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平成16年11月
11月29日午前8時30分から約1時間半、ビエンチャンにおいて、日中韓首脳会議が開催されたところ(日本:小泉総理(議長)、中国:温家宝総理、韓国:盧武鉉大統領が出席)、右概要以下の通り。
27日に行われた日中韓外相三者委員会で採択された、「行動戦略」(今後の三国間協力の戦略的方向性を示す文書)、及び「進捗報告書」(昨年の首脳共同宣言発出以後1年間を中心に三国間協力の進捗をとりまとめた文書)の2つの文書を承認。
引き続き、今後の三国間協力について、以下の議論が行われた。
(1)投資
小泉総理より、実際に貿易・投資の進展がある中、投資を促進し、更に安定的な環境を構築するため、法的枠組みを一層整備する必要があり、今後、三国間でよく話し合っていきたい旨発言。これに対し、盧大統領より、投資にかかる具体的な法的枠組みの整備のための協議の推進は重要である旨指摘。温総理よりは、三国間の投資分野での協力は重要である旨述べた。
(2)FTA
小泉総理より、FTAについては、学術レベルでの一層の議論の深化を期待したい旨発言。盧大統領は、FTAに関する研究は極めて重要である旨発言。温総理より、共同研究の報告書で三国間FTAの必要性が指摘されており、三国FTAの実現に向けた作業を加速すべきである旨発言があった。
(3)その他
盧大統領より、エネルギー安全保障及び金融・為替問題が重要である旨発言。また小泉総理より、観光促進について取り上げた他、環境分野においては、三国環境大臣会合において多くのプロジェクトが実施されており、これを前進させていきたい旨発言。
東アジアサミットについては、ASEANの立場を尊重する必要があるとの点で三首脳の意見が一致。中国及び韓国から、東アジアにおける地域協力が進展しているとの認識が示されたことに対し、小泉総理より、日本としても東アジア地域協力は重要である旨述べた。
(1)北朝鮮
北朝鮮の核問題に関し、六者協議の早期再開が必要であること、また、今後も三国間の協力、調整を強化していくことで意見が一致。
小泉総理よりは、先般のAPECの際にブッシュ米大統領と会談した際にも、六者協議の早期再開と北朝鮮問題の平和的解決について共通の考えをもっていることを確認した、本年5月の訪朝時にも、金正日国防委員長に核の放棄が北朝鮮にとり大きな利益になる旨訴えたことを紹介するとともに、拉致問題の解決について、中韓よりの協力を引き続き得たい旨発言。盧大統領からは、北朝鮮の核問題の解決に向けた日中の努力を評価する、引き続き六者協議の早期再開及び成功のために努力したい旨発言。温総理からは、朝鮮半島の非核化が重要であり、対話を通じて平和的に解決しなければならない、六者協議について、これまでも重要な進展があったが、未だ多くの困難が残されており、引き続き六者協議の早期再開に向け努力したい旨の発言があった。
(2)国連改革
創設以来60年が経過した国連の改革が必要であるとの点で三首脳の意見が一致。小泉総理より、国連・安保理改革の実現は、国際場裏における「未来志向」の三国間関係の象徴としても重要である旨発言。
(3)イラク
国際社会がイラク復興のために協力していくことが重要であるとの点で三首脳の認識が一致。小泉総理より、イラク自身による国造りを我が国としても支持していきたい旨発言。