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第9回外務省独立行政法人評価委員会議事概要

1.日時

平成17年12月27日(月曜日) 14時03分から16時04分

2.出席者

(委員)
南直哉委員長、井口武雄委員長代理・国際協力機構分科会長、東田親司国際交流基金分科会長、縣公一郎、伊藤るり、伊奈久喜、上野田鶴子、川上照男、建畠晢、西尾隆、山崎唯司、渡邉紹裕の各委員

(外務省)
塩尻官房長、高橋官房総務課長、山内考査・政策評価官事務代理、片山文化交流課長、植澤技術協力課長他

(国際交流基金)
吉野理事、吉川企画評価部長

(国際協力機構)
小島理事、粗総務部長

3.議題

(1)外務省独立行政法人評価委員会の役員の選任(再任)(委員長、委員長代理、各分科会の分科会長、分科会長代理)

(2)国際協力機構の退職役員3名の業績勘案率の決定

(3-1)平成16年度独立行政法人業務実績評価に関する評価の結果についての総務省政策評価・独立行政法人評価委員会の意見

(3-2)平成16年度評価における評価委員会の指摘事項に対するフォローアップについて(国際交流基金、国際協力機構からの説明)

(4)報告事項

4.議事概要

(1)冒頭、高橋官房総務課長による開催の挨拶、委員の再任等の経緯の説明に引き続き、塩尻官房長より挨拶が行われた。

(2)外務省独立行政法人評価委員会令に基づき、委員の互選により南直哉委員長の再任が行われ、南委員長より井口武雄委員が委員長代理に指名された。また、同委員会令に基づき国際交流基金分科会長には東田親司委員、国際協力機構分科会長には井口武雄委員、同分科会長代理には西尾隆委員が再任された。また国際交流基金分科会長代理には、建畠委員が指名された。

(3)山内考査・政策評価官事務代理より、「外務省独立行政法人の役員の退職に係る業績勘案率の決定方法について」(以下、「決定方法。」を含む、業績勘案率の決定方法について、説明が行われた。引き続き、国際協力機構より、今回退職する3名の役員の業績について説明が行われた後、同事務代理より、監事を除く2名の基準業績勘案率については、各年度の業務実績評価から機械的に算出した場合、1.1となり、これに加え、上記「決定方法」の留意事項、総務省の「審議会」の「役員退職金に係る業績勘案率に関する方針」などを踏まえ、総合的かつ厳格な検討を行った結果、今回は基本的な業績勘案率である1.0とする案を提示させて頂いたとの説明があり、これを受けて審議が行われ、最終的に了承された。
 また、南委員長より、3名の業績勘案率(案)については、閣議決定の手続きに則り、総務省に設置された通則法上の「審議会」に通知するが、同「審議会」からの意見がない場合には、再度審議を行うことなく、業績勘案率(案)を委員会としての正式決定とした旨の提案があり、了承された。(別添

(4)主な議論(○は委員より出された質問・意見、●は説明者の回答)

○基準業績勘案率の算出方法如何。

●外務省の「決定方式」に基づき、各年度の業務実績評価の結果を集計し、加重平均する形で算定される。

○各役員の業績については、マネジメントとしての立場もあり、具体的な説明は難しい面もあると思うが、その役員にはどのくらいのことが期待されていて、それに対してどのくらいのことが達成できたのかより具体的に説明を検討して頂きたい。

●理事は1人で仕事しているわけではなく、個別の業績を具体的に説明することは難しい面はあるが、今後可能な限り具体的に説明できるように工夫を考えていきたい。

○他省庁から総務省に提出する文書において、「基準業績勘案率」またはそれに類するものの記載はどのように扱われているのか。

●総務省への提出文書の記載については、各省庁の判断に委ねられており、その扱いは種々あると承知している。

○業績勘案率については、他省庁も含め、ほとんどが1.0となっていることについて、関係者の間で問題意識が高まっていると承知している。1.0を超える場合としては、独立行政法人の業績評価が優れている場合と、役員の在職中の組織への貢献が高い場合が考えられるが、例えば、役員在職以前の組織への貢献についても考慮していくような枠組みは考えられないか。

(5)引き続き、山内考査・政策評価官より、総務省の「審議会」がとりまとめた「平成16年度における外務省所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見について」の説明を行い、対応方針などについて議論した。

(6)主な議論(○は委員より出された質問・意見、●は説明者の回答)

○独立行政法人評価委員会としての判断に資するために、独立行政法人側で評価に関する資料を作成する際に、結論だけではなく、達成すべき目標と実際に達成された内容を記述するなど、その結論に至ったプロセスが明らかになるよう工夫して頂きたい。

●成果については発現するのに時間がかかることもあるので、難しい面もあるが、その制約の中で、わかりやすい資料の作成を心がけていきたい。

○国際協力機構の16年度の業績評価において国内施設に関するセグメン ト情報は詳しく提供されていると思うが、各海外事務所のセグメント情報を提出して頂いて、システムとしての事務所ネットワーク全体を把握した上で、地域別に記述して、評価できるようにしてはどうか。

●海外事務所のセグメント情報については前向きに検討していきたい。プロジェクトの成果については、プロジェクトが終了して3~5年後の事後評価によってその把握に努めているが、「在外の現場強化」については、具体的な効果の事例が一部在外事務所から報告されていることもあり、これを踏まえた工夫はできるのではないかと考えている。

●国際交流基金の海外事務所については、設置場所によって規模や役割が異なっており、同じ尺度で評価することは出来ないが、可能な限り、具体的に、各論的に記述できるように努力していきたい。

○総務省の「審議会」の指摘は正しいと思うが、すべてを完璧に行うには相当なコストがかかり事実上不可能である。「審議会」の指摘を活かすためには、難しい課題であるが、評価のコストとの関係も踏まえつつ、説明に例示を用いるなど、効率的に評価を行うことが出来るよう工夫していただきたい。

○世界銀行やアジア開発銀行には評価室が設けられて、カントリー・オフィスの評価を行っており、これが幹部の評価にもなっている。具体的な業務実績等の評価は評価のインフラを整備しないとできないが、国際協力機構や国際交流基金内にそうしたインフラを整え、そこで評価したものを評価することも考えられる。

●国際協力機構の海外事務所の評価については資料を工夫していきたいが、一部経営判断を左右する前提条件に関わってくる。例えば、「現場強化」については、様々な制約の中で、人員配置計画を策定するという面もあり、その経営判断をサポートする全てのデータの提供は難しい面がある。また、海外事務所についても、それぞれに設置理由があり、これを評価していただくには、その経営判断の前提条件から説明を行う必要があり、セグメント情報はそれに付随するデータとして位置付けられる。前提条件を全て説明することは困難であるが、どのような説明が可能か工夫していきたい。

○国際交流基金の海外における日本語教育については、国内機関の関連事業と連携して協力して事業を進めてもらいたい。

●国立国語研究所との連携プロジェクトとして、海外の日本語教師を招聘して修士学位授与プログラムを行っている。また同「研究所」とは、情報交換なども行っている。

○平成17年度業務実績評価に総務省審議会の意見の趣旨を反映できるよう、事務局及び独立行政法人の双方で工夫して欲しい。

(7)続いて、平成16年度評価における評価委員会の指摘事項に対するフォローアップについて国際交流基金及び国際協力機構から説明があった。

(イ) 国際交流基金の主な説明の概要は以下のとおり。
 人事制度改革諮問委員会が行った提言を受けて、管理職削減等の制度見直しを行っている。オール・ジャパンとして文化外交推進のために外務省を含めた関係省庁や他団体との戦略的連携を行っている。また、欧州地域の日本語教育の強化、平成18年度の事業計画においては海外事務所を活用した文化人の派遣や日本語教材寄贈を検討している。さらに、日中21世紀交流事業として平成17年度補正予算(案)において20億円の国際交流基金への出資が盛り込まれ、補正予算が成立すればこれに国際交流基金等の資金を合わせ総額100億円の基金を立ち上げることとなる。今後とも外交上の必要性をふまえ、更なる事業の効率化などに努めていきたい。

(ロ)国際協力機構の主な説明の概要は以下のとおり。
 海外事務所への権限委譲を開始し、17年度4月より本格的に予算を移し、30の事務所で在外主管の案件が行われているが、概ね順調であり、海外事務所の主体性の高まりに手応えを感じている。予算が削減される中、海外事務所から成熟度の高い案件の提出がかつてないほど増えており、今年度を境目にして案件形成に変化があったと実感している。課題としては、本部のノウハウを如何にして海外事務所に伝えていくか、技術協力と無償資金協力等の他の協力を連携など戦略的なプログラム・アプローチを如何に強化するか、事業プロセスを見直した結果としての事務の軽量化を検討していきたい。
 一般管理費については、消費税修正申告などの特殊要因により14年度のベースラインを上回っていたが、17年度は計画の範囲内に収まる見込みである。改善の具体的な成果については、人間の安全保障、平和構築支援、各種援助スキームの一体的実施などの面でも効果が上がっている。研修事業については、これまでオファー型で現場のニーズとのリンクが弱かったものもあるが、被援助国の優先的課題の中の位置づけを明確にしていくなど改善に努めている。その他、主な項目を挙げれば、国民の協力活動の推進、草の根技術協力などについて進展があり、国内機関の再編については第二弾の検討を進めており、年度内に具体的再編計画を策定する予定である。

(ハ)主な議論(○は委員より出された質問・意見、●は説明者の回答)

○在外のみならず、国内において経済協力のために活動している人々への支援もお願いしたい。

●市民との窓口の中核をJICA広尾(旧青年海外協力隊訓練所)を市民との窓口の中核として、4月から位置付けることとしており、市民に活用して頂くために今後その宣伝に努めていきたい。

○国際交流基金の京都支部は、京都の街を活かした活動を行うのか、それとも広く関西地域をカバーするのか。

●京都支部は規模を縮小したために、ビジビリティが低くなったかもしれないが、京都を中心に関西において活動を行っていきたい。

○予算が厳しくなる中で、在外重視などの方針の結果、良い案件が上がってくるとの説明があったが、今後の重点の置き方などについて議論されているのか。

●一言で言えば「選択と集中」の方針に尽きるが、国別の戦略やアフリカ等地域毎の戦略を打ち出している。ブラジル、タイ、マレーシアなどの中進国についてはパートナーとしてリソースを持ち寄って第三国への協力を行いたいと考えている。地域でメリハリをつけ予算の配分を考えていきたい。

●予算の厳しい中で、案件選定の方針をより一層適切に考慮せざるを得なくなっている。外務省の外交政策、援助戦略とも調整して、意見交換を行ってきている。在外への人員配置転換は本部配置と比較して約1.5倍の人件費を要することから、人件費が削減されると現場強化と言いながら逆に現場への配置転換が困難になるため、非常に悩ましい問題である。アウトソーシングの活用も含めて対応を検討する必要がある。

(8)その後、山内考査・政策評価官事務代理から連絡事項の説明があり、委員長が閉会を宣言した。

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