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日豪外務・防衛閣僚協議
共同発表 2007
(仮訳)

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1.麻生太郎日本国外務大臣、久間章生日本国防衛大臣、アレクサンダー・ダウナー・オーストラリア外務大臣及びブレンダン・ネルソン・オーストラリア国防大臣は、2007年6月6日に東京において会談し、世界及び地域の安全保障、日本国とオーストラリアとの関係の現状について意見交換を行った。この協議は、2007年3月に安倍日本国内閣総理大臣とハワード・オーストラリア首相が署名した安全保障協力に関する日豪共同宣言に基づく初めての日豪外務・防衛閣僚協議である。

2.閣僚は、両国の戦略的パートナーシップが近年著しい成長を遂げてきており、二国間関係はかつてないほどに強固になってきているとの見解を共有した。閣僚は、特に、一層緊密に安全保障協力を行い、地域の平和と安全に対して共同して貢献するとの両国の希望を反映した歴史的な安全保障協力に関する共同宣言(JDSC)を歓迎した。閣僚は、共同宣言を実施するための具体的措置を盛り込んだ前向きな行動計画の策定におけるこれまでの進展を歓迎した。閣僚は、安全保障協力の強化が、日豪通商協定締結から50周年に当たる本年におけるダイナミックな経済関係とともに、両国の包括的な戦略的パートナーシップを新たな段階に押し上げたことを認識した。

3.両国は、双方が地域における欠くことのできないパートナーであることを認識した。閣僚は、両国関係が、民主主義という共通の価値、地域の平和と安定に関する共通の利益及びそれぞれが有するアメリカ合衆国との同盟関係によって特徴づけられていることに留意した。閣僚は、日米豪戦略対話(TSD)の下、また、実際的な防衛・安全保障協力分野において、アメリカ合衆国を交えた三か国の取組を深化させることにコミットし、地域におけるアメリカ合衆国の継続的なプレゼンス及び関与の重要性を再確認した。日本国とオーストラリアは、8月のASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議の際に第3回日米豪閣僚級戦略対話を開催することについて、アメリカ合衆国と調整する。

共通の戦略的課題に関する取組

4.閣僚は、地域内外の安全保障環境について意見交換を行い、今後も日本国とオーストラリアが共に貢献を求められる課題があることを認識した。閣僚は、共通の課題(イラク、アフガニスタン、北朝鮮の核・ミサイルの脅威への対処、東ティモール及び太平洋島嶼国の長期的に持続可能な開発を確保するための支援についての協力を含む。)に対処するため、広範な分野にわたるグローバルな安全保障上の課題に引き続き協力して取り組んでいくことへのコミットメントを再確認した。

5.閣僚は、特に、情勢を不安定化させる北朝鮮の行為に遺憾の意を表明し、北朝鮮の核及びミサイル開発計画に深い懸念を表明した。閣僚は、六者会合の共同声明並びに国際連合安全保障理事会決議第1695号及び第1718号を完全に履行するための措置について協力することへのコミットメントを再確認した。閣僚は、また、拉致問題の迅速な解決を含む人道上の問題について協力することの重要性を再確認した。

実際的な協力の推進

6.閣僚は、地域内外の安全保障上の課題に共に取り組むに当たり、日本国とオーストラリアの間で実際的な協力を推進することにコミットした。これに関連して、閣僚は、戦略的に重要な情報の交換を促進するための措置を推進することを決定した。閣僚は、共同訓練に関する側面を含む、安全保障協力に関する日豪共同宣言を実施するための前向きな行動計画の策定に関し、これまでの作業の進展を歓迎するとともに、そのプロセスを加速化することを決定した。

防衛協力

7.閣僚は、日本国防衛庁の防衛省への移行及び日本国自衛隊による国際平和協力活動の本来任務化を歓迎した。

8.閣僚は、日本国とオーストラリアが、1992年のカンボジア国連PKOに参加して以来、東ティモール国連PKO、イラク復興支援活動及びインド洋地震津波災害における国際緊急災害支援活動を含む様々な活動における協力を深化させてきたことに留意した。

9.閣僚は、また、P-3C及びU-4を含む航空機及び艦艇の訪問を通じた部隊間交流の促進並びに防衛関係者の人的交流の拡充を通じたものを含め、二国間の防衛協力を拡大することにコミットした。日本国は、オーストラリアから、6月のタリスマン・セーバー豪米共同演習にオブザーバーとして招待されたことを歓迎した。

10.閣僚は、6月2日の第1回日米豪防衛相会談において再確認されたとおり、日米豪三か国の協力を発展させるために二国間の防衛協力がなし得る貢献、さらに多国間の交流及び活動を拡大するためにそのような協力がなし得る貢献を強調した。閣僚は、5月に横田飛行場で実施された日米豪三か国の太平洋長距離航空輸送セミナーが成功裡に実施にされたことに満足をもって留意した。閣僚は、災害救援に関するARF机上演習における日本国とオーストラリアの防衛及びその他の当局間の緊密な協力に期待した。

11.閣僚は、さらに、6月5日の日豪防衛相会談において、防衛分野での共同宣言の行動計画として、2003年に署名された日本国防衛庁とオーストラリア国防省との間の防衛交流の発展に関する覚書の改定作業を開始することが決定されたことを歓迎した。覚書改定作業は、防衛に関する一連の活動にわたる二国間の防衛協力を拡大するための機会を増進することとなる。

災害救援に関する協力

12.日本国及びオーストラリアは、両国間で人道支援分野における共同訓練及び交流を実施することを決定した。両国の救援能力を向上させるために、オーストラリア都市型捜索・救助チームが、本年秋に日本国で行われる国際緊急援助隊総合訓練に参加する。閣僚は、また、捜索・救援分野における地域の能力向上について検討することを決定した。

平和維持及び平和構築に関する協力

13.閣僚は、第三国国民のために共同してキャパシティー・ビルディング活動を行うこと及び地域における人的交流を促進することを通じて、平和維持及び平和構築に関する地域の能力を開発及び向上させる機会を探求することを決定した。

テロ及び拡散への対処に関する協力

14.閣僚は、国際テロ、大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散によりもたらされる脅威に対処するための広範な協力に対するコミットメントを新たにした。閣僚は、6月5日から6日までシドニーで開催された日米豪テロ協議の成功及び拡散に対する安全保障構想(PSI)のようなグローバルな不拡散への取組という文脈の中で進展している協力を歓迎し、二国間及び日米豪三か国間の文脈において協力及び情報交換を強化することを決定した。

15.閣僚は、携帯式地対空防衛システム(MANPADS)がテロリストや他の非国家主体の手に渡ることによりもたらされる国際民間航空に対する脅威に留意した。閣僚は、地域におけるMANPADSの不法な拡散に対処するための努力を強化することの重要性を強調した。

太平洋島嶼国の安定に関する協力

16.太平洋島嶼国地域の安全と繁栄に対する共通のコミットメントに従い、日本国とオーストラリアは、開発援助に関するものを含む同地域へのアプローチに関する高級実務者による年次対話を開始することを決定した。

次回会合

17.オーストラリアは、2008年に次回日豪外務・防衛閣僚協議を主催する。

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