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提供:新潮社
写真:赤毛のアン記念館・村岡花子文庫
翻訳家および作家(童話や随筆など)。特に、モンゴメリ作「赤毛のアン」シリーズの翻訳で有名である。
1893年、山梨県甲府市に生まれる。カナダとのつながりは、父親がカナダ・メソジスト派のクリスチャンであったことに遡り、2歳で洗礼を受ける。10歳の時に、カナダ人宣教師が設立したミッションスクール・東洋英和女学校(現・東洋英和女学院)に入学。寄宿生活を送りながら、カナダ人宣教師から英語教育を受ける。同校を卒業後は、英語教師として教鞭をとる傍ら、歌集や短編集を刊行するなど創作活動も始める。その後、編集者を経て、1927年にマーク・トウェインの「王子と乞食」を翻訳・出版して以来、「スー姉さん」、「リンバロストの乙女」、「少女パレアナ」、「そばかすの少年」など、多くの家庭文学の翻訳を手がけた。また、文筆活動以外にも、1932年から1942年までNHKラジオ番組「コドモの新聞」に出演し、人気を博した。1939年、戦争により日加関係が悪化したため本国へ帰るカナダ人宣教師から、モンゴメリ作の“Anne of Green Gables"を寄贈され、戦時中もひらすら翻訳を続けた。同書は、1952年邦題「赤毛のアン」として出版に至った。その後、モンゴメリ作品をはじめ多くの家庭文学の翻訳を手がけ、1960年には藍綬褒章を受賞。没年(1968年)まで日加交流を深めた。“Anne of Green Gables"は、2008年に出版100周年をむかえた。