外務本省

山中外務大臣政務官のベルギー、英国、スロベニアおよびオーストリア訪問
(概要)

平成18年2月

 山中あき子外務大臣政務官は、1月11日~19日、ベルギー、英国、スロベニアおよびオーストリアの4カ国を訪問した。在スロベニア大使館の開館式典に出席したほか、各国において講演会で講演を行い、政府要人、国際機関の長、研究者等との会談・意見交換を行った。訪問の概要は以下のとおり。

I.概要

1.訪問日程

訪問日程
日付 内容
1月12日 ブローク欧州議会外交問題委員会委員長との意見交換
コヴァンダ欧州委員会対外関係総局次長との意見交換
ウィルスマ欧州社会党グループ副党首との意見交換
欧州アジア研究所(EIAS)における講演
1月13日 議会関係者・有識者等との意見交換
1月14日 議会関係者・前駐日大使等との意見交換
1月16日 在スロベニア大使館開館式典・レセプション
スロベニア・日本友好議連との意見交換
イェロヴシェック国民議会外交委員長主催昼食会
リュブリャナ大学社会科学部大学院における講演
1月17日 セラール・スロベニア外務次官との会談
キルレ・オーストリア外務次官との会談
ウィーン大学社会学部における講演
1月18日 ド・ブリシャンボーOSCE事務総長との会談
ウィーン在留邦人との意見交換会
アハティサーリ国連特使との昼食会
ユムケラーUNIDO事務局長との会談

2.ベルギー

(1)欧州アジア研究所(EIAS)における講演

 12日、山中政務官は、欧州アジア研究所において、「日・EU協力と東アジアの安全保障」と題した講演を行った。この中で、山中政務官は、(イ)日欧が民主主義の価値を共有するパートナーであり、共通の価値に基づいて国際社会で協力を深めていること、(ロ)中国の経済発展を日本は歓迎しているが、中国の軍備の近代化・軍備費の増大が不透明な形で行われていること、EUの対中武器禁輸措置解除問題に関する日本の考え、(ハ)東アジアの安全保障環境に関する共通の認識を持って、日EU協力を強化していくこと、アジア地域における平和構築や自然災害・人為災害への対処のための専門能力構築の分野における日EU協力が有益であること等を内容とするスピーチを行った。その後出席した欧州議員、EU理事会・欧州委員会関係者、シンクタンク、報道関係者等約50名の参加者との間で、日本外交、日中関係等を中心に白熱した質疑応答が行われた。

(写真)欧州アジア研究所(EIAS)における講演

(2)ブローク欧州議会外交問題委員会委員長等との意見交換

 12日、山中政務官は、ブローク委員長と意見交換を行い、欧州議会における外交課題、EUによる対中武器禁輸措置解除問題、欧州安全保障防衛政策等につき話し合った。特に、日・EUの外務委員会間の交流強化の重要性で意見が一致した。 その他、コヴァンダ欧州委員会対外関係総局次長、ウィルスマ欧州社会党グループ副党首との意見交換をそれぞれ行った。

3.英国

 山中政務官は、時事トップセミナーにおいて我が国の外交を含む日本の政治に関して講演を行うとともに、議会関係者、有識者、元駐日大使等と日英関係、東アジア情勢、中東情勢、欧州情勢、平和構築のための人材育成等、幅広い内容につき意見交換を行った。

(写真)時事トップセミナーにおいて講演をする山中大臣政務官。ドチェスター・ホテルにて。
(時事トップセミナーにおいて講演をする山中大臣政務官。ドチェスター・ホテルにて。)

4.スロベニア

(1)在スロベニア日本大使館開館式典・レセプション

 16日、山中政務官は、在スロベニア日本大使館開館式典・レセプションに出席し、列席者一人ひとりと挨拶を交わすとともに、開館にあたっての祝辞を述べた。その中で、大使館開設を通じて両国の交流が一層活発化すること、両国の協力により国際社会、特に西バルカンの平和と安定に寄与することを期待すると述べた。式典・レセプションには、他に来賓として、わが国から保岡興治日・スロベニア友好議連会長、相沢英之日・スロベニア友好協会会長が、スロベニア側からはルーペル外務大臣、コカル・スロベニア日本友好議連会長が出席し、祝辞を述べた。スロベニア議会、外務省、在スロベニア外交団、経済関係者、在留邦人、日・スロベニア友好協会関係者等が多数出席し、盛況のうちに散会となった。

(写真)在スロベニア大使館開設式にて挨拶をする山中大臣政務官
(在スロベニア大使館開設式にて挨拶をする山中大臣政務官)

(写真)在スロベニア大使館開設式に出席したルーペル・スロベニア外務大臣(左)
(在スロベニア大使館開設式に出席したルーペル・スロベニア外務大臣(左))

(2)スロベニア国会議員との懇談

 16日、山中政務官は、スロベニア議会議事堂において、保岡興治日・スロベニア友好議連会長、相沢英之日・スロベニア友好協会会長らとともに、コカル・スロベニア・日本友好議連会長、イェロヴシェック国民議会外交委員長等との間で懇談した。懇談の内容は多岐にわたり、日・スロベニア経済関係等の二国間関係のみならず、国連改革、平和構築、東アジア等の国際問題に加え、消費税制、憲法改正、裁判員制度等両国に共通する課題にまで及んだ。熱心なやりとりがなされた後、今後とも議員交流を活発化させることで合意した。

(写真)スロベニア国会議員との懇談

(3)リュブリャナ大学社会科学部大学院における講演

 16日、山中政務官は、リュブリャナ大学社会科学部大学院において、「日・EU協力と東アジアの安全保障」と題した講演を行った。学生、大学教授、外交関係者等からなる約50名の聴衆からは、日・EU協力、東アジアとの関係をはじめとする日本外交に関する活発な質問がなされた。

(写真)リュブリャナ大学社会科学部大学院における講演

(4)セラール・スロベニア外務次官との会談

 17日、山中政務官は、スロベニア外務省においてセラール外務次官と会談し、わが国からの投資・観光促進、平和構築のための協力、国連安保理改革等について協議した。セラール事務次官は、日本の常任理事国入りへの支持を改めて表明し、安保理改革を支援すると述べた。また、セラール外務次官は、在スロベニア日本大使館の開館を歓迎する、次は是非麻生外務大臣に我が国を訪問頂きたいと述べた。

(写真)セラール・スロベニア外務次官との会談

5.オーストリア

(1)ウィーン大学社会学部における講演

 17日、山中政務官は、ウィーン大学社会学部において、「日・EU協力と東アジアの安全保障」と題した講演を行った。学生、大学教授、国際機関職員等からなる約70名の聴衆からは、日中関係を中心にした質問がなされた。特に日本の外交戦略に対する教授陣の関心の高さが特徴的であった。

(写真)ウィーン大学社会学部における講演

(2)キルレ・オーストリア外務次官との会談

 17日、山中政務官は、オーストリア外務省においてキルレ外務次官と会談し、外務大臣の下に置かれた賢人会議である「日オーストリア21世紀委員会」の更なる活用、日オーストリア首脳協議の開催、EUの対中武器禁輸措置解除問題、西バルカン情勢等について協議した。特に、オーストリアが現在EU議長国を務めていることもあり、日・EU間でのコソボの安定化に向けた連携について意見が交わされた。

(写真)キルレ・オーストリア外務次官との会談

(3)ド・ブリシャンボー欧州安全保障・協力機構(OSCE)事務総長との会談

 18日、山中政務官は、OSCE本部においてド・ブリシャンボー事務総長と会談した。ド・ブリシャンボー事務総長は、これまでのわが国の貢献に感謝するとともに、中央アジアやコーカサス地域においても日OSCE協力を積極的に展開したいとの希望を示した。これに対し、山中政務官は、OSCEの活動に人間の安全保障の考え方を取り入れることは有益と述べるとともに、アジア地域における平和構築等のための人材育成を進める上でOSCEの知見が活用できるのではないかと述べた。

(写真)ド・ブリシャンボー欧州安全保障・協力機構(OSCE)事務総長との会談

(4)アハティサーリ国連特使との意見交換

 18日、山中政務官は、アハティサーリ・コソボ地位交渉担当国連事務総長特使(元フィンランド大統領)との間で、コソボ地位交渉の今後の見通し、わが国によるコソボ安定に向けた貢献、アジア地域における平和構築のための人材育成等について意見交換を行った。

(写真)アハティサーリ国連特使との意見交換

(5)ユムケラーUNIDO事務局長との会談

 18日、山中政務官は、UNIDO本部においてユムケラー事務局長と会談した。この中で、双方は、プロジェクトを重視し、付加価値の高い活動を行うとともに、効率的な運営体制を確立するというUNIDO改革の継続の必要性につき意見の一致をみた。また、山中政務官が、邦人職員の更なる採用と活用を求めたのに対し、ユムケラー事務局長から前向きな考えが表明された。

(写真)ユムケラーUNIDO事務局長との会談

II.主な成果

  1. 今回の訪問の主な目的は、在スロベニア大使館開館式への出席、日・EU協力と東アジアの安全保障に関するスピーチ、ロンドンにおける在留日本企業関係者を対象にしたセミナーでの講演、この機会を利用した欧州要人、研究者等との意見交換であった。
  2. 各会談では二国間関係のみならず、アハティサーリ・コソボ国連事務総長特使(元フィンランド大統領)との会談や、オーストリア・スロベニア両国の事務次官との会談のように、コソボ等の西バルカン情勢の安定化に向けた日・EU間の協力の可能性についても話し合われたことは有意義であった。
  3. EUの対中武器禁輸解除問題については、東アジアの安全保障環境を説明する中で我が国の考えを説明し、欧州の理解を得るに非常に有益であった。また、アジア地域における平和構築・平和支援のための人材育成を行うことの必要性と重要性について欧州の理解を得ることができた。
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