中東

バーレーン王国(Kingdom of Bahrain)

基礎データ

平成30年2月15日

  • バーレーン王国国旗

一般事情

1 面積

769.8平方キロメートル(2012年中央情報局。東京23区と川崎市を併せた面積とほぼ同じ大きさ)

2 人口

142.4万人,うちバーレーン人は,66.5万人(48%)(2017年,Informatics & e-Government Authority

3 首都

マナーマ市

4 民族

アラブ人

5 言語

アラビア語

6 宗教

イスラム教

7 略史

 古代バビロニア,アッシリア時代にはディルムーンという名の有力な貿易中継地であり,またBC3世紀から15世紀にかけては真珠の産地として栄えた。18世紀にアラビア半島から移住したハリーファ家がバーレーンの基礎を作り,1932年には石油の生産を開始,その後近代化を進め,1971年8月英国から独立した。

政治体制・内政

1 政体

立憲君主制

2 元首

ハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王

3 議会

  • 1973年 国民議会招集(1975年解散,廃止)
  • 1992年 諮問評議会を設置(立法権なし,2002年解散)
  • 2002年 二院制の国民議会(諮問院・下院)を設置(立法権あり)
    • 諮問院:定員40名,国王が任命
    • 下院:定員40名,男女平等普通選挙
    • 第1回下院選挙実施(10月),諮問院議員の任命(11月)
  • 2006年 第2回下院選挙(11月・12月),諮問院議員の任命(12月)
  • 2010年 第3回下院選挙(10月),諮問院議員の任命(11月)
  • 2011年 下院補欠選挙(9月・10月)(注)
  • 2014年 第4回下院選挙(11月),諮問院議員の任命(12月)

(注)同年2月の反政府デモへの政府の対応に抗議してシーア派政治団体「ウィファーク」所属議員全員(18議席)が辞職したことによるもの。

4 政府

5 内政

  • (1)ハマド国王(1999年即位)の下,ハリーファ首相及びサルマン皇太子を中心とした国家運営が行われている。
  • (2)2002年2月に憲法を改正し,体制をそれまでの首長制から王制に変更,国名を「バーレーン王国」と定めるとともに,二院制の国民議会設置や男女の権利平等を定めた。
  • (3)王族がスンニ派である一方,国民の多くがシーア派であることから,シーア派国民を中心に政治的,経済的,社会的差別を感じる者もおり,シーア派国民の動向は内政安定上の重要な要因。ハマド国王以下,バーレーン政府は国民融和を訴えているが,石油・ガス生産量が少ないこともあり,バーレーン人の雇用機会創出が重要な課題となっている。
  • (4)2011年2月,改革を求めるシーア派住民を中心とした反政府派デモが発生,警察治安部隊との衝突が多発した。同年3月にはGCC(Gulf Cooperation Council:湾岸協力理事会)合同軍がバーレーンに入国,国家安全事態(非常事態)宣言が発出され,シーア派住民が多く住む地区を中心に強制捜査や検問が行われるとともに,デモ参加者の大量逮捕,勾留や解雇が行われた。国家非常事態宣言は同年6月1日に解除されている。
  • (5)幅広い層の国民が様々な問題の解決方策を話し合うため,2011年7月,「国民対話」が実施された。また,同年11月には,独立調査委員会(同年2月及び3月のデモに対する政府の対応に関する調査を実施)が,報告書をハマド国王に提出するとともに公表した。
  • (6)2012年1月,ハマド国王は,「国民対話」の提言を実行するためとして,憲法改正に関するテレビ演説を行った。この中で,国王は下院の権限強化に触れ,憲法改正を立法府に指示した。同年5月,ハマド国王は,憲法改正案を承認し,憲法改正が成立した。
  • (7)2013年2月,ハマド国王の呼びかけにより,政府,議会,反体制派政治団体,親政府派政治団体の代表者による国民対話が再開された。
  • (8)2013年7月,独立調査委員会による報告書の提言に基づき,オンブズマン制度が設立された。
  • (9)2013年9月以降,反政府派が国民対話への参加を見合わせ,2014年1月,国民対話が停止。
  • (10)2016年6月,反政府系政治団体ウィファークを解散命令。2017年2月,裁判で解散確定。

外交・国防

1 外交基本方針

  • (1)GCCの一員として,サウジアラビアをはじめとした他のGCC諸国との善隣友好協力関係の維持強化を軸としつつ,アラブ諸国,非同盟諸国との協力を基本方針とする。米国との関係強化に意を用いており,また,歴史的背景から英国との関係も深い。
  • (2)イラクのクウェート侵攻に当たっては,サウジと協調しつつ,米・英軍を受け入れ。湾岸戦争後,米国との関係は一層緊密さを増し,1991年には米国と防衛協定を,1992年には英国と防衛協力合意を締結。米海軍第五艦隊司令部が駐留。
  • (3)2006年米国と自由貿易協定(FTA)を締結。
  • (4)2014年12月,英国と防衛協定を締結し,2016年11月,英海軍施設を開設。
  • (5)地域情勢の影響を受け,2016年1月,イランとの外交関係断絶,2017年6月,カタールとの外交関係断絶。

2 軍事力

(1)国防費
14.3億ドル(2016年)
(2)兵役
志願制
(3)兵力
正規軍8,200人
準軍事組織11,260人

経済

 石油精製・アルミ精錬を始めとした工業化の推進による産業多角化をすすめる一方,中東の金融センターとしての地位の維持に努めている。近年は観光にも力を入れ,産業・投資の誘致促進及び自国民の労働能力向上による雇用機会の拡大を目指している。

 サルマン皇太子が議長,主要閣僚が委員を務める経済開発委員会(Economic Development Board:EDB)が海外からの投資の誘致や投資協定の整備に主導的役割を果たしてきた。2008年10月,同委員会の主導により,21世紀のバーレーンの開発指針を示した「経済ビジョン2030(Economic Vision 2030)」が公表された。持続可能性,競争力,公平性に基づき,民間主導の経済を目指すものとし,産業多角化促進(おもに輸出指向型産業),世界基準の社会インフラ整備,石油収入依存脱却,自国民の労働能力改善,2030年までの国民所得倍増を掲げている。

1 主要産業

石油精製,石油化学,金融サービス,アルミニウム精錬,運輸・通信サービス等

2 GDP

約319億ドル(2016年IMF統計)

3 一人当たりGDP

約24,183ドル(2016年IMF統計)

4 経済成長率

2.9%(2016年IMF統計)

5 財政

  • (1)歳入 50.5億ドル(2016年/バーレーン財務省)
  • (2)歳出 93.9億ドル(2016年/バーレーン財務省)

6 失業率

約4.0%(2016年推計)(労働・社会開発省)

7 総貿易額(2016年)(非石油部門のみ,Informatics & e-Government Authority

  • (1)輸出 66.86億ドル
  • (2)輸入 116.01億ドル

8 主要貿易品目(2016年)(Informatics & e-Government Authority

  • (1)輸出 石油,アルミニウム製品,鉱石,プラント用機械,鉄鋼,電気製品
  • (2)輸入 原油(精製用),自動車,電気製品,アルミ原料,プラント用機械,船舶

9 主要貿易相手国(2016年)(非石油部門のみ,Informatics & e-Government Authority

  • (1)輸出 サウジアラビア,UAE,米国,カタール,クウェート
  • (2)輸入 中国,UAE,日本,米国,サウジアラビア

10 通貨

バーレーン・ディナール(BD)

11 為替レート

1$=0.376BD(対ドル固定)

二国間関係

1 政治関係

  • (1)1971年,バーレーンの独立を承認。1988年大使館開設(1988年3月本任大使着任)。バーレーンは2005年,在京大使館を開設。
  • (2)両国関係は経済分野を中心に良好。サルマン皇太子が議長を務める経済開発委員会は,国外に6か所しか設けていない海外事務所の1つを日本(東京)に置いている(他の5か所はアメリカ,イギリス,ドイツ,中国,インド)。
  • (3)2011年3月の東日本大震災に際しては,ハマド国王やハリーファ首相をはじめとする要人が,天皇陛下や菅総理大臣(当時)にお見舞いの書簡,電報を送った。また,在バーレーン日本国大使館では多数の要人等からの弔意表明を受けた。

2 経済関係

(1)対日貿易(出典:財務省貿易統計)
ア 貿易額
対日輸出 約298億円(2016年 確定値)
対日輸入 約815億円(2016年 確定値)
イ 主要品目
対日輸出 石油製品,アルミ製品
対日輸入 自動車,機械製品
(2)2006年よりバーレーンを含むGCCとの間でFTA締結交渉中。
(3)日本の援助実績(2008年ODA卒業)
ア 有償資金協力(2006年度まで,ENベース) なし
イ 無償資金協力(2006年度まで,ENベース) 0.61億円
ウ 技術協力実績(2006年度まで,JICAベース) 13.64億円

3 文化関係

 和太鼓デモンストレーション(2001年),流鏑馬公演(2002年),琉球舞踊公演,アラブ音楽公演(2003年),生け花デモンストレーション(2004年),和太鼓・津軽三味線公演(2007年),日本人ピアニストによるコンサート,書道・茶道展(2008年),香道デモンストレーション(2010年),居合術デモンストレーション(2011年),和太鼓公演(2012年),日本人形展(2013年),蒔絵展(2014年),ダンスアーティスト集団による公演(2015年),日本人バイオリニスト及びピアニストによるコンサート(2016年),日本の現代写真展(2017年)等の各種行事を実施。

4 在留邦人数

  • 245名(2017年10月現在)
  • 日本人学校あり(1984年開校)。(13名在籍:2017年4月現在)

5 要人往来

(1)往訪(1985年以降)
要人名
1985年 左藤郵政大臣
1986年 衆議院調査団(団長:石川要三衆議院議員)
GCC派遣青年団(団長:牧野隆守衆議院議員)
1987年 藤井大蔵政務次官
1989年 国広外務審議官
1991年7月 鈴木外務政務次官
自民党国防三部会議員団(団長:山崎拓衆議院議員)
1994年11月 皇太子同妃両殿下
1997年11月 平林外政審議室長(総理大臣特使)
佐藤前通商産業大臣(政府代表)
1999年3月 町村外務政務次官(イーサ首長逝去に際しての政府特派大使)
2001年3月 衛藤外務副大臣
2001年8月 丸谷外務大臣政務官
2002年9月 松浪外務大臣政務官
2005年6月 河井外務大臣政務官
2005年11月 金田外務副大臣(「未来のためのフォーラム」第2回会合)
2006年1月 久間自民党総務会長(ザハラーニ下院議長招待)
2006年10月 岩屋外務副大臣
2006年12月 小池総理補佐官(IISSマナーマ対話)
2007年7月 田中財務副大臣
2007年9月 小野寺外務副大臣
2007年10月 寺田防衛大臣政務官
2007年12月 小池衆議院議員(IISSマナーマ対話)
2008年4月 日本・バーレーン友好議員連盟議員団(団長:武部勤衆議院議員)
2008年7月 奥田総理大臣特使
衆議院中東事情調査団(団長:田野瀬良太郎衆議院議員)
2008年12月 林前防衛大臣(IISSマナーマ対話)
武田防衛大臣政務官
2009年2月 与党海賊対策PT(団長:中谷元衆議院議員)
2009年3月 西村外務大臣政務官
2009年5月 福田総理大臣特使
2009年12月 折木統合幕僚長
榛葉防衛副大臣(IISSマナーマ対話)
2010年12月 広田防衛大臣政務官(IISSマナーマ対話)
2012年5月 下条防衛大臣政務官
2012年6月 河野自衛艦隊司令官
2012年9月 徳丸掃海隊群司令官(国際掃海訓練)
2013年5月 福田元総理大臣(インターアクション・カウンシル)
2013年8月 安倍総理大臣
2013年12月 松村統合幕僚副長(IISSマナーマ対話)
2014年1月 土井国交大臣政務官
2015年5月 宇都外務大臣政務官
石川防衛大臣政務官
山際経済産業副大臣
2016年6月 重岡自衛艦隊司令官
2016年12月 薗浦外務副大臣,小林防衛政務官(IISSマナーマ対話)
2017年1月 若宮防衛副大臣
2017年5月 宮澤防衛大臣政務官
2017年11月 佐藤外務副大臣
2017年12月 河野外務大臣,大野防衛政務官(IISSマナーマ対話)
(2)来訪(1985年以降)
年月 要人名
1985年 ジッシィ電気・水相
モアイヤド情報相(非公式)
イーサ青年スポーツ評議会議長
1986年 シラーウィ開発工業相(非公式)
1989年1月 シラーウィ開発工業相(外賓)
1989年3月 アリ殿下(内務省次官補)(大喪の礼参列)
1990年6月 ハッサ妃殿下(イーサ首長夫人)(非公式)
1990年11月 アリ殿下(内務省次官補)(即位の礼参列)
1991年10月 イーサ首長(非公式)
1992年2月 モアイヤド情報相(非公式)
1994年9月 アリ運輸相(ITU京都会議)
1995年8月 サルマン・バーレーン研究センター所長(現皇太子)(非公式)
1996年4月 イーサ石油・工業相(非公式)
1996年6月 ハーリド住宅・自治体・環境相(非公式)
2001年2月 ムハンマド外相(外賓)
2002年9月 サルマン首相補佐官(国際エネルギーフォーラム)
2004年10月 アブドル・アジーズ外務次官補(高級実務者招聘)
2005年3月 ファワーズ青年スポーツ庁長官(非公式)
2005年11月 マアラージ金融庁(BMA)総裁(東京工業品取引所との覚書締結)
2006年6月 マアラージ金融庁(BMA)総裁(イスラム金融フォーラム)
2007年3月 メイ情報省次官補(文化人招聘)
2007年7月 ファワーズ青年スポーツ庁長官(アジア地域スポーツ担当大臣級会合)
2007年11月 ザヤーニ警察本部長(21世紀パートナーシップ促進招聘)
2008年2月 ハーリド外相(外務省賓客)
2008年3月 ジャーシム・フセイン下院議員(高級実務者招聘)
2008年6月 ザハラーニ下院議長(衆議院招聘)
2008年10月 サルマン皇太子
2009年11月 マアラージ中央銀行総裁(日経新聞主催シンポジウム出席)
バーレーン日本友好協会代表団(団長:アライヤド副会長)
2010年2月 ダイジ財務省次官兼港湾局議長(21世紀パートナーシップ招聘)
2011年2月 ラーシド内相(オピニオンリーダー招聘)
2011年12月 ファハロ商工会議所会頭,フメイダーン労働相(第15回ILOアジア太平洋地域会議出席)
2012年4月 ハマド国王(公式実務訪問賓客)
2012年10月 アハマド財務相,マアラージ中銀総裁(IMF・世銀総会)
2013年2月 アブドッラー外務次官(外務省政策協議)
2013年3月 サルマン皇太子(実務訪問賓客)
2013年9月 ナーセル殿下(青年スポーツ最高評議会議長)
2014年2月 サラーハ人権担当国務相
2014年4月 バーレーン・東アジア諸国友好議連(団長:ハーリド諮問院議員)
2014年11月 アブドッラー外務次官(安保対話・外務省政策協議)
2015年3月 シェハービ保健相(国連防災会議出席)
2016年10月 ヒシャーム青年スポーツ相(スポーツ・文化・ワールド・フォーラム出席)
2016年12月 アブドッラー国際担当外務次官(安保対話・外務省政策協議)
2017年11月 ラナ外務次官(戦略的実務者招聘)

6 二国間条約・取極

  • 航空協定(1998年締結)

7 外交使節

  • (1)伊藤秀樹 特命全権大使
  • (2)アハメッド・ムハッマド・ユースフ・アルドーセリ 特命全権大使
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