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第5回ASEAN+3国境を越える犯罪に関する閣僚会議(AMMTC+3)
(結果概要)
平成23年10月17日
10月12日,インドネシア・バリにおいて標記ASEAN+3会議(ASEAN10ヵ国と日本,中国,韓国が参加)が開催され,我が国より首席代表として山岡国家公安委員会委員長が出席,同日に行われた高級実務者準備会合(SOMTC)には山田ASEAN大使が出席しました。開会式には,ブディオノ・インドネシア副大統領が出席しました。
1 概要
- (1)主催国のインドネシアが議長を務め,ASEAN事務総長,参加国の治安担当閣僚等が出席しました。本枠組みは,国境を越える犯罪対策(重点的8分野:テロ,不正薬物,海賊,人身取引,武器密輸,国際経済犯罪,マネー・ロンダリング,サイバー犯罪)におけるASEAN+3協力を推進するもので,2004年より閣僚級会議(AMMTC)を隔年毎,2003年より高級実務者級会議(SOMTC)を毎年開催しています。
- (2)議長の選定に続き,日中韓のそれぞれの代表がステートメントを行った後,本枠組みにおける取組の現状報告,ならびに今後の協力の方法についての議論がなされました。その中で,国境を越える犯罪は,昨今の人の移動の拡大や情報技術の発展によって,一層広域化・高度化しており,日中韓による協力で一層取り組むべき主要課題という共通の認識が示されました。
- (3)会議の途中,閣僚及び高級実務者だけの出席によるリトリート・セッションが設けられました。その中で,特にサイバー犯罪対策及び薬物犯罪対策に関心が集まり,ASEAN+3としてサイバー犯罪対策及び薬物犯罪対策の重要性について認識を共有するとともに,情報交換・共有を行っていくなど,各国が引き続き連携して対策に取り組んでいくことが確認されました。
- (4)次回の第6回AMMTC+3については,2013年にラオスが主催することが決定されました。
- (5)最後に本分野におけるASEAN+3協力を強化していく政治的意思を確認する共同コミュニケを採択して終了しました。
2 我が国の対応
- (1)我が国の首席代表の山岡委員長は,本課題を重視する姿勢を示した上で,サイバー犯罪における国際連携の必要性等に触れ,ASEAN地域の良好な治安の維持のため,今後とも国際犯罪対策に貢献していくことを表明しました。また,本年12月,ASEAN+3を対象に,治安機関責任者間の連携強化を図り,合的な組織犯罪対策を推進するための会議を開催予定である旨を紹介しました。
- (2)我が国は,テロを含めた国境を越える犯罪を,ASEAN統合に向けた「連結性強化(enhancing connectivity)」を妨げる負の要因と認識しており,本分野におけるASEAN+3協力の強化については,首脳レベルにおいてもうたわれています。今回の会議で我が国は,本分野におけるASEAN+3協力への積極的な取組みとコミットメントを示し,今後の具体的協力を策定していく上で有意義なものとなりました。