コロンビアには1929年に最初の日本人家族が入植して以降,現在まで約1,800人の日系人が在住しており,その大部分がコロンビア第3の都市であるカリ市周辺に住んでいます。
在コロンビア日本大使館は,ほぼ毎年,カリ市にある日系人協会と協力して日本文化週間を実施していますが,昨年から日系人協会の強い要望により,日本文化紹介の一環としてカリ市にある日系人協会会館で杉林公邸料理人による日本食デモ&レクチャーを行っています。
参加者は主に日系人ですが,80年以上の歴史を誇るコロンビアの日系人の方々は,材料が入手できない等の理由から現在は日本料理よりもコロンビア料理の方が馴染み深いようです。しかし,やはり自分たちのルーツである日本が誇る食文化をもっと身近に学びたいと希望している日系人の方々が多くいらっしゃるため,杉林公邸料理人を現地に派遣して日本の食文化を伝えることになりました。
杉林公邸料理人はそのような日系人の方々の希望を汲んで,まずはコロンビアでも入手できる材料を使用した家庭料理を伝授したところ,参加した日系人からは驚きと喜びで一杯の感想が寄せられ,その後,それぞれの家庭でも実践するようになったそうです。日系人社会で懐かしい日本の味が復活するきっかけとなりました。
大変な好評を得たため,本年もまた日系人協会から杉林公邸料理人の派遣の要望があり,今度は日系人のみならず,広く一般市民を対象として,お寿司のデモンストレーションを行う予定です。
杉林公邸料理人は,日系人に日本の懐かしい味を伝え,そうした日系人が現地社会に日本の味を伝えることで我が国が誇る食文化を発信し続けたいと常に願いながら活動を続けています。