平成20年3月
3月2日(日曜日)から4日(火曜日)までの間、中山泰秀外務大臣政務官は第7回人権理事会ハイレベルセグメント等への出席のため、スイス(ジュネーブ)を訪問したところ、概要以下のとおり。中山政務官は人権理事会ハイレベルセグメントにおいて我が国の人権外交に関する演説を行った。また、アルブール国連人権高等弁務官、コステア人権理事会議長ら国連関係者及び、人権理事会出席国要人との間で会談を行った。また、ジュネーブ軍縮会議においても、我が国の軍縮政策に関する演説を行った。
第7回人権理事会ハイレベルセグメントで演説を行い、我が国の基本的な人権政策、人権理事会に対する評価、拉致問題を含む北朝鮮の人権問題、TICAD IV(第4回アフリカ開発会議)の我が国における開催等について述べた。その際、拉致問題の解決を含む北朝鮮の人権状況の解決のためには、北朝鮮の人権状況に関するムンタボーン国連特別報告者の任期延長が不可欠であることを強く訴えた。また、TICAD IV(第4回アフリカ開発会議)については、基本的人権の確保のために平和や開発等の分野での取組みが必要であるとの考えの下、我が国のアフリカにおける「人間の安全保障」確立に関する取組みにつき、積極的に表明し、各国の協力を求めた。さらに我が国は、「平和協力国家」として人権理事会と共に将来を築いていくという強い決意を表明した。
会議冒頭、我が国の軍縮政策に関する演説を行った。その際、唯一の被爆国として核兵器廃絶へ向け強い意志を表明するとともに、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効、兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期交渉開始の重要性を訴えた。
(1)アルブール国連人権高等弁務官との会談(3日)
北朝鮮の人権問題、人権高等弁務官事務所(OHCHR)への日本人職員の増強等について意見交換を行った。先方より、拉致被害者家族の方々への心からのメッセージが伝えられた。
(2)サマラシンハ・スリランカ災害管理・人権問題大臣との会談(3日)
二国間関係、スリランカの人権状況、北朝鮮の人権問題等について意見交換を行った。中山政務官より、スリランカが国連関係者を積極的に受け入れていることを評価する一方、人権問題につきスリランカの真摯な努力を改めて求めた。
(3)コステア人権理事会議長との会談(3日)
北朝鮮の人権問題、ハンセン病差別問題等について意見交換を行った。中山政務官より、ハンセン病差別問題への取組の必要性を述べ、本件につき人権理事会における協力を求めた。
(4)プラダン・ネパール暫定内閣外務大臣との会談(4日)
二国間関係、北朝鮮の人権問題、気候変動問題等について意見交換を行った。両国の伝統的な友好関係にかんがみ、国際場裡において引き続き協力していくことが確認された。
(5)ハンドーギー・ウクライナ第一外務次官との会談(4日)
二国間関係、日・GUAM協力、北朝鮮の人権問題、人間の安全保障、環境問題等について意見交換を行った。先方より、オグリスコ・ウクライナ外務大臣の訪日や経団連よるウクライナ訪問等による日・ウクライナ関係の強化につき期待が表明された。
(6)ヴァヌーシ・ブラジル大統領府人権特別長官との会談(4日)
「日本ブラジル交流年」を含む二国間関係、第3回児童の性的搾取に反対する世界会議、北朝鮮の人権問題、ハンセン病差別問題等について意見交換を行った。先方より、ハンセン病差別問題に対するブラジルの取組を紹介し、本件について日本と協力していきたい旨の発言がなされた。
(7)デリー・ガーナ司法担当国務大臣兼法務長官(4日)
AUの現議長国であるガーナとの間では、日・ガーナ二国間関係に加え、ケニア情勢、北朝鮮の人権問題等について意見交換を行った。中山政務官より、我が国が主催するTICADⅣ(第4回アフリカ開発会議)における重点事項等を説明した。