アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ
ASEM第7回外相会合(5/6-7)議長声明(骨子)
京都にて「グローバルな課題に対処するためのアジア・欧州パートナーシップ」を歓迎。
(多国間主義の強化と安全保障上の脅威への対応)
- 国連改革に関し、9月のミレニアム宣言に関する首脳会合の成功に向け、事務総長報告に言及された安保理改革を含む諸点につき包括的かつ集中的に議論を行っていく事で一致。
- 大量破壊兵器、テロ、国際組織犯罪への対処のため関連条約の締結、遵守、強化に努力。海洋の安全確保のため協力。
(主要な地域情勢)
- 地域統合:東アジア共同体形成の動き、EU拡大・深化等につき意見交換。
- 朝鮮半島:北朝鮮にこれ以上の遅滞なく六者会合へ復帰するよう要求。核問題及びその他の諸懸案の解決の重要性を強調。
- 中東和平:ロードマップの着実な実施に向けた支援を強化。
- アフガニスタン:9月の議会選挙の成功に向け支援。麻薬対策、DDR、国軍の再建・警察訓練に向けた努力を支援。
- イラク:移行政府の発足を歓迎。治安回復と経済復興の連関を指摘し、国際社会の支援を慫慂。
- カンボジア:クメール・ルージュ裁判の即時開始に関する期待を表明。
- ミャンマー:可能な限り早期に全ての関係者が関与した形での民主化の進展を慫慂。
(人間中心の持続可能な開発の推進)
- 京都議定書の実施と未締結国の締結を慫慂。3Rイニシアティブを踏まえ、科学技術を活用した循環型社会の構築の必要性を強調。
- エネルギー安全保障、省エネ、エネルギー効率の向上、代替エネルギーの利用促進の重要性を確認。
- ミレニアム開発目標達成に向けたアジアと欧州の協力。南南協力、WTO・DDA交渉香港閣僚会議成功のため協力。
- 様々な脅威に対処するための個人の保護、人的・制度的能力向上、インド洋津波被害に対する支援、教育の重要性。
(文化・文明間対話の促進)
- 文化多様性を尊重し、文化遺産保護を促進。UNESCOでの文化多様性条約の成功裡の策定に貢献。ASEF(アジア欧州財団)の活動を慫慂。
(その他)
- ASEMの将来に関し別添文書に合意。日・フィンランド共同のASEMの10年に関する研究を歓迎。
- 日・スウェーデンが環境協力ワークショップを実施。
ASEM5における首脳からの指示に基づき、3つの検討課題につき議論し、以下の点で一致。今後SOMが首脳への勧告案を作成する。
1. 実質的協力分野の探求
- ASEMプロセスにおける少数の実質的協力分野の特定が必要。FMM7からASEM6までの間、「グローバルな課題に対処するためのアジア・欧州パートナーシップ」の下での優先分野は以下のとおり。ASEM6ではこれらの分野の進捗を基に議論するよう要請。
(1)政治分野:マルチラテラリズムの強化、安全保障への脅威への対応
(2)経済分野:持続可能な開発(環境問題、エネルギー安全保障を含む)
(3)文化・社会その他の分野:文化と文明間の対話
(4) 経済閣僚会合と財務大臣会合に対し、優先的に取り組む分野を決定するよう呼びかける。
(5) 今後、首脳会合直前のSOMにおいて、次の首脳会合までの2年間における実質的協力分野を議論し、首脳会合で承認。
(6) 首脳会合及び外相会合では、各分野横断的なテーマの下、大所高所から自由な意見交換を行う。
2. 機構体系の継続的な改善
以下についてはASEM6を待つことなく実施。
(7)ヴァーチャル事務局を設置。
(8)首脳会合、外相会合の現議長国と次期議長国の間でのより緊密な調整。
(9)SOMにおける実質的な政策議論。
(10) ASEMインフォボードでの広報活発化。関連情報の速やかな報告。
3. 将来のメンバーシップ拡大
ASEM6における決定のため、次の方向に沿ってSOMが議論を続ける。
(11)ASEMにおける対話と協力を深化させつつ、ASEMプロセスが開放的かつ発展的であるとの趣旨に鑑み、将来の参加国について共通の認識を形成。