ボツワナ共和国
ボツワナ共和国(Republic of Botswana)
基礎データ
一般事情
1 面積
56.7万平方キロメートル(日本の約1.5倍)
2 人口
267万人(2023年:世銀)
3 首都
ハボローネ(Gaborone)
4 民族
ツワナ族(79%)、カランガ族(11%)、バサルワ族(3%)等
5 言語
英語、ツワナ語(国語)
6 宗教
キリスト教、伝統宗教
7 国祭日
9月30日(独立記念日)
8 略史
年月 | 略史 |
---|---|
1885年 | イギリス保護領となる |
1891年 | 駐南アフリカ英高等弁務官の管轄となる |
1966年 | 独立(初代大統領カーマ大統領) |
1980年 | マシーレ大統領就任 |
1998年 | マシーレ大統領引退(3月31日) モハエ大統領就任(4月1日) |
1999年 | モハエ大統領再任(10月20日) |
2008年 | モハエ大統領引退(3月31日) カーマ大統領就任(4月1日) |
2009年 | カーマ大統領再任(10月20日) |
2014年 | カーマ大統領再任(10月28日) |
2018年 | カーマ大統領引退(3月31日) マシシ大統領就任(4月1日) |
2019年 | マシシ大統領再任(就任式:11月1日) |
政治体制・内政
1 政体
共和制
2 元首
モクウィツィ・マシシ大統領(Mokgweetsi MASISI)
2018年4月1日就任、2019年11月1日再任(任期5年)
3 議会
一院制国民議会
4 政府
- 副大統領:
- スランバー・ツォフワネ(Slumber TSOGWANE)
- 外務大臣:
- レモハン・クワペ(Lemogang KWAPE)
5 内政
- (1)1966年の独立以来、複数政党制の下、ボツワナ民主党(BDP)が政権を維持してきている。
- (2)2008年3月31日、モハエ大統領が引退し、同4月1日、憲法の規定によりカーマ副大統領が第4代大統領に就任した(注:カーマ第4代大統領は、カーマ初代大統領の子息)。
- (3)2009年10月16日、国民議会選挙が実施され、57議席中、与党BDPが45議席を獲得し、国民議会においてカーマ大統領が再任された。
- (4)2010年5月、与党BDP内の大統領の党運営方針に反発する一部勢力が、BDPを離党して新党を結成したが、その後も与党BDPが議席の大半を占めた。
- (5)2014年10月24日、国民議会選挙が実施され、57議席中、与党BDPが40議席を獲得し、国民議会においてカーマ大統領が再任された。
- (6)2018年3月31日、任期満了のためカーマ大統領が退任し、同年4月、憲法上の規定によりマシシ副大統領が大統領に就任。2019年10月23日、国民議会選挙が実施され、与党BDPが57議席中、過半数を超える38議席を獲得し、マシシ大統領が再任。次回国民議会選挙は2024年10月30日。
外交・国防
1 外交基本方針
マシシ大統領は、地域諸国との関係を重視しつつ、国連等の多国間外交にも力を入れている。欧米との良好な関係を維持しつつも、最近は中東との外交も積極的に行う等、全方位外交を基軸とする。前カーマ政権時代に冷え込んでいた中国との関係も修復(2021年に中国との一帯一路協力にかかるMOUに署名)。かつて南アフリカ(以下、南ア)のアパルトヘイト政策に対する批判的立場から、反南ア政治姿勢をとっていたが、南アの民主化に伴い、緊張関係は解消された。地域的枠組みの強化にも努めており、南部アフリカ諸国の経済的統合を目的とする南部アフリカ開発共同体(SADC)事務局の所在地となっている。
2 軍事力
- (1)予算
- 約489百万ドル
- (2)兵役
- 志願制
- (3)兵力
- 総兵力9,000人
(世銀2022)
経済
1 主要産業
- (農業)こうりゃん、メイズ
- (畜産)牛、羊
- (鉱業)ダイヤモンド、銅、石炭
- (工業)繊維製品、食品加工
2 GDP
194億米ドル(2023年:世銀)
3 一人当たりGNI
7,620米ドル(2023年:世銀)
4 経済成長率
2.7%(2023年:世銀)
5 物価上昇率
5.1%(2023年:世銀)
6 失業率
23.4%(2023年:世銀)
7 総貿易額
- (1)輸出
- 55.03億ドル
- (2)輸入
- 64.17億ドル
(2023年:UN Comtrade)
8 主要貿易品目
- (1)輸出
- ダイヤモンド、銅、機械・電気機器
- (2)輸入
- ダイヤモンド、燃油、食料
(2023年:ボツワナ統計局)
9 主要貿易相手国
- (1)輸出(%)
- UAE(26.8%)、ベルギー(18.0%)、インド(14.8%)、南アフリカ(9.67%)
- (2)輸入(%)
- 南アフリカ(60.5%)、ナミビア(8.59%)、ベルギー(5.0%)、インド(4.2%)
(2022年:OEC)
10 通貨
プラ(Pula)
11 為替レート
1米ドル=13.60プラ(ボツワナ銀行:2024年7月末)
12 経済概況
独立当初のボツワナ経済は、牧畜を基幹産業とし、牛肉の輸出に全面的に依存していたが、1967年にダイヤモンドが発見されて以降、急速な経済発展を遂げた。ボツワナの経済は、産出高世界第2位を誇るダイヤモンド産業がGDPの約2割、政府歳入の約3割を占め、30年間の経済成長率が平均約9%と世界的にも有数の高い経済成長を遂げた。一方で、政府は、ダイヤモンド依存型経済からの脱却を目指し、長期的経済開発に向けた「ビジョン2036」に基づき、産業の多角化を進めている他、雇用創出、格差是正、地域インフラ整備等を内容とする「国家開発計画(NDP)」(2023年4月~2025年3月の期間は暫定NDP(TNDP))を実施中。
コロナ禍の影響で落ち込んだ経済は2021年以降一旦持ち直したものの、ウクライナ情勢の影響で原油、食料品価格の高騰等でインフレが課題。また、2023年後半よりダイヤモンド価格の下落による輸出低迷のため貿易収支は赤字が定着しつつある。
2013年2月、アフリカでは初となる地上デジタル放送日本方式(ISBD-T方式)の採用を決定し、同年7月、ハボローネにて地デジ運用開始式典が開催された。2015年6月、全国放送開始。2022年10月、アナログ停波を完了し、日本方式の導入国で初めて地デジへの完全移行を達成した。
経済協力
1 日本の援助実績(2021年度までの累計)(単位:億円)
- (1)有償資金協力 219.81
- (2)無償資金協力 54.06
- (3)技術協力実績 97.96
2 主要援助国(2020年DAC、単位:百万米ドル)
- (1)米国(54.50)
- (2)日本(13.41)
- (3)英国(2.55)
- (4)ドイツ(1.30)
二国間関係
1 政治関係
- 1966年9月
- 独立と同時に承認(1997年6月1日より在南ア大が管轄)
- 1997年8月
- 駐日ボツワナ大使館開設
- 1999年4月
- 駐日特命全権大使着任
- 2008年1月
- 駐ボツワナ日本国大使館開設
- 2008年6月
- 駐ボツワナ特命全権大使着任
2 経済関係
(1)日本の対ボツワナ貿易
- ア 貿易額(2023年:財務省貿易統計)
- 輸出 25.85.億円
- 輸入 30.91億円
- イ 主要品目(同)
- 輸出 一般機械、輸送機器、繊維
- 輸入 ダイヤモンド、工業用ダイヤモンド
(2)日本からの直接投資
進出企業 6拠点(現地企業との合弁等を含む)
3 文化関係
- 一般文化無償:国営テレビ局番組ソフト整備計画(2013年7月)
4 在留邦人数
60人(2023年10月)
5 在日当該国人数
77人(2023年12月)
6 要人往来
年月 | 要人名 |
---|---|
2001年9月 | 鈴木宗男衆議院議員 |
2004年7月 | 日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟一行(松下忠洋衆議院議員、森岡正宏衆議院議員、福井照衆議院議員、小渕優子衆議院議員) |
2006年7月 | 矢野哲朗参議院議員、椎名一保参議院議員 |
2006年7月 | 日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟一行(大野功統衆議院議員、小渕優子衆議院議員、田中和徳衆議院議員、奥野信亮衆議院議員、山谷えり子衆議院議員) |
2007年8月 | 西村康稔衆議院議員 |
2007年11月 | 甘利明経済産業大臣 |
2008年9月 | 南部アフリカ貿易・投資促進合同ミッション(団長:吉川貴盛経済産業副大臣、副団長:三原朝彦衆議院議員、山際大志郎衆議院議員) |
2008年9月 | 矢野哲郎参議院議員 |
2009年3月 | TICAD閣僚級フォローアップ会合(福田康夫前総理大臣(政府特使)、中曽根弘文外務大臣、御法川信英外務大臣政務官) |
2013年2月 | 松山政司外務副大臣 |
2013年4月 | 橘慶一郎総務大臣政務官 |
2013年7月 | 橘慶一郎総務大臣政務官(地デジ開始式典出席) |
2013年8月 | 日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟一行(三原朝彦衆議院議員、小坂憲次参議院議員、三ツ矢憲生衆議院議員、山際大志郎衆議院議員、伊藤忠彦衆議院議員) |
2014年1月 | 新藤義孝総務大臣 |
2015年12月 | 黄川田仁志外務大臣政務官 |
2017年7月 | 日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟一行(三原朝彦衆議院議員、山際大志郎衆議院議員) |
2018年4月 | 新藤義孝衆議院議員(総理特使、マシシ大統領就任式) |
年月 | 要人名 |
---|---|
1993年10月 | マシーレ大統領、チエペ外相(アフリカ開発会議(TICAD I)出席) |
1998年10月 | モハエ大統領、マシーレ前大統領(第2回アフリカ開発会議(TICAD II)出席) |
2000年6月 | モロモ国会議長(故小渕前総理大臣葬儀参列) |
2001年12月 | メラフェ外相(TICAD閣僚会合出席) |
2003年3月 | モハエ大統領(世界水フォーラム出席) |
2003年9月 | ハオラテ大蔵・開発計画相(第3回アフリカ開発会議(TICAD III)出席) |
2004年8月 | チエペ前外相(故鈴木元総理大臣葬儀参列) |
2005年6月 | カーマ副大統領(外務省賓客) |
2005年9月 | モカイラ環境・野生動物・観光相(旅行博出席) |
2006年6月 | モハエ大統領、メラフェ外相、ティボネ鉱物・エネルギー・水資源相、モカイラ環境・野生動物・観光相(ボツワナ・ウィーク) |
2006年8月 | モロモ前国会議長(故橋本元総理大臣葬儀参列) |
2007年8月 | ケディキルウェ鉱物・エネルギー・水資源相(故宮澤元総理大臣葬儀参列) |
2008年5月 | メラフェ副大統領(第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)出席) |
2008年10月 | ンカテ教育相 |
2010年5月 | モツミ大統領府行政相 |
2010年10月 | カーマ大統領(実務訪問賓客) |
2010年10月 | モカイラ環境・野生生物・観光相(生物多様性条約会議(COP10)出席) |
2010年10月 | スワルツ・インフラ科学技術相(第2回日本アフリカ科学技術大臣会合出席) |
2011年1月 | ナシャ国民議会議長(参議院招へい) |
2011年11月 | ケディキルウェ鉱物・エネルギー・水資源相 |
2013年6月 | カーマ大統領、マシシ大統領府公共政策担当相、マカト=マレス通産相(第5回アフリカ開発会議(TICAD V)出席) |
2013年7月 | マシシ大統領府公共政策担当相 |
2013年10月 | モレフィ運輸通信相 |
2015年3月 | マカレメレ大統領府公共政策担当副大臣(第3回国連防災世界会議出席) |
2017年1月 | マシシ副大統領 |
2018年10月 | ダウ外務国際協力相(TICAD閣僚会合) |
2019年8月 | ダウ外務国際協力相(TICAD7) |
2023年10月 | ケレン環境・観光相(ツーリズム・エキスポ・ジャパン2023) |
2024年8月 | クワペ外相(TICAD閣僚会合) |
7 二国間条約・取極
- 1992年3月
- 青年海外協力隊派遣取極
8 外交使節
- (1)ボツワナ共和国駐箚日本国大使
- 大森 摂生 特命全権大使(2022年12月着任)
- (2)本邦駐箚ボツワナ共和国大使
- ホツィレエネ・モラケ駐日特命全権大使(2021年8月着任)