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日・ASEAN特別外相会議(概要)

平成23年4月9日

英語版

  • (写真1)日・ASEAN特別外相会議
  • (写真2)日・ASEAN特別外相会議
  • (写真3)日・ASEAN特別外相会議共同記者会見

 4月9日、インドネシア・ジャカルタ(ASEAN事務局)において、約2時間30分にわたり、日・ASEAN特別外相会議が開催されたところ、概要以下 の通り(議長:インドネシア・マルティ外相、我が国より松本外務大臣出席)。なお会議の冒頭、ユドヨノ大統領が挨拶を行い(挨拶後退場)、また会議参加者 により、今回の大震災による被災者に対し黙祷が捧げられた。

1.日・ASEAN関係の連帯の確認

  1. (1)冒頭、松本大臣より、議長国インドネシアのユドヨノ大統領、マルティ外相およびASEAN各国代表に対し、今次会議を開催頂いたことへの謝意とともに、ASEAN各国政府及び国民から頂いた温かいお見舞いの言葉や義援金などの大きなご支援に対する謝意を日本政府・日本国民を代表して伝達した。
  2. (2)また松本大臣より、今回の会議は、ASEANと我が国との強い連帯ひいては日・ASEAN間の共同体意識(sense of community)の一層の深まりを示す意味で、長い日・ASEAN関係にとって歴史的な意味を持つ会議である旨述べた。
  3. (3)さらに原子力発電所事故について、最大限の透明性をもって国際社会に対する情報提供を行っていることを説明した。
  4. (4)加えて大きな混乱の中にあっても互いに助け合うことを忘れない日本国民の力を誇りに思うとして、この力と諸外国の支援の励ましをあわせれば、日本はこのような未曾有の国家的危機を乗り越え、必ず再生、復活するとの確信を表明した。
  5. (5)続いて松本大臣から、今次会議に対する菅総理のメッセージを紹介した。 同メッセージでは、ASEAN各国政府及び国民からの支援や連帯の気持ちに対する謝意が述べられるとともに、福島第一原発の事故について、一日も早い安定化に向け、内外の英知を集結し、全力を挙げて努力していること、また、今回の事故を徹底的に検証し、教訓とし、国際的な原子力発電の安全性強化に貢献して いくとの決意が示された。さらにASEAN各国からの温かい支援に対し、引き続きASEAN諸国の発展への貢献という形で必ず恩返しする旨、及び今回の歴 史的な会議を通じ、日本とASEANの絆が一層強くなることへの確信が述べられた。
  6. (6)ASEAN各国の代表からは、今次大震災に対するASEANからの支援は、日本のこれまでの寛大な支援が、ASEAN各国の発展に大きく寄与したことに対する恩返しの気持ちであるとの表明があった。また日本が地域の安定と発展に、引き続き貢献することに対する期待が表明された。

2.地震・津波・原発被害への政府の対応

  1. (1)松本大臣から、津波の被災者・避難民支援の現状及び原発事故に対する日本の対応、及び復旧・復興に対する取り組みにつき説明した。
  2. (2)原発事故については、ASEAN各国が冷静に対処していることに謝意を表明するとともに、事態の収束のために、IAEA等の助言と協力を得て全力で取り組んでいること、大気中の放射線量は、徐々に減少しており、ほぼ平常の値となっていること、また国際民間航空機関(ICAO)、国際海事機関 (IMO)や世界保健機関(WHO)等の関係国際機関は、渡航制限等の過渡な対応は必要ないとする客観的な評価を行っていることなど、具体的に説明した。
  3. (3)特に、原発の問題は、国際社会全体の関心事であり、我が国として今回の事故で得た知見と経験を最大限の透明性をもってASEAN各国及び国際社会と共有し、原子力発電の安全強化に貢献する旨、説明した。
  4. (4)日本産の食品については、政府として基準値を設定し、関係地域からの出荷制限等、安全な食品の流通を確保している旨、また日本がとっている措置や提供する情報を踏まえ、冷静で科学的根拠に基づいた合理的な対応をお願いしたい旨、述べた。
  5. (5)また、日本経済を本格的な回復軌道に乗せるべく総力を挙げていくこと、中長期的な復興としては、従来に戻すという復旧を超えて、素晴らしい東北・素晴らしい日本を作っていく復興計画を進めていく考えを説明した。
  6. (6)この説明に対し、ASEAN各国より、詳細な説明に感謝する、今回の大震災に対する日本政府の取り組み状況や復興に向けた強い決意がよく理解できた、今後とも冷静に事態に対処していく旨述べた。

3.今後の対ASEAN外交方針(防災協力の強化)

  1. (1)今後の対ASEAN外交方針として、松本大臣より、今回の大震災を受けて、日ASEAN間で防災分野での協力を一層強化したいと提案した。
  2. (2)具体的には、第一に今次震災の経験と教訓を共有し、具体的成果につなげるために、可能であれば本年中にもセミナーを開催すること、第2にASEAN 防災人道支援調整センター(ASEAN Coordinating Center for Humanitarian Assistance on Disaster Management:AHAセンター)を通じた通信設備や物資備蓄制度の整備支援に加えて人材の派遣を進めていくこと、第3に救助チームの能力向上のための研修やARF災害救援実働演習の定期化を提案した。
  3. (3)また、2015年のASEAN共同体構築に向けた努力を積極的に支援するとともに、連結性強化に向け、我が国がオールジャパンで貢献するとの姿勢も不変である旨強調した。
  4. (4)これに対しASEAN各国は、日本が今回の経験を最大限活かして、多くの災害が発生するASEANの災害対処能力を高めるために、一層協力していきたいとの方針を表明したことを高く感謝した。また、日本の対ASEAN外交は不変であり、今後ASEAN共同体構築を支援していくとの方針を高く評価した。

4.議長声明

 会議後、インドネシア議長国より、今次日・ASEAN特別外相会議の議長声明が発表された。


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