カナダ
カナダ(Canada)
基礎データ


一般事情
1 面積
998.5万平方キロメートル(ロシアに次ぐ世界第2位、日本の約27倍)
2 人口
約3,789万人(2020年1月カナダ統計局推計)
3 首都
オタワ
4 言語
英語、フランス語が公用語
5 宗教
国民の3分の2以上(67.3%)がキリスト教徒(国民の約39%がローマ・カトリック)、約2割(23.9%)が無宗教(2011年カナダ統計局)
6 国祭日
7月1日 Canada Day(建国記念日)
7 略史
年月 | 略史 |
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1867年 | 英領北アメリカ法によりカナダ連邦結成(自治が認められたが、外交権及び憲法改廃権は英国に帰属) |
1928年 | 日本と外交関係樹立 |
1931年 | ウェストミンスター憲章により実質的に独立 |
1982年 | 「1982年カナダ憲法」により、英国から憲法改廃権を完全移管 |
政治体制・内政
1 政体
立憲君主制(イギリス型議院内閣制と連邦主義に立脚)
2 元首
エリザベス二世女王(但し、総督が女王の代行を務める。現総督は、ジュリー・ペイエット総督)
3 議会
二院制(上院105名、下院338名)
- (1)上院:[議長 ジョージ・フューリ(ニューファンドランド・ラブラドール州出身)]
- ア 首相の助言により総督が任命(75歳定年制)
- イ 政党別議員数(2020年3月時点、定員105名)
-
上院の政党別議員数 政党 議員数 無所属上院議員連盟 44 保守党 20 カナダ上院議員連盟 13 進歩上院連盟 11 無所属 6 空席 11 - (2)下院:[議長 アンソニー・ロタ(オンタリオ州出身、自由党)]
- ア 小選挙区制(任期:最長5年)
- イ 勢力分野(2020年4月時点、定員338名)
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下院の政党別議員数 政党 議員数 自由党 155
(下院議長を含む。)保守党 121 ブロック・ケベコワ 32 新民主党 24 緑の党 3 無所属 3 空席 0
4 政府
- 首相 ジャスティン・トルドー
- 外相 マーク・ガルノー
5 内政
- (1)2019年10月の下院総選挙の結果、与党自由党は議席を減らし、過半数(170議席)を割り込んだものの、比較第一党の地位を確保し、11月20日に第二次トルドー内閣が成立。第一次政権で外相を務めたフリーランド氏は副首相兼州政府間関係相となり、外相には第一次政権で国際貿易大臣であったシャンパーニュ氏が就任した。
- (2)第二次トルドー政権では、首相を除く閣僚36名のうち女性が18名と半数を占めており、女性の社会進出を支援する現政権の姿勢が色濃く反映されている。
- (3)政権としての最優先事項は、1気候変動、2中間層支援の強化、3先住民との和解、4国民の安全と健康、5不安定な国際社会におけるカナダの成功の5課題。
外交・国防
1 外交基本方針
- (1)カナダは伝統的に米国を最も緊密な同盟国と位置付け、対米関係を最重要視。更に国連、NATO、G7、WTO、米州機構(OAS)等の多国間の枠組みを活用した多国間外交を展開。
- (2)また、近年では、インド太平洋地域への関与を強めている。2019年4月の安倍総理訪加の際には、「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンの下、日加が戦略的パートナーシップを強化することで一致し、北朝鮮船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対する警戒監視活動のための艦船の派遣を2年延長することを発表した。
- (3)一方、中国との関係では、2018年末に発生したファーウェイ社CFO(最高財務責任者)の拘束とその後に発生したカナダ人2名の拘束が進展を見ず、引き続きカナダにとって課題となっている。
2 国防
- (1)予算 189億加ドル(2016-2017年度予算。2026-27年度までに327億加ドルまで増額の予定。)
- (2)兵役 なし
- (3)兵力 約66,600人(陸軍:約23,000人、海軍:約8,300人、空軍:約12,000人、その他:23,300人、このほか予備役約27,000人)(ミリタリーバランス2019)
経済
1 主要産業
金融・保険・不動産などのサービス業、製造業、建設業、鉱業、農林業
(カナダ統計局)
2 GDP(名目値)
1兆7,133億米ドル(2018年、World Bank)
3 一人当たりのGNI(名目値)
44,940米ドル(2018年、World Bank)
4 実質GDP成長率
1.7%(2019年、カナダ統計局)
5 消費者物価上昇率
1.9%(2019年、カナダ統計局)
6 失業率
5.7%(2019年、カナダ統計局)
7 主要貿易品目
- (1)輸出 エネルギー製品、自動車及び同部品、一般機械、金属及び非金属鉱物、電気機器
- (2)輸入 自動車及び同部品、一般機械、電気機器、エネルギー製品、プラスチック製品等
(2019年、カナダ統計局)
8 主要貿易相手国
- (1)輸出 米国、EU、中国、メキシコ、日本
- (2)輸入 米国、EU、中国、メキシコ、日本
(2019年、カナダ統計局)
9 通貨
カナダ・ドル
10 為替レート
1加ドル=83円(2020年1月中適用、日本銀行)
11 経済概況
- (1)カナダ経済は米国経済及び油価に大きな影響を受ける。2017年は好調な米国経済に牽引され、実質GDP成長率は3.2%となったが、不透明な国際経済情勢の影響もあり、2018年は2.0%、2019年は1.6%となった。
- (2)2019年11月に発足した第二期トルドー政権は、中間層に対する経済政策、気候変動に配慮したエネルギー開発、米国やアジア太平洋地域との連携強化等の課題に取り組む。
- (3)2020年3月、カナダ銀行(中央銀行)は、新型コロナウイルスによる景気の停滞に対応するため、4年8カ月ぶりとなる利下げを行った(2020年3月27日政策金利は、0.25%)。また、2020年3月、カナダ政府は、新型コロナウイルス感染症に対応するための財政金融政策を打ち出している。
二国間関係
1 全般
日本とカナダは、インド太平洋地域の重要なパートナーであると同時に、共にG7のメンバーとして、政治、経済、安全保障、人的交流等、幅広い分野で密接に協力している。
第一次トルドー政権発足以来、日加両国は、首脳会談8回、外相会談を13回実施したほか、電話会談や、各種国際会議等の場など、ハイレベルで頻繁に接触している。
主要要人往来
年月 | 要人 |
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2009年7月 | 天皇皇后両陛下御訪加(国賓としてのご訪問) |
2010年3月 | 岡田外務大臣訪加(G8外相会合出席) |
2010年6月 | ヴァンローン国際貿易相訪日(APEC国際貿易大臣会合出席) |
2010年6月 | 菅総理大臣訪加(G8・G20首脳会議出席) |
2010年9月 | 横路衆議院議長訪加(G8下院議長会議出席) |
2010年9月 | 尾辻参議院副議長訪加(G20上院議長会議出席) |
2010年11月 | ハーパー首相訪日(APEC首脳会談出席) |
2010年11月 | キャノン外相訪日(APEC閣僚級会合出席) |
2011年9月 | ファスト国際貿易相訪日(ACTA署名式出席) |
2011年11月 | アシュフィールド漁業・海洋相訪日 |
2011年11月 | フラハーティ財相訪日 |
2011年11月 | オリバー天然資源相訪日 |
2012年3月 | ハーパー首相、ベアード外相、ファスト国際貿易相、リッツ農業・食料相、オダ国際協力相訪日 |
2012年9月 | オリバー天然資源相訪日(LNG産消会議出席) |
2012年10月 | グッドイヤー国務相訪日(STSフォーラム出席) |
2012年10月 | フラハーティ財相訪日(国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会出席) |
2013年3月 | リッツ農業・食料相訪日 |
2013年4月 | ファスト国際貿易相訪日 |
2013年4月 | ワン国務相(高齢者担当)訪日 |
2013年4月 | パラディ産業相訪日 |
2013年5月 | シーア下院議長訪日(衆議院招待) |
2013年9月 | 安倍総理大臣訪加 |
2014年4月 | リッツ農業・食料相訪日 |
2014年7月 | ベアード外相訪日 |
2015年3月 | リッツ農業・食料相訪日 |
2015年12月 | ビボー国際開発相(世界基金第5次増資準備会合等出席) |
2016年2月 | 岸田外務大臣訪加 |
2016年4月 | ディオン外相訪日(G7広島外相会合) マコーレー農業相訪日(G7農業大臣会合) |
2016年5月 | 大島衆議院議長訪加 カー天然資源相訪日(G7エネルギー大臣会合) ミハイチャック雇用・労働力開発・労働相訪日(G7教育大臣会合) マッケナ環境・気候変動相訪日(G7環境大臣会合) ダンカン科学相訪日(G7科学技術大臣会合) モルノー財相訪日(G7財務大臣・中央銀行総裁会議) トルドー首相訪日(公式実務訪日賓客、G7伊勢志摩サミット) フリーランド国際貿易相訪日(トルドー首相に同行) |
2016年9月 | リーガン下院議長訪日(G7下院議長会議) フィルポット保健相訪日(G7保健大臣会合) ガルノー運輸相訪日(G7交通大臣会合) |
2017年5月 | シャンパーニュ国際貿易相訪日 |
2018年1月 | 河野外務大臣訪加(北朝鮮に関する関係国外相会合) |
2018年3月 | フリーランド外相訪日(外務省賓客) |
2018年4月 | 河野外務大臣訪加(G7外相会合) |
2018年6月 | 安倍総理訪加(G7サミット) |
2018年9月 | 大島衆議院議長訪加 河野外務大臣訪加(カナダ・EU共催女性外相会合) |
2018年10月 | モルノー財務相訪日 |
2019年1月 | カー国際貿易多様化相訪日(TPP委員会) |
2019年4月 | 安倍総理訪加 |
2019年5月 | ビボー農務・農産食料相訪日(G20農業相会合) |
2019年6月 | サージャン国防相訪日 トルドー首相、フリーランド外相訪日(G20大阪サミット) カー国際貿易多様化相訪日(G20貿易・デジタル経済相会合) |
2019年8月 | 憲仁親王妃久子殿下カナダ非公式御訪問 |
2019年10月 | ワグナー最高裁裁判所長官夫妻訪日(即位の礼) |
2019年11月 | シャンパーニュ外相訪日(G20外相会合) |
2 経済関係
日本はカナダから主に原材料・農産品を輸入し、日本からカナダへは主に自動車や機械等の製造業品を輸出しており、貿易関係は相互補完的。近年、AI、IoT等イノベーション分野での相互投資が加速している。
カナダは石油・天然ガス産出国であり、カナダ西部では日本を含めたアジア向けLNG輸出計画が進行している。2019年6月には、カナダ西海岸から液化石油ガス(LPG)が日本を含むアジア諸国に輸出されるなど、エネルギー協力が進展している。
1976年以降、ほぼ年に1回、日加次官級経済協議(JEC)を開催し、国際経済情勢や、5つの優先協力分野(インフラ、エネルギー、科学技術、ビジネス環境・投資、観光・学生交流)強化について議論している。環太平洋パートナーシップ(TPP)協定については、2018年3月、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)」に11か国で署名し、同年12 月に発効。これにより日加間で初めてとなる経済連携協定が成立した。
- (1)対加貿易(2019年、財務省貿易統計)
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貿易額 主要品目 日本による輸出 9,677億円 輸送用機器、一般機械、電気機器 日本による輸入 1兆2,891億円 鉱物性燃料、農産品、林産品 - (2)直接投資残高(2018年、日本銀行統計)
- 対加 1兆8,929億円
- 対日 1,415億円
3 在加邦人数
73,571人(2018年10月1日現在 外務省統計資料)
4 在日カナダ人数
10,751人(2019年6月末時点 法務省統計資料)