外務副大臣・外務大臣政務官
阿部俊子外務大臣政務官の太平洋エネルギー・サミット出席(結果概要)
平成25年3月28日



3月25日及び26日,阿部俊子外務大臣政務官は,オークランドにて開催された太平洋エネルギー・サミットに出席し,太平洋島嶼地域における再生可能エネルギー分野における日本の貢献等についてのスピーチを行うとともに,サミットに参加した太平洋島嶼国首脳等への表敬を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,サミットでは,随所で日本の太平洋島嶼地域における再生可能エネルギー分野での支援について評価する発言がありました。(阿部政務官スピーチ)
1. 阿部政務官のスピーチ概要
(1)ニュージーランド及びEUのサミット開催のイニシアティブ及び3月21日・22日にトンガで開催された太平洋リーダーズ・エネルギー・サミットを評価。太平洋島嶼国は化石燃料への高い依存,地球温暖化といった課題に直面。これらの課題を克服するために再生可能エネルギー導入を望む太平洋島嶼国の政策を,資源が乏しく,再生可能エネルギーを追求してきた日本も共有。
(2)太平洋島嶼国は太平洋及び長年に亘る友好・協力関係の歴史を共有する日本の隣国。3年に一度太平洋・島サミットを開催することは,この地域との協力強化への我が国の強いコミットメントの表れ。日本は島サミットで表明された3年間で最大5億ドルの支援を着実に実施中。本年秋に開催予定の太平洋・サミット第2回中間閣僚会合への島サミット参加国の出席に期待。
(3)日本は太平洋島嶼地域における再生可能エネルギーの推進とエネルギー効率の改善を重視。日本は太平洋環境共同体(PEC)基金に6600万ドルを拠出し,現在11か国において太陽光発電,海水の淡水化分野で事業を実施中。また,最近トンガにおいて同国のエネルギー・ロードマップに合致するマイクログリッドシステム導入計画,パプアニューギニアにおいてエネルギー効率を改善するために送電システム強化計画の実施を決定。さらに,気候変動対策の観点から,小島嶼発展途上国(SIDS)に対して2,3億ドルを拠出するとともに,2012年のリオ+20の際に,3年間で30億ドルの途上国支援を内容とする「緑の未来イニシアティブ」を表明。
(4)日本は第2位の拠出国・理事国メンバーとして,国際再生可能エネルギー機関(IRENA)を支持。昨年,太平洋島嶼国における再生可能エネルギーの普及に向けた政策・技術的努力を議論するためのワークショップを開催。
(5)再生可能エネルギーの導入の成否は,太平洋島嶼国自身のエネルギー戦略,ドナーによる財政的・技術的協力,金融機関を含む民間部門の積極的関与を通じたすべての利害関係者の調和のとれた協力に掛かっている。
2. サミット参加国首脳等への表敬
(1) 太平洋島嶼国首脳等(トゥイラエパ・サモア首相,プナ・クック諸島首相,トン・キリバス大統領,モーゼス・ナウル国連大使,モリ・ミクロネシア大統領,トゥイバカノ・トンガ首相,ナタノ・ツバル副首相)
(ア)阿部政務官より,各国首脳による第6回太平洋・島サミット(PALM6)への出席・協力に感謝を表明するとともに,本年秋に開催予定の太平洋・サミット第2回中間閣僚会合への出席を依頼しました。
(イ)各国より,PALM6での日本の貢献や様々な日本の二国間協力を評価するとともに,沖縄でのPALM6出席はよい思い出である等の発言がありました。
(ウ)各国より,インフラ整備,再生可能エネルギー分野を含む様々な分野での日本の協力への謝意を述べるとともに,とりわけ化石燃料に輸入への高い依存が島嶼国の経済開発を妨げていることから,日本の優れた技術を活用した再生可能エネルギーの導入・普及に向けた支援への期待が表明されました。
(エ)各国首脳より,PEC基金を通じた太陽光発電及び海水の淡水化プロジェクトへの支援を高く評価するとともに,島嶼国における再生可能エネルギーの普及の観点からPEC基金の継続・拡充への期待が表明されました。
(オ)阿部政務官より,JENESYS(ジェネシス)2.0を通じた青少年交流を通じて将来世代の交流を進めていきたい旨述べたところ,各国よりこれを歓迎する旨の発言がありました。
(カ)阿部政務官と各国首脳等は,二国間関係,地域情勢,国際場裡における協力等について意見交換を行いました。
(2) マカリー・ニュージーランド外相
(ア)阿部政務官より,太平洋エネルギー・サミット開催のイニシアティブを高く評価するとともに,本年秋に開催予定の太平洋・島サミット第2回中間閣僚会合へのマカリー外相の出席を含むNZの協力を要請し,太平洋島嶼国への支援において両国が一層連携していくことで一致しました。
(イ)阿部政務官とマカリー外相は,日本のTPP(環太平洋パートナーシップ)参加表明を受けた両国の良好な経済・貿易関係の一層の強化,太平洋島嶼地域等での協力・連携を強化することで一致しました。
(ウ)阿部政務官より,クライストチャーチ地震に関し,犠牲者御家族の関心はCTVビル倒壊の法的責任の追求にある旨述べるとともに,引き続き御家族への情報提供を依頼しました。
(エ)その他,阿部政務官とマカリー外相は,地域情勢について意見交換を行いました。
(3) アミン国際再生可能エネルギー機関(IRENA)事務局長
(ア)阿部政務官より,昨年3月に福島で開催された「被災地復興へ向けたスマートコミュニティ提案」,及び第6回太平洋・島サミットの機会に開催された太平洋島嶼国を対象とした再生可能エネルギー推進に関するワークショップへのIRENAの協力を評価する旨述べました。また,阿部政務官より,日本はIRENAを重視しており,IRENAがスリムで効率的な卓越した知的拠点として発展し,日本や世界に貢献することを強く期待する旨述べました。
(イ)アミン事務局長より,IRENAを含めた日本の貢献を評価する旨述べられ,太平洋島嶼国やアフリカ,アジアにおける能力構築について,日本とIRENAが協力していくことで一致しました。