(2023年、財務省)
-
- ア 貿易
- 対日輸出 125.2万円
- 対日輸入 7.3億円
- イ 主要品目
- 対日輸出 医薬品
- 対日輸入 輸送用機器及び一般機械等
- (2)進出企業 0社(2023年10月)
3 文化関係
- ヴァヴァ・ドゥアルテ競技場に対するスポーツ器材購入支援(2000年)
4 在留邦人数
3人(2023年10月現在)
5 在日当該国人数
13人(2023年6月現在)
6 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
2006年8月 | 杉浦法務大臣 |
2016年9月 | 日AU友好議連(山際大志郎衆議院議員、牧原秀樹衆議院議員) |
年月 | 要人名 |
---|---|
1988年8月 | ブリト計画協力担当相 |
1989年2月 | ダ・ルス外相(大喪の礼) |
1990年11月 | ダ・ルス外相(即位の礼) |
1991年9月 | セメドー漁業長官 |
1993年10月 | ヴェイガ経済調整相(第1回アフリカ開発会議(TICAD)) |
1997年11月 | ジェジュス外務長官 |
1998年10月 | ジェジュス外務・共同体相(TICAD II) |
2001年12月 | ファティマ・ヴェイガ外務担当閣外相(TICAD閣僚レベル会合) |
2002年11月 | ソウザ・インフラ運輸相(非公式) |
2003年3月 | ヌヴェス環境・農業・漁業相(世界水フォーラム) |
2003年9月 | バルボザ外務・協力・共同体省事務次官(TICAD III) |
2005年1月 | モリシオ国防・国会相(国連防災世界会議) |
2008年3月 | ブリト経済・成長・競争力相 |
2008年5月 | ピレス大統領、デュアルテ財務・公共行政相(TICAD IV) |
2012年3月 | デュアルテ財務・計画相(閣僚級招へい) |
2012年11月 | ロシャ外務閣外相 |
2013年6月 | ネーヴェシュ首相、ロシャ外務閣外相(TICAD V) |
2018年10月 | タヴァルシュ外務・共同体相兼国防相(TICAD閣僚会合) |
2019年8月 | コレイア・エ・シルヴァ首相(TICAD 7) |
2019年10月 | ジョルジュ・カルロス・フォンセカ大統領(即位礼正殿の儀) |
2024年1月 | ミリアン・ヴィエイラ外務・協力閣外相(戦略的実務者招へい) |
2024年8月 | ソアレシュ外務・協力・地域統合相(TICAD閣僚会合) |
7 二国間条約・取極
- 技術協力協定(2006年9月)