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平成18年11月
南西アジア高校生招聘計画は、森総理(当時)が2000年8月に南西アジア各国を歴訪した際に、今後5年間で5千人の青少年を招聘することを表明したことを受けて開始されました。本招聘計画はこれまで平成13年度より平成17年度まで5回実施され、被招聘者数は合計150名に上ります。
外務省は、今年も平成18年度南西アジア高校生招聘計画に基づき、9月20日(水曜日)から9月29日(金曜日)まで、バングラデシュ、インド、モルディブ、ネパール、パキスタン、スリランカの高校生23名と引率教員6名、シニアアドバイザー1名の計30名を我が国に招待しました。実施した主なプログラムは以下のとおりです。
参加者は、全体スケジュールの初日に外務省で行われた日本語教室にて、基本的な挨拶や自己紹介(名前、年齢、国籍、趣味など)等の日本語を勉強しました。教室では、積極的な発言を促す授業形式が取られ、実際に参加者は次々と発言していました。参加者たちはとても覚えがはやく、簡単な日本語はすぐに覚えてしまったようです。元気に日本語で挨拶をして外務省を後にする姿が見られました。また、この場で学んだ日本語を、高校訪問、歓迎レセプション、ホームステイの際に使用していたようです。
佐々江アジア大洋州局長主催の歓迎レセプションには、南西アジアの高校生、在京大使館関係者、南西アジアに関心の高い方々、本招聘関係者等が出席しました。佐々江局長は歓迎の挨拶で、森元総理大臣の南西アジア諸国の歴訪後、実に1万人を超える南西アジアの若者が留学や研修で来日しており、関係強化が図られてきたこと、その上で人と人との交流、特に若者交流の重要性及び日本と南西アジアのさらなる関係強化を訴えました。また、南西アジアの高校生に対し、多くの経験を積み、日本の友人を作ることを期待すると述べました。30分ほどの歓談の後、各国の高校生の代表がスピーチをし、続いて南西アジアの高校生による各国を紹介するプレゼンテーションや国歌合唱、民族舞踊のパフォーマンスが披露されました。南西アジアの高校生は各国の民族衣装に身を包み、レセプションに参加した人々との歓談を楽しんでいました。
参加者は、駿台学園高等学校を訪問しました。校長による挨拶の後、教室へ移動し書道を体験しました。日本の高校生一人一人とペアを組み、書道の先生の説明の後、日本の高校生にアドバイスを受けながら南西アジアの高校生が実際に書く、という形式がとられました。また、書道の後には学校見学、さらに華道(池坊)の授業を受け、先生の講義に聞き入りながらも、それぞれ思い思いに独自の感性を生かした生け花を完成させました。池坊の先生からは、とてもダイナミックであり、斬新で美しいとお褒めの声をいただきました。高校生たちはお互いの連絡先を交換し、これからも連絡をとっていく約束を交わしていました。参加者の多くが、同世代の日本の高校生と交流することをとても楽しみにしており、最も印象に残るプログラムであったという感想も聞かれました。
東京では、浅草、皇居、国会議事堂、江戸博物館等を訪れ、日本の歴史・社会・伝統・文化を体験する機会を得ました。また、日本科学未来館、パナソニックセンター、六本木ヒルズ等を訪れ、近代的な日本の姿を見学しました。中小企業や工業高校、有明水再生センター、横浜火力発電所を訪問し、日本に欠かせない産業界にも足を踏み入れました。また、ボランティアでホームステイの受け入れに応じて下さった家庭に一泊し、日本の家庭生活を経験しました。
広島においては、原爆ドーム、広島平和記念資料館を訪れ、被爆者の方の講演を聴き、核爆弾の現実を知るとともに、その深刻さを痛感しました。京都では、清水寺、金閣寺、三十三間堂を訪問した他、茶道を体験し、日本の文化にも触れました。
今回、特に好評を得たプログラムは、ホームステイ、パナソニックセンター見学及び広島平和記念資料館見学でした。中でも、ホームステイは日本の生活を実際に体験することができ、家族の暖かさに感動したとの声が多く上がりました。また、以下のような感想も寄せられました。
南西アジア高校生招聘計画は、駿台学園高等学校・日本工業大学付属東京工業高校の教員・生徒の方々、ホストファミリーの方々、中小企業のオーナーの方々など、多くの関係者の方々のご協力を得て、成功裏に終えることができました。南西アジアの高校生及び日本の関係者にとって、今回の訪問がお互いのことをより理解し合える機会となり、また友好関係の増進に繋がることを心から期待します。