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アジア協力対話(ACD)第5回環境教育推進対話
「水と衛生問題に関する教育」
(概要と評価)

平成20年10月6日

(写真)

 2008年10月2日(木曜日)及び3日(金曜日)、滋賀県にて、アジア協力対話(Asia Cooperation Dialogue: ACD)のプライム・ムーバープロジェクトとして我が国は、第5回環境教育推進対話を開催したところ、概要と評価は次のとおり。今次対話では、「水と衛生問題に関する教育」をテーマとし、各国に於ける水・衛生問題に関する取組と活動につき報告がなされたとともに、水・衛生問題に関する教育を巡る課題と協力のあり方について、ACD参加国より17カ国、約60名の関係者が出席し、活発な意見交換がなされた(議長サマリー英語版)。

1.概要

開催形式及び出席者

(1)共催:外務省、滋賀県、国連環境計画国際環境技術センター(UNEP/IETC)

(2)後援:環境省、国土交通省

(3)出席者:約60名

(アジア協力対話参加国の内17カ国の水・衛生問題担当者(我が国は外務省、文科省、国交省、環境省)、滋賀県、UNEP/IETC、有識者、民間企業、NGO等)

日程

10月2日(木曜日)
視察
湖南中部浄化センター、滋賀県立水環境科学館
UNEP/IETC滋賀事務所、国際湖沼環境委員会(ILEC)
滋賀県立琵琶湖博物館、滋賀大学教育学部付属小・中学校
外務省主催歓迎レセプション
10月3日(金曜日)
ワークショップ(於:滋賀県立県民交流センター)
開会セッション
宇野治内閣府大臣政務官、嘉田由紀子滋賀県知事、大江博外務省国際協力局審議官による挨拶
午前の部
第4回環境教育推進対話のフォローアップ
水・衛生問題に関する各国における取組・活動の紹介と意見交換
午後の部
各国の水・衛生問題に関する教育の紹介と同教育の今後の課題と協力のあり方に関する意見交換

第5回環境教育推進対話の概要

(1)1日目は、滋賀県内の水・衛生関連施設、UNEP/ITEC、学校などを訪問し、滋賀県内における水・衛生問題及びその教育・啓蒙のための各種取組・活動を視察した。また、外務省主催により歓迎レセプションを開催し、宇野治内閣府大臣政務官、嘉田由紀子滋賀県知事にご出席いただいた。

(2)2日目は、ワークショップを開催した。宇野治内閣府大臣政務官、嘉田由紀子滋賀県知事より挨拶をいただいた開会セッションの後、ACD参加国における具体的な水・衛生問題への取組及び同問題に関する教育の現状が報告なされるとともに、水・衛生問題についての教育が直面する今後の課題と協力のあり方につき、活発な意見交換が行われた。意見交換を通じ、各国間の水・衛生問題に関する知見・経験の共有が重要であること、地域社会に根ざした対策が効果的であること、国家計画を策定する必要があること、しかし、そのためには、資金動員の必要性、教育の推進者(教師など)の存在また推進者への研修の必要性、産・官・学・市民社会等全ての関係者間での連携が必要であることなどについて、対話参加者間で認識が共有された。

2.評価

(1)我が国主導により国連総会で決議した「2008年国際衛生年」である本年、「水と衛生に関する教育」を今回のACD環境教育推進対話のテーマに据え、7月の北海道洞爺湖サミットでの成果を踏まえ、また9月25日のニューヨークで開催された国連ミレニアム開発目標(MDGs)ハイレベル会合及び9月24日に我が国がドイツ、オランダ、タジキスタンと共催した「水と衛生に関するサイドイベント」開催直後に、アジア協力対話参加国との間で「水と衛生」問題に関する教育のあり方につき意見交換を行ったことは、タイミング的にもまた内容的にも水と衛生に関するMDG達成に向けてのアジア地域における努力の一環として位置づけられるものとなり、非常に有意義であった。

(2)特に、「水と衛生」という分野横断的な問題に関する教育を実効的に進めていくためには、幅広く関係者が参加する「全員参加型」の教育が必要であること、また、各地域のニーズに合致した形で進められることが重要であることが、今次対話において参加者間で共有・認識されたことは意義のあることであった。また、その観点から、滋賀県という琵琶湖を通じての水・衛生教育に関し豊かな知見や施設を有する場において、国政レベルのみならず、実際の環境教育に従事する滋賀県の関係者より具体的な説明を聞きつつ、また具体的な関連施設を実際に視察した上での意見交換は、非常に有益であった。

(3)今次会合の冒頭では、前回第4回の環境教育対話のフォローアップを行い、この環境教育対話が、具体的テーマは毎回異なるもののACDプライム・ムーバープロジェクトとして実施されていることを改めて参加者に認識させるとともに、次回会合でも同様に今次会合のフォローアップを行うことを約束した。

(4)今次会合の成果は、本年10月16日(木曜日)にカザフスタンで開催される第7回ACD外相会合において、我が国が実施したACDプライム・ムーバープロジェクトとして報告されることになっている。

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