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平成19年6月
6月26日(火曜日)及び27日(水曜日)、北九州市にて、アジア協力対話(ACD)第4回環境教育推進対話が開催された。今次対話は、「地球温暖化対策としての環境教育」をテーマとし、各国に於ける地球温暖化の影響と対策、特に環境教育が果たす役割に焦点を当て、アジア諸国の取り組みについて意見交換した。
(1)共催:外務省、北九州市
(2)後援:環境省、気象庁
(3)出席者:約60名
(アジア15カ国(含む日本)の政府関係者約30名(気候変動条約交渉官及び環境教育担当者)、北九州市、北九州イニシアティブ・ネットワーク関係者、IGES、JICA等)
(1)日程
日付 | 内容 | |
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6月26日(火曜日) | 午前 | 第4回ESCAP北九州イニシアティブ・ネットワーク会合聴講(於:北九州国際会議場) (アジア各都市より、都市環境管理における優良事例について報告) |
午後 | 視察 北九州エコタウン事業(自動車リサイクルゾーン、家電リサイクル事業) 環境ミュージアム |
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夜 | 関口外務大臣政務官主催レセプション | |
6月27日(水曜日) | ワークショップ(於:北九州国際会議場) | |
午前 | セッション1(地球温暖化の影響に対する認識と対策の必要性) | |
午後 | セッション2(温暖化対策教育の課題と今後のあり方) |
(2)対話の内容
(イ)IPCC報告書の科学的データ等により、地球温暖化の傾向及びその影響が客観的に示されたことを評価する一方、このような情報が各国の地域住民の間で十分共有されていないことが指摘された。アジアからは、科学的知識を地球温暖化対策政策に活用することによって、国民の幅広い参加を得た取組みを展開すべきとの意見が多く見られた。
(ロ)温暖化への取組みを強化するためには、国民の教育・意識啓発活動の更なる充実が不可欠。各国は、既に行っている教育・啓発プログラムの拡充、地方・貧困層への教育の浸透に取り組むべき。
(ハ)気候変動問題は、環境だけではなく社会的・経済的側面を取り入れた全体的取り組みを必要とする問題であることから、省庁横断的、セクター横断的な取り組みを進めることが重要。
(ニ)途上国が地球温暖化により効果的に取組むためには、能力開発、技術移転、資金メカニズム等、多国間・二国間での支援が必要。
(ホ)環境教育において地球温暖化問題を取り上げていく上で、それぞれの国の政治・経済・文化に配慮したきめ細かな対応が重要。
(へ)環境教育をより効果的に進めるために、人材育成の他、行政レベルからだけではなく草の根レベルの意識醸成が不可欠。また、国内のみならず、UNESCO、UNEPといった国際機関との連携が重要。
(1)地球温暖化への取組みが緊急の課題であることについて、アジア諸国が共通の認識を持った上で、取り組むべき課題について有益な意見交換を行うことが出来た。
また同機会に、安倍総理イニシアティブ「美しい星50」の紹介や「チーム・マイナス6%」などの日本政府の取組み、北九州市による地方自治体レベルの活動の紹介を通じて、我が国が地球温暖化対策に真剣に取り組んでいる姿勢をアジア諸国に示すことが出来たことは極めて有意義であった。
(2)地球温暖化問題への取組をESDの観点から捉え、政府のみならず、国際機関、企業、NGO、市民等の幅広い参加を得たグローバルな取組を進めていくことが重要であることにつき合意が形成された。
(3)さらに、今次対話の参加者は、環境先進都市である北九州市のエコタウン事業の中から、省資源・厳正な適正処理による環境保全の取り組みの優良事例として、家電リサイクル及び自動車リサイクル事業を視察した。また、北九州市環境ミュージアム視察では、公害を克服し、環境都市を目指している北九州市の環境整備の歴史について理解を深めた。
(4)その他、今次対話を「第4回ESCAP北九州イニシアティブ・ネットワーク会議」とタイアップしたことで、アジア主要都市の都市環境に関する取組の優良事例について、ACD参加国にインプットすることができた。