7月22日、ベトナム・ハノイ(国立会議場)において、約1時間に亘り、日・ASEAN外相会議が開催されたところ、概要以下のとおり
(議長:マルティ・インドネシア外相(インドネシアは対日調整国)、我が国より岡田大臣出席)。
1.日・ASEAN協力の現状と将来の方向性
- (1) ASEAN側の参加国より、日本は長年の真のパートナーとして、ASEANの統合、共同体構築を支援してきたことに謝意を表明し、経済・金融危機への対応、メコン等の地域開発、環境・生物多様性保全、気候変動、防災、感染症、21世紀青少年大交流計画を通じて青少年交流、東アジアASEAN経済研究センター(ERIA)を通じた貢献、貿易・投資・観光面における日ASEANセンターの貢献、日ASEANテロ対話を通じたテロ対策等の幅広い分野での協力への高い評価が述べられた。また、現在ASEANが取り組んでいる連結性強化への支援、政治安全保障分野や科学技術分野等での協力強化への期待が表明された。
- (2) 岡田大臣より、ASEANを含むアジアの平和と豊かさに貢献することは日本自身の平和と豊かさにつながるとの考えの下、ASEANを中心にアジアに協力したい旨述べた。また、ASEAN連結性強化支援に向けた意見交換強化、日・ASEANの双方がともに成長することを目指す取組である「アジアの新たな成長のための日ASEANパートナーシップ」、日メコン協力、BIMP-EAGA等の域内格差是正支援、防災協力、少子高齢化に伴う医療・年金等の分野での知見や経験の共有の必要性等の方向性に言及した。
- (3) 岡田大臣より、ASEANとの意思疎通をさらに緊密なものとするため、本年4月にジャカルタ常駐のASEAN担当大使を任命したことに続けて、今後は同地にASEAN常駐代表部を設置すべく政府部内で検討中である旨述べた。
2.地域・国際問題
岡田大臣より、時間の関係で、昨日述べたことは繰り返さない旨述べた上で、米露のEASへの参加に関する明確な方向性の提示及びEAS外相協議の定期化の必要性、ASEANの気候変動の交渉担当者等の招聘を通じた協力強化に言及した。また、岡田大臣より、21世紀の国際社会を代表するにふさわしい正当性を備えた安保理改革を早期に実現する必要があり、政治的機運を高めていくべく、ASEANとの協力を強化したいこと等を発言。