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平成21年6月15日
(1)共催:外務省、長野県、国連大学高等研究所(UNU-IAS)
(2)後援:農水省、環境省
(3)出席者:約50名
(アジア協力対話参加国の内14カ国の生物多様性・環境教育担当者(我が国は外務省、環境省)、長野県、長野市、長野県環境保全研究所、UNU-IAS、有識者、民間企業、NGO等)
(1)1日目は、長野市近郊の生物多様性に関係の深い施設(長野県環境保全研究所、グリーンヒルズ小学校、アファンの森)を訪問し、長野県内における生物多様性の保全及びそのための教育・啓蒙のための各種取組を視察した。また、外務省主催により歓迎レセプションを開催し、村井仁長野県知事にご出席いただいた。
(2)2日目は、ワークショップを開催した。尾﨑久仁子生物多様性条約COP10担当大使及び腰原愛正長野県副知事よりの挨拶の後、関係機関やACD参加国における生物多様性保全のための国又は地域レベルでの具体的取組(我が国における「里山」の紹介を含む)及び同問題に関する教育の現状が報告なされるとともに、都市化や経済活動が生物多様性に及ぼす影響とその対策、また、生物多様性に関する環境教育の対象者とその手法等についても議論しつつ、生物多様性をめぐる今後の課題と協力のあり方につき、活発な意見交換が行われた。意見交換を通じ、里山イニシアティブのような農林業を発展させつつ自然とも共棲していく考え方を普及していくためにも、今次会合のフォローアップとして生物多様性に関する教育についての情報交換のためのACDメンバー国間での緩やかなネットワークを構築することが出席者より提案され、これを受け、我が国議長の下でフォローアップを進めることになった。また、このような取組は、2010年に我が国がホストする生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の成功及び「2010年目標」の達成に向けての小さいながらも実質的な一歩を成すものとの認識が共有された。
(1)我が国は2010年10月、愛知県名古屋市にて生物多様性条約COP10をホストすることになっており、同2010年は国際生物多様性年であると同時に生物多様性に関する2010年目標の達成年でもある。国内外において生物多様性への関心が高まっていることを踏まえ、COP10に向けて生物多様性問題に関する理解をアジア地域において促進するため、今回の環境教育対話のテーマに「生物多様性に関する教育~農山村地域での生態系保存への取組を中心に~」を取り上げ、生物多様性問題に関する教育のあり方につき意見交換を行ったことは、時機を得たものであり、また、内容的にも生物多様性に関するアジア地域における努力の一環として位置づけられるものとなり、非常に有意義であった。
(2)特に、「生物多様性」という壮大かつ包括的な問題を実効的に進めていくためには、幅広く関係者が参加する教育が必要であること、また、各地域のニーズに合致した形で進められることが重要であることが、今次対話において参加者間で共有・認識されたことは有意義であった。また、その観点から、標高の高い山間地から高原地にかけて生物多様性に富む日本有数の県の一つであり、野生生物の保全や山林の適切な管理を実施している長野県において、国政レベルのみならず、実際の生物多様性保全に従事する関係者より具体的な説明を聞きつつ、また具体的な里山の実例を含む関連施設を実際に視察した上での意見交換は、我が国が推進する「里山イニシアティブ」についての理解を深める上でも非常に有益であった。
(3)今次会合の冒頭では、前回第5回の環境教育対話のフォローアップを行い、この環境教育対話が、具体的テーマは毎回異なるもののACDプライム・ムーバープロジェクトとして実施されていることを改めて参加者に認識させるとともに、次回会合でも同様に今次会合のフォローアップを行うことを約束した。
(4)今次会合の成果は、秋に開催予定の第8回ACD外相会合において、我が国が実施したACDプライム・ムーバープロジェクトとして報告されることになっている。