政策評価

平成24年度における外務省所管独立行政法人の業務実績評価について

平成25年8月22日

外務省独立行政法人評価委員会
委員長 井口 武雄

 外務省独立行政法人評価委員会は,外務省の所管する独立行政法人国際交流基金及び独立行政法人国際協力機構の平成24年度における業務の実績に関する評価を実施し,評価結果を別紙のとおり取りまとめました。本年度の評価に関する委員長としての所見は次のとおりです。

  • 国際交流基金,国際協力機構ともに,平成15年10月に独立行政法人に移行して以来,今回が10回目の年度業績評価であると共に,第3期中期目標期間の初年度に対する評価にあたります。当評価委員会では,本年3月に決定した第3期中期目標期間の業務実績を評価するための新たな指標に基づき,これまで同様,中期目標・中期計画に沿った項目(小項目)毎に,業務実績に対する評定を実施し,これを中項目毎にまとめて評定を加えました。

  • 評価にあたっては,昨年に引き続き,評価プロセスにおいて特に重点的に検討する事項を「評価のポイント」として事前に定め,評価に必要な情報の提示を各独立行政法人に対し求めた上でヒアリングを行いました。各分科会における「評価のポイント」決定にあたっては,コスト削減や効率化といった点に加え,それぞれの独立行政法人の設置目的に沿った事業が効率的に実施され,成果が現れているかについても検討し,めりはりをつけた評価を行うことを意図しました。また,当委員会においては,より専門的な視点から各々の独立行政法人の管理運営部門の業務についてきめ細かにチェックを行う体制を整えるため,平成22年度から,コンプライアンス部会を設置しております。コンプライアンス部会においては,政策評価・独立行政法人評価委員会が決定した「平成24年度業績評価の具体的取組について」(平成25年5月20日決定)も踏まえつつ,「評価のポイント」に基づいて集中的に議論を行った上で,当委員会及び各分科会での評価の参考に資する部会の評価コメントを作成しました。

  • 評価は,これまで同様,小・中項目の評定と全体の評価としての総合評価から構成されています。総合評価では,小・中項目の評定と委員会の各種会合での審議を基に,各法人の業務全体について,総合的な観点から,その実績及び改善の方向性等の指摘事項,その他の意見を記しております。なお,国際交流基金と国際協力機構は,事業内容,業務形態も異なることから,特に項目別評価においては,各法人の業務に応じた評価指標を設定した上で中期目標の達成状況等を評価したものであり,両法人間の相対評価を示すものではありません。
    また,平成22年3月8日に「外務省所管独立行政法人の業務実績評価に係る基本方針」を改訂し,評定方法を変更したため,小・中項目の評定はそれ以前の評定と整合するものではありません。

  • 業務実績についての評価の詳細はそれぞれの評価書に示してあるとおりです。
    国際交流基金については,中期計画に沿った効果的・効率的な事業の実施が総じて順調に行われました。文化芸術交流,海外日本語教育・学習,海外日本研究・知的交流という3つの主要事業分野においてはもとより,外交政策を踏まえた地域・国別事業方針に基づく事業の実施や東日本大震災からの復興に資する事業の実施においても,優れた実績を上げており,業務の質を向上させる取組において総じて優れた成果を上げています。一方で,主要な経費の効率化が中期計画及び年度計画上の数値目標を上回って達成される中,委員からは,経費削減を進めるあまり,本来であれば拡大,強化すべき取組や事業の縮小・先送り等の支障が出ることへの懸念が示されました。
    国際協力機構については,田中新理事長の下,戦略的かつ効果的な政府開発援助(ODA)の実施において高い成果を上げたと評価できます。「平和の構築」分野で特に優れた実績を上げるなど,より戦略的な事業の実施を通じた政府の重点政策課題への貢献が認められるほか,「国際社会におけるリーダーシップの発揮」への貢献において特に優れた実績を上げるなど,業務の質を向上させる取組において総じて優れた成果を上げています。また,経費の効率化が中期計画上の数値目標を上回って達成されるなど,公正かつ効率的な組織・業務運営に着実に取り組んでいることを確認しました。
    それぞれの評価書で指摘したとおり,いくつかの事項については,今後さらに改善を要する課題もあります。両法人がこれらの課題について早期に改善に取組み,引き続き,効率的な業務の実施と一層の質の向上が達成されることを期待します。

  • 独立行政法人一般については,現在,政府の行政改革推進会議の下で,独立行政法人の制度・組織両面にわたる改革について検討が進められています。
    また,「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」(平成22年12月7日閣議決定)で取り纏められた措置については,引き続き,各法人がこれに沿った取組を進めることが求められており,外務省所管の両法人については,契約や保有資産の見直し及び事業の効率的な実施等について,上記閣議決定をはじめとする政府方針に適切に対応した取組が行われていると評価しております。

  • 両法人がその使命を確実に果たすためには,効率的な組織・事業運営への努力を継続すると同時に,業務の質が維持され,更には向上することが重要です。外務省独立行政法人評価委員会としては,この点に十分留意しつつ,各法人が本来期待されている成果を十分に達成できるよう,引き続き厳格かつ適正な評価を行うべく取り組んでいく所存です。

  • 最後に,外務省が所管する両独立行政法人は,国内外から大きな期待を受けています。両法人が担うべき役割は,東日本大震災からの復興をはじめ,本年6月の「日本再興戦略」でも示されたとおり,クールジャパンの推進や経済協力の戦略的な活用(中小企業・自治体の国際展開支援を含む)などの政府の重要戦略を進める上でも,また,我が国の外交政策上も,極めて重要であります。
    厳しい財政事情を背景として,独立行政法人に対し国民から厳しい視線が向けられており,従来からの政府方針の下で,両法人に対しても,継続して経費削減目標が課せられている状況にあります。このような状況については理解するものの,国際社会における日本の役割や立場を維持・向上する努力がこれまで以上に求められている中で,両法人の役割や存在意義,更に今日までの業績に鑑みれば,両法人が国益に資する活動を十分に行うことができるよう,今後,予算面における後押しを検討する必要があると強く考えます。

(別紙)


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