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第9回アジア協力対話(ACD)外相会合(概要)
平成22年11月
8日~9日、イラン・テヘランにおいて第9回アジア協力対話(ACD)外相会合が開催されたところ、概要以下のとおり(我が国より松富中東アフリカ局長が大使として出席)。
1.会合の概要
ACD加盟全31カ国から外相又は代理が出席し、「アジアの団結及び結合に向けて:繁栄、平和および正義の促進」をテーマに議論が行われ、テヘラン宣言が発出された。
また、今次会合においては、アフマディネジャード大統領が開会式の挨拶で、ACDの事務局整備などを行いACDの機構化を進めるべきであり、これによりアジアの一体性を高め、統合されたアジアに向けて前進しようという提案を行った。
- (1)ACDの取組み
- (イ)ACDを地域的枠組みとして強化していくためには、エネルギー、道路建設等のインフラ整備、運輸、環境、貧困削減、金融、観光、科学技術、文化、学術交流等の分野において引き続き協力を強化していくことを通じ、相互信頼を深めることが重要との点につき各国が認識を共有した。
- (ロ)また、ACDにおける協力を強化するため、東南アジア諸国連合(ASEAN)、経済協力機構(ECO)、南アジア協力連合(SAARC)等の他の地域的枠組みと相互に実施している協力について意見交換を行うことにより、ACDにおいて実施する協力を整理していくことが提案された。環境や経済的な協力実施のため、基金を設立することも提案された。ACDの下で実施されているプライム・ムーバ-・プロジェクトについては、今後の実施について、ハイレベル検討グループを立ち上げ検討していくこととなった。
- (ハ)我が国からは、政治体制や経済発展度が多様なアジアにおいては、各国が進めている協力プロジェクトを推進することにより相互信頼を築くことが重要であり、その観点から、連結性を強化するために他の地域的枠組みが実施している協力との連携が重要である旨述べた。
- (2)国際・地域情勢
- (イ)経済情勢について、欧米に端を発した金融の混乱の影響がアジアにおいては少なかったとの指摘があった一方、貧困削減等の問題に引き続き各国が協調していくことが重要との指摘があった。
- (ロ)食糧安全保障、気候変動、再生可能エネルギー等の問題に共同で対処していくことの重要性について触れられ、また、持続的開発を推進することの重要性についても提起された。
- (ハ)その他、アフガニスタンにおける貧困削減、テロ、人権尊重等の問題を解決する重要性について提起された。
- (ニ)我が国からは、我が国の貢献を紹介しつつ、経済連携や人的交流を通じて日本とアジア、世界との連結性を強化するとともに、日本の経験や技術を活かし、インフラ整備、環境・気候変動等の地域共通の課題解決に貢献していきたい旨述べた。