アルジェリア民主人民共和国

基礎データ

令和3年6月9日
アルジェリア民主人民共和国国旗

一般事情

1 面積

238万平方キロメートル(内、砂漠地帯約200万平方キロメートル)(アフリカ第1位)

2 人口

4,390万人(2020年5月、アルジェリア国家統計局)

3 首都

アルジェ

4 民族・人種

アラブ人(74%)、ベルベル人(25%)、その他(1%)

5 言語

アラビア語(国語、公用語)、ベルベル語(国語、公用語)、フランス語(国民の間で広く用いられている)

6 宗教

イスラム教(スンニ派)

7 略史

年月 略史
1962年7月 フランスから独立(当時、人口は1千万人)。
1965年6月 軍事クーデター、ブーメディエンヌ政権の成立。
1979年2月 シャドリ・ベンジディッド大佐、大統領に就任。
1989年2月 憲法改正。
1992年1月 シャドリ・ベンジディッド大統領辞任。国家最高委員会設立。
1994年1月 ゼルワール国家最高委員会(HCE)議長が大統領任務を代行。
1995年12月 複数政党制下初の大統領選挙、ゼルワール大統領が選出。
1996年11月 憲法改正国民投票の実施、多数の支持により憲法改正案が承認。
1997年6月 国民議会(下院)選挙が実施され下院が設立。
同国史上初めて複数政党で構成される国民議会が開会。
1997年12月 国民評議会(上院)選挙が実施され、上院が設立。
1999年4月 大統領選挙、ブーテフリカ大統領が選出。
2003年5月 ブーメルデス県を震源地とする大規模地震が発生。
2004年4月 大統領選挙、ブーテフリカ大統領が再選。
2009年4月 大統領選挙、ブーテフリカ大統領が三選。
2009年12月 国民評議会(上院)選挙を実施。
2012年5月 国民議会(下院)選挙を実施。
2012年9月 セラル内閣成立。
2012年11月 地方選挙を実施。
2012年12月 国民評議会(上院)選挙を実施。
2014年3月 ユースフィー暫定内閣成立。
2014年4月 大統領選、ブーテフリカ大統領が四選。
2014年5月 第二次セラル内閣成立。
2016年6月 憲法改正。
2017年5月 テブン内閣成立。
2017年8月 ウーヤヒヤ内閣成立。
2017年11月 地方選挙を実施。
2019年3月 ベドゥイ内閣成立。ブーテフリカ大統領は辞表を憲法評議会議長に提出。
2019年4月 ベンサラ国民評議会(上院)議長が国家元首として大統領職の代行を開始。
2019年12月 大統領選挙、テブン大統領就任。
2020年1月 ジェラド内閣成立。
2020年11月 憲法改正。

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

アブデルマジド・テブン大統領(2019年12月~)

3 議会

従来、一院制であったが、1996年11月の憲法改正により二院制に移行

4 政府

  • (1)首相 アブドゥルアジーズ・ジェラド(2019年12月~)
  • (2)外相 サブリー・ブカドゥム(2019年4月~)

5 内政・治安

  • (1)1992年、国政選挙でイスラム原理主義政党が大勝したことに、危機感を持った当時の政府と軍が第2回投票を中止し、また、モスク及びその周辺の公道等での集会を禁止する法律を公布した結果、治安当局とイスラム勢力との衝突が度々発生し、治安情勢が悪化したことを受け、ブーディアフ国家最高委員会議長は1992年2月に非常事態宣言を発出した。イスラム過激派によるテロ活動が深刻化、約10年間で10万人を越える犠牲者を出した。その後99年のブーテフリカ大統領就任以来、投降テロリストへの恩赦を中心とする国民和解政策と、テロリストの掃討作戦を実施し、治安情勢は大きく改善。しかし、「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)」要員は山岳地帯に残存しており、特に2011年以降はマリ・リビア情勢の流動化に伴う活動の活発化が懸念されている。
  • (2)2004年4月8日の大統領選挙では、現職のブーテフリカ大統領が他の5候補を退け大勝。2007年5月の国民議会選挙でも、与党連合が60%を超える議席を獲得。安定した政権運営を維持。
  • (3)2008年11月、大統領多選禁止条項廃止を中心とする憲法改正を実施。
  • (4)2009年4月9日、大統領選挙が行われ、ブーテフリカ大統領が90.23%の得票率を得て三選を果たした。
  • (5)2011年2月、1992年に発出した非常事態を解除。また、「アラブの春」の影響が懸念される中、4月にブーテフリカ大統領は民主主義を強化する憲法改正に言及。
  • (6)2012年5月、国民議会選挙実施。大統領与党連合が6割超の議席を確保。9月にはセラル新内閣が成立。
  • (7)2013年1月、イナメナスの石油天然ガスプラントがテロリストの襲撃を受け、邦人10名が犠牲となった。
  • (8)2014年4月、ブーテフリカ大統領が81.49%の得票率を得て四選(任期5年)。
  • (9)2016年3月6日にア 首相の権限強化、イ 大統領の任期制限、ウ 首相任命時の国会多数派への諮問等を柱とする憲法改正が発布された。さらに、油価下落を受け、対外借入を例外的に一部認める2016年の予算法の改正や、2016年7月に新経済成長モデル(2017~2019)を採択する等の経済改革を通じ、財政健全化と経済多角化に取り組んでいる。
  • (10)2017年5月、国民議会選挙を実施。テブン新首相による新内閣を発足したが、同年8月には、同首相は罷免され、ウーヤヒヤ新首相が任命された。
  • (11)2019年2月22日、平和的な民衆デモが全国で行われ、その後も金曜日毎に大規模になって継続。2019年3月、ベドゥイ新首相による新内閣が発足。4月2日、ブーテフリカ大統領は辞表を憲法評議会議長に提出。
  • (12)2019年12月12日、大統領選挙が行われ、テブン候補が58.15%の得票率を得て当選。2020年1月にはジェラド首相による新内閣が発足。
  • (13)2020年11月1日、憲法改正法案への賛否を問う国民投票が行われ、新憲法が可決(投票率は23.7%)。

外交・国防

1 外交基本方針

 非同盟中立、アラブ連帯等の基本政策を継承しつつも、1979年のシャドリ・ベンジディッド政権成立以来現実主義・全方位外交を基調。1988年以降は国内で吹き荒れたテロの影響もあり、外交面での目立った動きはなかったが、1999年のブーテフリカ大統領の誕生以降は、ほぼ全てのG8諸国を訪問するなど活発な外交活動を展開し、国際舞台への復帰を達成。1990年代の国内テロのイメージを改善することに尽力し、アルジェリアの新しいイメージ定着を目指す。アフリカにおいては「アフリカ開発のための新パートナーシップ(The New Partnership for Africa's Development:NEPAD)」推進の中心的な国として活躍。1999年にはアフリカ統一機構(OAU(現AU))議長国、2005年にはアラブ連盟議長国、2004~2005年には国連安保理非常任理事国を務めた。また、第29回国連総会(1974年)議長国、第7回国連特別総会(1975年)議長国、第73回国連総会(2017年)副議長国を務めた。

2 軍事力(2020年、Military Balance

  • (1)予算 99億ドル(2020年)
  • (2)兵役 徴兵制度あり(12か月)
  • (3)現役兵力 13万人、予備役 15万人、準軍事組織 18.7万人

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

石油・天然ガス関連産業

2 GDP

1,430億ドル(2020年、世界銀行)

3 一人当たりGNI

3,970ドル(2019年、世界銀行)

4 実質経済成長率

0.8%(2019年、世界銀行)

5 消費者物価上昇率

2.4%(2019年、世界銀行)

6 失業率

15.3%(2020年、アルジェリア国家雇用庁)

7 総貿易額

  • (1)輸出 238億ドル(2020年、アルジェリア関税庁)
  • (2)輸入 344億ドル(2020年、アルジェリア関税庁)

8 貿易品目

  • (1)輸出 炭化水素(石油、天然ガス)
  • (2)輸入 半製品、資本財、消費財、食料品

9 貿易相手国(2021年3月、アルジェリア関税庁)

  • (1)輸出 イタリア、フランス、トルコ、スペイン、オランダ
  • (2)輸入 中国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン(日本は輸出入とも上位15位圏外)

10 対外債務残高

37億ドル(2020年、世界銀行)

11 通貨

アルジェリアン・ディナール(D.A.)

12 経済概況

 1962年の独立以降、大型開発計画の策定を通じた重工業の推進により、経済成長を遂げたが、1984年以降の原油価格の下落によって、財政状況及び国営企業の経営が悪化し、社会主義経済から市場経済への転換が図られた。

 ただし、未だ国営企業の存在感は大きく、外国企業への制約があり社会主義の名残が大きく残っている。同国経済の中心は、原油・天然ガスを始めとする炭化水素部門(原油生産量:世界第18位、天然ガス生産量:世界第9位(2019年、BP統計)で、同資源収入は、輸出総額の95.6%(2019年、IMF)、財政収入の39.8%(2019年、IMF)、GDPで13.8%(2019年IMF)を占めている)。経済の多角化が課題。

経済協力

1 主要援助国(2018年 単位:百万ドル(OECD)、支出総額ベース)

  • (1)フランス(140.52)
  • (2)ドイツ(11.84)
  • (3)英国(8.82)
  • (4)スペイン(6.12)
  • (5)ベルギー(5.30)

2 日本の援助(2018年度までの累積)

  • (1)有償資金協力 139.00億円(借款契約ベース)
  • (2)無償資金協力 13.96億円(交換公文ベース)
  • (3)技術協力 77.59億円(JICA実施分)

3 最近の主要案件等

二国間関係

1 政治関係

  • (1)日本は1962年7月4日にアルジェリアの独立を承認し、1964年2月14日在アルジェリア大使館を開設。アルジェリアは1958年9月FLN(国民解放戦線、現与党)極東代表部を東京に開設。1964年6月には在京アルジェリア大使館を開設。
  • (2)2011年3月の東日本大震災に際し、メデルチ外務大臣が在アルジェリア日本大使館で弔問記帳を行った。また、アルジェリア政府から、日本赤十字社を通じた義援金1,000万米ドルの寄付があった。

2 経済関係

(1)日本との貿易関係(貿易統計)
(ア)品目
日本からの輸出 鉄鋼、一般機械、自動車等
日本への輸入  原油および粗油、揮発油、まぐろ等
(イ)貿易額
日本からの輸出 214億円(2020年)
日本への輸入  272億円(2020年)
(2)アルジェリアは、我が国企業にとっての大きなプラント市場になっており、経済関係はプラント建設等、エネルギー分野が中心。
(3)2008年11月、第6回日本アルジェリア合同経済委員会をアルジェで開催。

3 文化関係

  • (1)アルジェリア人国費留学生の受入れ
  • (2)文化人や講師の派遣事業
  • (3)アルジェリア国際交響楽フェスティバルへの日本人音楽家の参加
  • (4)大使館主催の各種文化事業を通じた伝統文化・ポップカルチャーの紹介
  • (5)日本語講座を開設する教育機関への支援、アルジェにおける日本語能力試験(JLPT)の実施

4 在留邦人数

77名(2020年10月)

5 在日当該国人数

379人(2021年5月)

6 要人往来

(1)往(2000年以降)
年月 要人名
2000年2月 高村正彦元外務大臣
2000年9月 荒木清寛外務総括政務次官
2000年11月 室伏稔伊藤忠会長(経済ミッション)
2001年1月 町村信孝文部科学大臣
2002年5月 松浪健四郎外務大臣政務官
2004年5月 森喜朗元内閣総理大臣
2005年4月 河井克行外務大臣政務官
2006年7月 櫻田義孝内閣府副大臣(金融・経済財政政策担当)
2007年11月 小野寺五典外務副大臣
2009年6月 橋本聖子外務副大臣
2010年7月 松下忠洋経済産業副大臣
2010年12月 前原誠司外務大臣
2012年1月 山根隆治外務副大臣
2013年1月 城内実外務大臣政務官
2013年1月 鈴木俊一外務副大臣(総理特使)
2014年3月 岸信夫外務副大臣
2015年5月 薗浦健太郎外務大臣政務官
2016年9月 日AU議連(田中和徳衆議院議員(副会長)、
秋葉賢也衆議院議員(副幹事長)、岡本三成衆議院議員)
2016年9月 高木陽介経済産業副大臣
2016年12月 滝沢求外務大臣政務官
2017年12月 佐藤正久外務副大臣
2018年8月 武藤容冶経済産業副大臣
2018年12月 河野太郎外務大臣
(2)来(2000年以降)
年月 要人名
2000年5月 ユースフィー外相
2000年7月 ブーテフリカ大統領(九州・沖縄サミットアウトリーチ会合、OAU代表)
2001年7月 スリマン・シェイク国民評議会議員(元文相)
2001年11月 メサヘル・アフリカ担当相(TICAD閣僚レベル会合)
2002年1月 トゥンシ国家警備庁長官
2002年9月 ヘリル・エネルギー鉱業相
2003年9月 メサヘル・アフリカ担当相(TICAD III)
2004年3月 ラフマニ国土整備・環境相(日・アラブ環境大臣級環境セミナー)
2004年9月 メジアン・ソナトラック総裁(第5回日・ア合同経済委員会)
2004年12月 ブーテフリカ大統領
2005年9月 セマリ・アルジェリア日本友好議員連盟会長
2005年12月 ハイシュール郵便・情報技術相
2007年6月 メジアン・ソナトラック総裁
2007年8月 バベス経済社会評議会議長(国連大学・ユネスコ共催セミナー)
2007年9月 ベジャウィ前外相(無形文化遺産条約第2回政府間委員会)
2007年11月 ベジャウィ前外相(第5回国際文化フォーラム)
2007年12月 グール公共事業相
2008年5月 ウーヤヒヤ大統領個人代表(TICAD IV)
2008年7月 ブーテフリカ大統領(北海道洞爺湖サミットアウトリーチ会合)
2012年10月 ジュディ財務相(IMF・世銀総会)
2013年3月 ユースフィー・エネルギー鉱業相
2013年6月 ベンサラ国民評議会議長、ユースフィー・エネルギー鉱業相(TICAD V)
2013年12月 ユースフィー・エネルギー鉱業相(第3回日本・アラブ経済フォーラム)
2016年5月 ユースフィー大統領府顧問・大臣(平成28年春の外国人叙勲)
2018年10月 ハジャール高等教育・科学技術相(STSフォーラム第15回年次総会)
2018年11月 ユースフィー産業・鉱業相(アルジェリア経済セミナー)
2019年8月 ベドゥイ首相、ブカドゥム外相(TICAD7)

7 二国間条約・取極

  • 2004年 技術協力協定
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