平成22年度における外務省所管独立行政法人の
業務実績評価について
平成23年8月24日
外務省独立行政法人評価委員会
委員長 南 直哉
外務省独立行政法人評価委員会は,外務省の所管する独立行政法人国際交流基金及び独立行政法人国際協力機構の平成22年度における業務の実績に関する評価を実施し,評価結果を別紙のとおり取り纏めました。本年度の評価に関する委員長としての所見は次の通りです。
- 国際交流基金,国際協力機構ともに,平成15年10月に独立行政法人に移行して以来,今回が8回目の年度評価となります。また,第2期中期目標期間の4年度の年度評価となります。評価に当たっては,これまで同様,中期目標・中期計画に基づいた項目(小項目)毎に,業務実績に対する評定を実施し,これを中項目毎にまとめて評定を加えました。
- 今年度の評価にあたっては,評価プロセスにおいて重点的に検討する「評価のポイント」を年度当初に定め,それに従って,評価を行いました。この「評価のポイント」は,コスト削減や効率化といった面に加え,それぞれの独立行政法人が設置されている目的に沿った事業が効果的に実施されているかとの点について検討し,めりはりをつけた評価を行うことを意図したものです。
- 評価は,これまで同様,小・中項目の評定と全体の評価としての総合評価から成っておりますが,総合評価では,この小・中項目の評定と委員会の各種会合での審議を基に,各法人の業務全体について,総合的な観点から,その実績及び改善の方向性等の指摘事項,その他の意見を記しております。なお,国際交流基金と国際協力機構は,事業内容,業務形態も異なることから,特に項目別評価においては,各法人の業務に応じた評価指標を設定した上で中期目標の達成状況等を評価したものであり,両法人間の相対評価を示すものではありません。
また,平成22年3月8日「外務省所管独立行政法人の業務実績評価に係る基本方針」を改訂し,評定方法を変更したため,小・中項目の評定はそれ以前の評定と整合するものではありません。
- 各法人の業務実績についての評価の詳細はそれぞれの評価書に示してあるとおりです。国際交流基金については,主要な中期的数値目標として掲げられた効率化・経費節減が当初の計画を上回って達成されており,また,中期計画に沿った各分野の事業の実施も着実に成果を上げているなど総じて順調であると評価できます。また,国際協力機構については,旧国際協力銀行(海外経済協力業務)との統合効果を一層発揮し、より質の高い事業を推進すべく、開発途上地域等の需要に的確かつ迅速に対応するための国別の分析を強化するとともに、技術協力、有償資金協力、無償資金協力の3つの援助手法を有機的に運用するプログラムの戦略性強化に取り組んでいること等を確認し、総じて順調であると評価できます。
一方,各々の評価書で指摘したとおり,いくつかの事項については,今後さらに改善を要する課題もあります。両法人が,これらの課題について早期に改善に取組み,引き続き,業務の一層の効率化と質の向上が達成されることを期待します。
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独立行政法人一般については抜本的な見直しを行うこととされており,特に平成21年秋から事業仕分けの手法を用いて行政全般の刷新が進められ,独立行政法人についても,「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」(平成22年12月7日閣議決定)がまとめられました。
他方,外務省が所管する両独立行政法人の事業に対する国内外の期待は大きいものがあり,両法人の担うべき役割はわが国の外交上極めて重要であります。このことは本年3月に発生した東日本大震災に際して各国・地域から,国民レベルでも多くの支援や応援のメッセージが寄せられたことからも十分にうかがい知ることができると考えます。
従って,両法人とも,単に事業運営の効率化や財務状況の改善といった面だけでなく,両法人の使命が確実に果たせるよう業務の質が維持・向上されているかについても十分に配慮する必要があります。また,業務の透明性を引き続き確保しつつ,独立行政法人通則法の理念に則って,業務運営の自主性がより発揮できるよう一層の配慮が必要であると考えます。
外務省独立行政法人評価委員会としても,このような面についてもより適切に評価できるよう,評価のあり方について随時見直しを行い改善していきたいと考えております。
(別紙)
- 独立行政法人国際協力機構の平成22年度の業務実績に関する評価書
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